韓国の遺留分制度が大きく変わりました|在日韓国人の相続・遺言への影響【名古屋のごとう司法書士事務所】

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韓国の遺留分大改正|在日の相続と遺言はどう変わる?名古屋の司法書士が解説

2026/09/29

「遺留分」の常識が、韓国で塗り替えられています|名古屋の相続にも他人事ではありません

兄弟姉妹の遺留分は廃止。親を虐待した相続人は相続権ごと失う。半世紀ぶりの大改正は、日本で暮らす韓国籍の方の相続に直結します。

名古屋市中区にあるごとう司法書士事務所では、随時無料相談を実施しています。

「遺言を書いても、遺留分だけは奪えない」。相続の世界の常識ともいえるこのルールが、いま韓国で大きく塗り替えられています。きっかけは2024年4月25日、韓国の憲法裁判所が、約半世紀続いてきた遺留分制度の一部を違憲と判断したこと。兄弟姉妹の遺留分はその日のうちに効力を失い、その後の法改正で、親を虐待したような相続人から相続の権利を奪う仕組みまで整えられました。

なぜ名古屋の司法書士がこの話をするのか。それは、日本で暮らす韓国籍の方の相続には原則として韓国の法律が適用されるからです。韓国の遺留分ルールの変化は、ソウルの話ではなく、名古屋のご家庭の遺産分割や遺言の設計を直接左右します。特に、遺言を検討中の方、おひとりさまやお子さんのいないご夫婦、家族関係に複雑な事情を抱えるご家庭にとって、今回の改正は「知っているかどうか」で選択肢が大きく変わる内容です。

この記事では、外国籍の方の相続を数多くお手伝いしてきた名古屋のごとう司法書士事務所が、韓国の遺留分大改正の中身を三つの変化に整理し、在日韓国人の方の相続・遺言への影響までやさしく解説します。

そもそも遺留分とは?|日本と韓国、よく似た制度のはずでした

遺言でも奪えない最低限の取り分。日韓で並走してきた制度が、今回はっきり道を分けました。

遺留分とは、遺言によっても奪うことのできない、相続人に保障された最低限の取り分のことです。「全財産を長男に」「全額を寄付する」という遺言があっても、他の相続人は遺留分の限度で財産の取り戻しを主張できます。相続人の生活保障と公平のための安全弁といえる制度です。

韓国の遺留分制度は1977年に導入され、日本の制度とよく似た姿をしてきました。改正前の韓国民法では、配偶者と直系卑属(子など)は法定相続分の2分の1、直系尊属(親など)は3分の1、そして兄弟姉妹にも3分の1の遺留分が認められていました。日本では兄弟姉妹に遺留分がないことを考えると、韓国のほうが遺留分の網が広かったのです。

その「広い網」に対して、韓国社会からは長年疑問の声が上がっていました。交流のなかった兄弟が遺産だけ主張してくる、親を捨てた子が遺留分だけは満額受け取る。家族のかたちが変わる中で、画一的な遺留分が「正義に反する結果」を生む場面が目立つようになったのです。芸能人の相続をめぐる報道などで世論も高まり、ついに憲法裁判所が動きました。ここからの変化を、三つに分けて見ていきましょう。

第1の変化:兄弟姉妹の遺留分が廃止|2024年の違憲決定で即日効力喪失

「疎遠な兄弟が遺産の一部を持っていく」時代の終わり。おひとりさまの遺言は、確実性が一段と増しました。

2024年4月25日、韓国憲法裁判所は、兄弟姉妹に遺留分を認める民法の規定を違憲と判断しました。理由は明快で、兄弟姉妹は被相続人の財産形成への貢献や相続への期待がほとんど認められないのに、法律で一律に取り分を保障するのは行き過ぎだ、というものです。この規定は単純違憲とされ、決定のその日から効力を失いました。

