【2026年4月から】名古屋の不動産は住所変更登記も義務に|過料5万円を避けるには

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【2026年4月から】名古屋の不動産は住所変更登記も義務に|過料5万円を避けるには

2026/06/15

まずはじめに

引っ越しや結婚で住所や名前が変わったあと、不動産の登記簿はそのままにしている——そんな方は、実はとても多くいらっしゃいます。これまでは「急がなくても大丈夫」と思われていたこの手続きが、2026年(令和8年)4月1日から法律で義務づけられることになりました。

「相続登記の義務化は聞いたことがあるけれど、住所の変更まで?」と驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。この記事では、新しく始まる「住所・氏名変更登記の義務化」とは何か、いつまでに何をすればよいのか、そして相続や不動産の売却を考えるうえでなぜ大切なのかを、司法書士兼宅地建物取引士の立場から、名古屋の事情をふまえてやさしくお伝えします。読み終えるころには、「自分の場合はどうすればいいか」の見当がつくはずです。

2026年4月から始まる「住所・氏名変更登記の義務化」とは?

結論から申し上げると、2026年4月1日からは、不動産の所有者として登記されている方が引っ越しなどで住所や氏名を変えたときに、その変更を登記簿に反映させることが義務になります

少していねいに説明します。不動産には「登記簿」という公的な記録があり、そこには所有者の住所と氏名が記されています。これまでは、住所や名前が変わっても、登記簿の記載を直すかどうかは所有者の判断にゆだねられていました。そのため、登記簿上の住所が何年も前の古いままになっている不動産が、全国にたくさん残ってきました。

こうした「登記簿の住所と、実際の所有者の住所が食い違っている」状態は、所有者と連絡が取れない土地、いわゆる所有者不明土地が生まれる大きな原因のひとつとされています。この問題を解消するため、不動産登記法が改正され、相続登記に続いて、住所・氏名の変更登記も義務化されることになりました。

ここで、2024年4月に始まった相続登記の義務化との違いを整理しておきます。相続登記は「不動産の所有者が亡くなったとき」に、その名義を相続人へ移す手続きです。これに対して今回の住所・氏名変更登記は、「所有者ご本人が生きているあいだに、引っ越しや結婚・離婚などで住所や名前が変わったとき」の手続きです。つまり、相続が起きていなくても、不動産をお持ちの方であれば誰にでも関わってくる、というのが大きなポイントです。

いつまでに、何をすればいい?過料を避けるための期限と手続き

住所や氏名が変わったら、その日から2年以内に変更登記を申請する必要があります。正当な理由なく怠ると、5万円以下の過料の対象となり得ます。

期限の数え方には、注意していただきたい点があります。施行日である2026年4月1日より前に、すでに引っ越しなどで住所が変わっている場合にも、この義務はさかのぼって適用されます。ただし、過去の変更については猶予が設けられており、施行日から2年以内、つまり2028年(令和10年)3月末ごろまでに手続きをすれば、過料の対象にはならないと案内されています。「もう何年も前に引っ越したから関係ない」ということにはなりませんので、心当たりのある方は、この機会に登記簿の住所を確認しておくと安心です。

手続きそのものは、ご自身で法務局に申請することもできますし、司法書士に依頼することもできます。住民票の写しなど、住所の移り変わりがつながる書類をそろえて申請するのが基本の流れです。名古屋市内の不動産であれば、名古屋法務局が窓口になります。

あわせて知っておきたいのが、新しく用意される負担の軽い仕組みです。報道などによると、所有者ご本人があらかじめ氏名・住所・生年月日といった情報を法務局に届け出ておけば、住民基本台帳のシステムと連携して、住所が変わった際に法務局が職権で(つまり申請を待たずに)変更登記をしてくれる、いわゆる「スマート変更登記」と呼ばれる制度も始まる予定です。これを利用すれば、引っ越しのたびに自分で申請する手間が省け、うっかり期限を過ぎてしまう心配も減らせます。

なお、これらの制度は施行に向けて運用の細かな点が詰められている段階のものも含まれます。実際の手続き方法や必要書類は、最終的な取り扱いと異なる場合がありますので、ご自身のケースで進める際は、最新の情報を法務局や専門家にご確認ください。

