外国籍の家族が亡くなったら何をする?直後の届出から相続の3つの期限まで名古屋の司法書士がやさしく解説

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外国籍の家族が亡くなったら?直後の手続きと期限を名古屋の司法書士が解説

2026/10/08

はじめに|大切な人を亡くした直後のあなたへ

悲しみのなかでも期限のある手続きがあります。この記事が道しるべになります。

日本で暮らしてきた外国籍のご家族が亡くなったとき、残されたご家族は、日本人の相続にはない手続きにも向き合うことになります。市役所への死亡届だけでなく、在留カードの返納、本国の大使館・領事館への届出、そして本国の法律がかかわる相続手続きです。

「何から手をつければいいのか分からない」「期限を過ぎてしまったらどうなるの」という不安なお声を、名古屋のごとう司法書士事務所は何度もお聞きしてきました。

この記事では、外国籍の方が亡くなった直後にすることを、時系列でやさしい日本語でご説明します。全部を一度にやる必要はありません。順番と期限さえ分かれば、落ち着いて進められます。

まず全体像を知りましょう|日本の手続きと本国の手続きの「二本立て」

外国籍の方の相続は、2つの国の手続きが同時に進みます。

外国籍の方が日本で亡くなった場合、手続きは大きく2つの流れに分かれます。1つは、死亡届や保険・年金、銀行や不動産など、日本国内で完結する手続きです。もう1つは、本国の大使館・領事館への届出や、本国の身分関係書類の取り寄せといった、母国とのあいだの手続きです。

さらに、だれが相続人になるか、相続分はどれだけかというルールは、日本の法律(法の適用に関する通則法36条)により、原則として亡くなった方の本国法で判断されます。韓国籍の方なら韓国民法、中国籍の方なら中国の法律が出発点になるということです。国によっては、日本にある不動産については日本法で判断される場合もあり、このあたりは専門的な確認が必要です。

「二本立てで、しかも国によってルールが違う」と聞くと不安になるかもしれませんが、ご安心ください。直後にやるべきことは、実はどの国籍の方でもほとんど同じです。次の章から、期限の近い順にご説明します。

14日以内にすること|死亡届・在留カードの返納・保険や年金の届出

最初の2週間に、市役所と入管への届出が集中します。

まず、死亡の事実を知った日から7日以内に、市区町村の役所へ死亡届を出します。外国籍の方でも日本で亡くなった場合は死亡届が必要です。届出をすると、火葬や埋葬に必要な許可証が発行されます。

次に、亡くなった方が在留カードをお持ちだった場合、死亡の日から14日以内に、親族または同居していた方が在留カードを返納します。住居地を管轄する出入国在留管理局へ持参するか、東京出入国在留管理局の専用窓口へ郵送する方法があります。うっかり忘れやすい手続きですが、返納しないと罰則の対象になることもあるため注意が必要です。

このほか、国民健康保険や介護保険の資格喪失の届出、世帯主が亡くなった場合の世帯主変更届も、原則14日以内です。年金を受け取っていた方であれば、年金の受給停止の手続きも早めに行います。亡くなった方に扶養されていたご家族の健康保険の切り替えも忘れずに確認しましょう。

名古屋市にお住まいであれば、死亡届は各区役所で受け付けています。葬儀社が死亡届の提出を代行してくれることも多いので、お願いできるかどうか確認してみてください。在留カードの返納は、愛知県の場合は名古屋出入国在留管理局が窓口になります。窓口へ行く時間が取れないときは郵送での返納もできますので、無理のない方法を選んでください。

大使館・領事館への届出|本国の記録にも死亡を反映させる

日本の役所への届出だけでは、母国の記録は変わりません。

意外と知られていないのですが、日本の市役所に死亡届を出しても、その情報が自動的に本国へ伝わるわけではありません。本国の身分登録(韓国の家族関係登録簿、中国の戸口など)に死亡を反映させるには、大使館・領事館への届出や本国での手続きが別に必要になるのが一般的です。

たとえば韓国籍の方の場合、在外公館を通じて死亡申告を行い、韓国の家族関係登録簿に死亡の記録を載せます。この記録は、後の相続手続きで「亡くなったことを証明する本国の書類」として使うことになるため、放置すると相続登記や銀行の手続きが進められなくなることがあります。

名古屋には韓国の総領事館があり、中国の総領事館も愛知県内にあります。国によって必要書類や手続きの方法が違いますので、死亡診断書(死亡届の記載事項証明)のコピーを多めに取得しておき、早めに該当する領事館へ確認することをおすすめします。

また、亡くなった方のパスポートの取り扱い(返納や失効手続き)も国によってルールがありますので、あわせて領事館に確認すると安心です。

銀行口座と自宅はどうなる?|口座凍結への備えと不動産の名義

口座は凍結されても、当面の生活資金を引き出せる制度があります。

銀行は、口座の名義人が亡くなったことを知ると、その口座を凍結します。凍結されると、公共料金の引き落としもできなくなるため、引き落とし先の変更を先に整理しておくと慌てずにすみます。

「葬儀代や当面の生活費が引き出せない」というご相談は非常に多いのですが、日本には遺産分割前の預貯金払戻し制度があり、一定の範囲(法定相続分の3分の1、1つの金融機関あたり150万円が上限)で先に払戻しを受けられます。ただし、外国籍の方の場合は法定相続分を本国法で確認する必要があるため、銀行への説明に専門的な資料が必要になることがあります。