これは、お子さんのいない方の相続に大きな意味を持ちます。配偶者も子も親もいない方の相続人は兄弟姉妹ですが、その兄弟姉妹に遺留分がなくなった以上、遺言さえ書いておけば、財産の100%を自分の決めた相手に渡せるようになったのです。長年連れ添った配偶者に全部を遺す、お世話になった方や団体に遺贈する。こうした遺言が、兄弟姉妹からの遺留分主張で覆される心配は、韓国法上なくなりました。

影響の大きさを具体例で見てみましょう。子のいないご夫婦で、韓国籍のご主人が「全財産を妻に」という遺言を残したケース。改正前は、ご主人の兄弟姉妹が法定相続分の3分の1という遺留分を主張でき、奥様は義理の兄弟との金銭のやり取りを覚悟する必要がありました。改正後、この主張の根拠は消滅。遺言のとおり、奥様がすべてを受け取れます。長年不安の種だった「義兄弟からの請求」が、制度ごとなくなったのです。

実は日本の民法では、兄弟姉妹にはもともと遺留分がありません。今回の違憲決定で、日韓のルールはこの点で足並みがそろったことになります。ただし「そろったから何もしなくていい」ではありません。遺言がなければ、兄弟姉妹は依然として法定相続人として登場し、韓国書類の収集や遺産分割協議という重い手続きが待っています。遺留分廃止の恩恵を受け取れるのは、遺言を書いた人だけなのです。

第2の変化:「親不孝」な相続人は相続権ごと失う時代に|相続権喪失制度の新設

育児を放棄した親、親を虐待した子。「それでも相続人」だった時代が、法改正で終わりました。

憲法裁判所は同じ決定の中で、親を虐待した相続人などの遺留分を制限する仕組みがないことも憲法に合わないと指摘し、法改正を求めました。これを受けて韓国では民法が改正され、被相続人に対する虐待や重大な扶養義務違反、重大な犯罪行為などがあった相続人について、家庭法院(日本の家庭裁判所に当たります)の宣告により相続権そのものを失わせる制度が設けられました。相続権を失えば、当然、遺留分も主張できません。

この改正の背景には、若くして亡くなった歌手の遺産を、長年養育を放棄していた親が相続しようとして社会的な議論を呼んだ、いわゆる「ク・ハラ法」をめぐる動きがあります。新しい制度は2026年から施行され、違憲決定のあった2024年4月25日以降に開始した相続にも適用されるとされています。つまり、比較的最近始まった相続でも、この新ルールが関係する可能性があるのです。

実務の目線でひと言添えると、この制度は「主張すれば自動的に認められる」ものではありません。家庭法院の判断を得るには、虐待や扶養放棄の事実を示す資料が鍵になります。介護や送金の記録、連絡を絶たれた経緯のメモ、医療・福祉関係者とのやり取り。心当たりのあるご家庭は、日頃からの記録がいざというときの武器になることを覚えておいてください。

日本の民法にも相続人の欠格や廃除という制度はありますが、対象は限定的で、扶養義務違反を理由に相続権を奪うハードルは高いのが実情です。「家族としての実態」を相続の資格に反映させる韓国の新制度は、日本より一歩踏み込んだものといえます。介護や扶養をめぐる家族間の不公平に悩むご家庭にとって、韓国法が適用される相続では、この制度が新たな選択肢になり得ます。

第3の変化と在日の相続への影響|遺言の自由度が広がりました

寄与への配慮、金銭での解決。細部も整備が進みます。名古屋の相続実務にはこう効いてきます。

さらに2026年には、遺留分の計算や返還のルール自体を整備する民法改正が成立したと伝えられています。報道や現地の解説によれば、被相続人を長年扶養したり財産形成に貢献したりした相続人への配慮(貢献の対価として受けた贈与を遺留分の計算から除くなど)や、遺留分の返還を原則として金銭で行う方向への整理が盛り込まれています。不動産そのものの持分返還ではなく金銭での解決が基本になれば、「遺言で家を継いだ人が、遺留分の主張で共有状態に引き戻される」という事態を避けやすくなります。実は日本でも2019年の相続法改正で遺留分は金銭債権化されており、日韓は似た方向へ進んでいるのです。改正内容の細部や適用時期は今後の実務運用も含めて動く部分がありますので、実際の手続きの際は最新情報の確認が欠かせません。