住所・氏名変更登記には何が必要?書類と費用の目安

住所変更登記には、住所の移り変わりがひとつながりに証明できる書類と、登録免許税という税金が必要になります。金額は不動産の数によって変わりますが、相続登記に比べれば負担は軽い手続きです。

まず、書類についてです。基本となるのは、住民票の写しです。引っ越しが一度だけであれば、現在の住民票の写しに前住所が記載されているため、登記簿上の住所とのつながりを示せることが多くあります。一方で、何度も住所を移している場合は、現在の住民票だけでは登記簿の住所までさかのぼれないことがあります。その際は、戸籍の附票(こせきのふひょう。本籍地で保管され、その戸籍にいるあいだの住所の移り変わりが記録された書類)を取り寄せると、過去の住所のつながりを一通で示せることが多く、便利です。氏名が変わった場合は、変更の事実がわかる戸籍謄本などが必要になります。

ここで注意したいのが、古い住所の証明が取れないケースです。住民票の除票や戸籍の附票には保存期間があり、長い年月が経っていると、登記簿の住所までつながる書類が役所に残っていないことがあります。その場合は、取得できなかったことを示す書類(不在籍・不在住の証明など)や、本人であることを補う上申書といった、別の方法で補うことになります。どの書類でどう補うかはケースによって判断が分かれるため、つまずきやすいところです。こうした書類集めや組み立ては、司法書士が得意とする部分です。

次に、費用についてです。住所や氏名の変更登記には、登録免許税として、不動産1個につき1,000円がかかるのが原則です。土地と建物はそれぞれ別の「1個」と数えますので、たとえば一戸建てで土地1筆・建物1棟であれば、合わせて2,000円が目安になります。これに、住民票や戸籍の附票などの取得実費、司法書士に依頼する場合は報酬が加わります。相続登記の登録免許税が不動産の評価額に応じて計算されるのに比べると、住所変更登記の税負担は定額で軽い、と覚えておくとよいでしょう。

当事務所では、こうした費用についても、ご依頼の前に内訳を分かりやすくお示しする明朗会計を心がけています。「いくらかかるのか分からないまま頼むのは不安」というお気持ちに、できるだけお応えしたいと考えています。

なぜ相続や不動産売却で「住所の食い違い」が問題になるのか

登記簿の住所が古いままだと、いざ相続や不動産の売却を進めようとしたときに、思わぬ手間と時間がかかることがあります。だからこそ、ふだんから登記簿を実際の状況に合わせておくことが大切です。

たとえば、不動産を売却するときを考えてみます。買主への名義変更(所有権移転登記)を行う前提として、売主であるご本人の登記簿上の住所が、いまの住所と一致している必要があります。住所が食い違っていると、先に住所変更登記をしてからでないと売買の登記を進められません。売買の決済日が決まっているなかで慌てて書類をそろえることになり、引っ越しが何度も重なっている場合には、住所のつながりを証明する書類集めに苦労することもあります。

相続の場面でも同じことが起こります。亡くなった方(被相続人)の登記簿上の住所が、お亡くなりになったときの住所と違っていると、相続登記の際に「登記簿の人物と、亡くなった方が同一人物である」ことを書類で示す必要が出てきます。古い住所のままだと、その証明のための書類が増え、手続きが複雑になりがちです。

名古屋にお住まいの方には、転勤や住み替えの多い土地柄という事情もあります。名古屋は製造業を中心とした企業が多く、お勤めの関係で市内・県内を何度か引っ越された方や、お子さまの独立後に夫婦で住み替えをされた方も少なくありません。堅実に持ち家を構える方が多い一方で、引っ越しのたびに不動産の登記簿まで気を配るのは、なかなか難しいものです。だからこそ、住所変更登記の義務化をきっかけに、いちど登記簿の住所を確認しておくことには大きな意味があります。