ご自宅などの不動産は、亡くなった方の名義のまま残ります。名義は自動的に変わらないため、相続登記という手続きが必要です。住宅ローンが残っている場合は、団体信用生命保険でローンが完済されるかどうかを早めに金融機関へ確認しましょう。ローンが消えても、名義を変える相続登記は別に必要です。

このほか、電気・ガス・水道・携帯電話などの契約の名義変更や解約、賃貸にお住まいだった場合の大家さんや管理会社への連絡も、落ち着いたタイミングで一つずつ進めていきます。契約ごとのリストをつくっておくと、やり残しを防げます。

忘れてはいけない3つの期限|3か月・10か月・3年

この3つの数字だけは、カレンダーに書き込んでください。

直後の届出が落ち着いたら、次は相続の期限を意識します。大切な期限は3つです。

1つ目は3か月。借金などマイナスの財産のほうが多い場合、家庭裁判所で相続放棄ができますが、原則として自分が相続人になったことを知ってから3か月以内です。外国籍の方の相続では、放棄の手続きにどの国の法律が適用されるかという論点もあるため、借金の心配がある場合はすぐにご相談ください。

2つ目は10か月。相続税の申告と納税の期限です。相続税がかかるかどうかは財産の額によりますが、日本にある財産は、外国籍の方が亡くなった場合でも日本の相続税の対象になり得ます。該当しそうな場合は税理士と連携して進めます。なお、亡くなった方に事業所得や不動産収入などがあった場合は、相続人が代わりに行う所得税の申告(準確定申告)の期限が4か月以内とさらに早いので、お店や賃貸物件をお持ちだった方のご家族は特にご注意ください。

3つ目は3年。2024年4月から相続登記が義務になり、不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記をしないと、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。外国籍の方の相続登記は本国書類の収集に時間がかかるため、3年は意外とあっという間です。間に合わない事情があるときは、相続人申告登記というつなぎの制度もあります。期限のある手続きは、どれも「知ってから」が起算点になるものが多いので、いつ何を知ったのかをメモに残しておくことも、あとで自分を助けてくれます。

書類集めは今日から|本国の書類と翻訳に時間がかかります

外国籍の方の相続で、いちばん時間がかかるのが書類集めです。

日本人の相続では、戸籍をたどって相続人を証明します。外国籍の方の場合はこれに代わるものとして、本国の身分関係書類(韓国の家族関係証明書や除籍謄本、中国の公証書など)を取り寄せ、日本語訳を付けて法務局や銀行に提出します。

注意したいのは、日本人の相続で便利に使われる法定相続情報一覧図が、亡くなった方が外国籍の場合には利用できないことです。つまり、集めた本国書類の束そのものを、銀行や法務局に順番に提出していくことになります。書類の種類も通数も多くなりがちなので、原本とコピーの管理が大切です。

また、相続人のなかに本国や第三国に住んでいる方がいる場合は、印鑑証明書の代わりにサイン証明や現地の公証が必要になり、さらに時間がかかります。国をまたぐ郵送のやり取りは1往復で数週間かかることも珍しくありません。

たとえば韓国籍の方の相続であれば、家族関係証明書などの本国書類の取り寄せと翻訳、銀行ごとの相続手続き、相続登記までを最初にひとつの段取り表にまとめ、並行して進めていくイメージです。全体の設計を先に決めてから動くと、ご家族が同じ窓口を何度も回ったり、書類を取り直したりする負担を大きく減らせます。

だからこそ、書類集めは「落ち着いてから」ではなく「今日から」が正解です。何をどの順番で集めるかの設計図を最初につくってしまえば、あとは着実に進めるだけになります。当事務所では、この設計図づくりの段階からお手伝いしています。

まとめ|ひとりで抱え込まず、早めにご相談ください

直後の届出→期限の管理→書類集め。この順番で進めれば大丈夫です。

外国籍のご家族が亡くなったときの手続きは、死亡届(7日以内)と在留カードの返納(14日以内)などの直後の届出から始まり、大使館・領事館への届出、口座凍結への対応と進みます。そして、相続放棄の3か月、相続税の10か月、相続登記の3年という3つの期限を意識しながら、本国書類の収集と翻訳を早めに始めることが、スムーズな相続のいちばんの近道です。

外国籍の方の相続は、本国法の確認や本国書類の読み取りなど、専門的な判断が必要になる場面が多い手続きです。名古屋のごとう司法書士事務所は、韓国・中国をはじめ外国籍の方の相続手続きを数多くお手伝いしてきました。銀行の手続きから相続登記、不動産の売却まで、宅建士を兼ねる事務所としてワンストップでサポートいたします。

どの段階からのご相談でも大丈夫です。「まだ何も手をつけていない」という状態こそ、お電話ください。

▶外国籍の方の相続手続きのご相談は、名古屋のごとう司法書士事務所へ。フリーダイヤル0120-290-939、またはごとう相続手続き相談センターからお気軽にお問い合わせください。


※本記事は2026年10月時点の法令・制度に基づいて作成しています。在留カードの返納先や各国領事館の手続きなどは変更されることがありますので、実際のお手続きの際は最新の情報をご確認ください。

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