では、名古屋で暮らす韓国籍の方には、具体的にどう影響するのでしょうか。第一に、遺言の自由度が広がりました。兄弟姉妹の遺留分廃止で、おひとりさま・子のないご夫婦の遺言はほぼ思いどおりに設計できます。第二に、遺留分を意識した遺言の設計図が変わります。従来は「遺留分を侵害しない範囲で」と守り一辺倒だった設計に、相続権喪失制度や寄与への配慮という新しい考慮要素が加わりました。第三に、それでもなお、配偶者と子の遺留分は残っているという点は変わりません。「全財産を一人に」という遺言が万能でないことは、改正後も同じです。

すでに遺言をお持ちの方は、この機会に三点だけ確認してみてください。①兄弟姉妹の遺留分を前提にした条項(あえて兄弟に一部を遺す設計など)が残っていないか。②扶養や介護への貢献を踏まえた分け方に見直す余地はないか。③遺言の作成時期が改正前なら、改正後のルールでも意図どおりに機能するか。遺言は一度書いたら終わりではなく、法改正のたびに点検するものです。

そして忘れてはならないのが、準拠法の視点です。韓国籍の方は、遺言で相続の準拠法を日本法に指定することもできます。改正後の韓国法と日本法、どちらのルールがご家庭の事情に合うのか。遺留分の顔ぶれ、相続分、住まいの保護。比較して選べるのは韓国籍の方だけの特権です。当事務所では、この比較検討まで含めた遺言設計をお手伝いしています。

まとめ|改正を味方につける鍵は、やはり遺言です

制度は「遺言を書いた人」に有利に変わりました。動いた人から、恩恵を受け取れます。

以上、韓国の遺留分大改正について解説しました。

ポイントを振り返ります。2024年4月25日の違憲決定で兄弟姉妹の遺留分は即日廃止され、おひとりさまの遺言は100%実現できるようになったこと。虐待や扶養義務違反のあった相続人は、家庭法院の宣告で相続権ごと失う制度が新設され、2024年4月25日以降の相続にも適用され得ること。さらに2026年の改正で、寄与への配慮や金銭返還の原則化など、遺留分ルールの整備が進んでいること。そしてこれらはすべて、韓国法が適用される在日韓国人の方の相続に直結するということです。

なお、遺留分をめぐる争いはすでに開始した相続にも起こります。「改正前に始まった相続」と「改正後に始まった相続」では適用されるルールが異なる場合があるため、いつ開始した相続かの確認が出発点になります。渦中にある方も、まずは現状整理からご相談ください。

今回の改正に共通するメッセージは明快です。法律は、想いを遺言に残した人、家族への責任を果たした人に有利な方向へ動いています。逆にいえば、遺言のないまま相続が始まれば、改正の恩恵のほとんどは受け取れません。名古屋のごとう司法書士事務所では、改正後の韓国法を踏まえた遺言の設計から、相続発生後の遺産分割・相続登記・不動産売却まで、司法書士兼宅地建物取引士がワンストップでお手伝いしています。「うちの遺言、改正前のままで大丈夫?」という見直しのご相談も歓迎です。どうぞお気軽にお問い合わせください。

▶韓国の遺留分改正を踏まえた相続・遺言のご相談は、名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)へ。相続放棄、相続税、遺産分割など相続に役立つ情報満載の相続専門サイト「名古屋で相続相談・相続登記ならごとう相続手続き相談センター」もあわせてご覧ください。

 

※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。韓国の改正法の運用は始まったばかりで、細部の取り扱いは今後の実務で固まっていく部分があります。実際のお手続きの際は、必ず司法書士など専門家に最新の情報をご確認ください。

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