ここで、当事務所からひとつお伝えしたいことがあります。住所変更登記は、それ自体は比較的シンプルな手続きですが、相続や不動産売却と重なると、登記と取引の両面を見通す力が必要になります。当事務所は、司法書士兼宅地建物取引士として、登記という法律手続きと、売買という不動産取引の両方を一つの窓口でお引き受けできます。「住所を直す」だけにとどまらず、その先の相続や売却まで見据えてご案内できることが、私たちの強みだと考えています。

会社名義の不動産はどうなる?法人の場合の取り扱い

会社など法人が所有する不動産も、本店の所在地や名称が変わったときは変更登記の対象になります。ただし法人については、個人とは別の、負担を軽くする仕組みが用意される見込みです。

賃貸用のアパートやテナントビルなどを、ご本人ではなく資産管理会社の名義でお持ちの方は、名古屋でも少なくありません。法人の本店を移したり、社名を変更したりした場合、その法人が所有する不動産の登記簿上の表示も、実際と食い違ってしまいます。

この点について、改正後は、不動産の登記簿に法人を識別するための番号(会社法人等番号)を記録できるようにし、会社の登記を扱う商業・法人登記のシステムと連携させることで、本店や名称の変更があった際に、不動産の登記にも反映されやすくする仕組みが検討されています。これにより、法人については、変更のたびに不動産ごとに申請する手間を減らせると見込まれています。

とはいえ、運用の細部はこれから整っていく部分もあります。会社名義の不動産をお持ちの方は、ご自身の法人の登記情報と、不動産の登記簿の表示が一致しているか、いちど確認しておくと安心です。

相続登記・所有不動産記録証明制度との関係を整理する

今回の住所・氏名変更登記の義務化は、**ここ数年で進められてきた一連の不動産登記制度の見直しの「最後のピース」**にあたります。あわせて押さえておくと、ご自身が何をすべきかが見通しやすくなります。

近年、所有者不明土地の問題を解消するため、不動産の登記に関するルールが段階的に変わってきました。流れを整理すると、次のようになります。

まず、2024年(令和6年)4月1日から、相続登記が義務化されました。不動産を相続したことを知った日から、原則として3年以内に登記を申請する必要があり、これは過去に発生した相続にもさかのぼって適用されます(施行前の相続には経過措置があります)。怠ると10万円以下の過料の対象となり得ます。

次に、2026年(令和8年)2月からは、所有不動産記録証明制度が始まりました。これは、亡くなった方が全国にどのような不動産を持っていたのかを、一覧にした証明書として取得できる制度です。「親がどこに不動産を持っていたのか分からない」という相続の場面で、調べる手がかりになります。

そして、2026年(令和8年)4月1日から始まるのが、この記事でご説明している住所・氏名変更登記の義務化です。所有者ご本人が生きているあいだの、住所や名前の変更を対象にしています。

このように、「亡くなったあとの名義変更(相続登記)」「亡くなった方の不動産を探す手がかり(記録証明制度)」「生きているあいだの住所・氏名の変更(変更登記)」という三つが、それぞれの役割を持って整えられてきました。三つに共通しているのは、登記簿を実際の状況に合わせ、「いざというときに困らないようにしておく」という考え方です。住所変更登記を済ませておくことは、将来の相続登記をスムーズにすることにもつながります。

なお、ここで触れた制度は、いずれも比較的新しいものや、これから運用が固まっていくものを含みます。細かな要件や手続きは変わる可能性がありますので、ご自身のケースにあてはめる際は、最新の情報をご確認のうえお進めください。

想定されるケース:転居を重ねた親の不動産を相続した名古屋の方

たとえば、次のようなケースを考えてみます。名古屋市内にお住まいの60代の女性が、お父さまの相続で名古屋市郊外の戸建てを引き継ぐことになったとします。お父さまは現役時代に転勤が多く、登記簿に記された住所は、20年以上前に住んでいた他県の住所のままでした。

いざ相続登記を進めようとすると、「登記簿に載っている人物と、亡くなったお父さまが同じ人である」ことを示す書類が必要だとわかります。ところが、古い住所からのつながりを証明する住民票の除票などは、保存期間の関係で取得できないこともあり、思いのほか時間がかかってしまいました。

このようなケースで大切なのは、あわてずに、まず事実を一つずつ整理していくことです。どの時点でどこに住所があったのか、必要な書類は何で、どこから取り寄せられるのか。住民票の除票が取れない場合には、代わりにどのような書類で補えるのか。こうした道すじを一緒に確認しながら、相続登記、そして売却を考えるならその先の手続きまでを見通して進めていきます。

このケースが示しているのは、所有者ご本人が生きているあいだに住所変更登記を済ませておけば、こうした手間の多くは防げた、ということです。住所変更登記の義務化は、一見すると負担が増えるように感じられるかもしれません。けれど見方を変えれば、将来ご家族が相続で困らないように、いま備えておくきっかけにもなります。

よくあるご質問(FAQ)

Q. 引っ越したあと、不動産の住所変更登記をしていません。すぐに過料がかかりますか?

すぐに過料がかかるわけではありません。2026年4月の施行より前の引っ越しについては、施行日から2年以内(2028年3月末ごろまで)に手続きをすれば、過料の対象にはならないと案内されています。心配な方は、早めに登記簿の住所を確認しておくと安心です。

Q. 結婚して名字が変わりました。これも変更登記が必要ですか?

はい。氏名(名字)が変わった場合も、住所変更と同じく登記簿の記載を直す必要があります。義務化の対象は「住所」だけでなく「氏名」も含まれます。

Q. 何度も引っ越していて、自分でやるのは大変そうです。誰に頼めばいいですか?

住所変更登記は司法書士が代理して行えます。引っ越しが重なって住所のつながりを示す書類が複雑な場合ほど、専門家に整理を任せていただくと、手間と時間を減らせます。当事務所でも承っています。

Q. 相続した不動産を売りたいのですが、亡くなった親の住所が古いままでも売れますか?

そのままでは進められません。まず亡くなった方の住所のつながりを整理して相続登記を行い、相続人へ名義を移してから売却に進みます。当事務所は司法書士兼宅地建物取引士として、登記から売却までを一つの窓口でお引き受けできます。

Q. 住所変更登記には、いくらくらいかかりますか?

登録免許税として、不動産1個につき1,000円が原則です。土地と建物は別々に数えるため、土地1筆・建物1棟の一戸建てなら2,000円が目安です。これに住民票や戸籍の附票などの取得実費、司法書士に依頼する場合は報酬が加わります。相続登記に比べ、税負担は定額で軽い手続きです。

Q. 古い住所の証明書類が、役所で取れないと言われました。どうすればいいですか?

住民票の除票や戸籍の附票は保存期間があり、年月が経つと取得できないことがあります。その場合は、取得できなかったことを示す証明や上申書など、別の書類で補って進めます。判断が分かれやすいところですので、司法書士にご相談いただくと整理がスムーズです。

Q. 会社名義の不動産も、住所(本店)が変わったら手続きが必要ですか?

はい、法人所有の不動産も対象です。ただし法人については、会社の登記システムと連携し、本店や名称の変更を不動産の登記に反映しやすくする仕組みが検討されています。運用の細部はこれから整う部分もあるため、登記情報が一致しているか確認しておくと安心です。

Q. 「スマート変更登記」を使えば、もう自分で手続きしなくてよいのですか?

ご本人が事前に情報を届け出ておけば、法務局が職権で変更登記をしてくれる仕組みが始まる予定です。ただし、事前の届け出が必要で、運用の細かな点はこれから整っていく部分もあります。最新の取り扱いをご確認のうえ、ご自身に合う方法をお選びください。

まとめ

2026年4月1日から、不動産の所有者は、住所や氏名が変わったときにその変更を登記簿へ反映させることが義務になります。期限は変更の日から2年以内で、正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の対象となり得ます。施行前の引っ越しにもさかのぼって適用されますが、施行日から2年の猶予がありますので、この機会に登記簿の住所を確認しておくことをおすすめします。

住所変更登記は、それだけを見ればシンプルな手続きです。けれど、相続や不動産の売却が重なると、住所の食い違いが手続きを複雑にし、思わぬ時間と労力がかかることがあります。ふだんから登記簿を実際の状況に合わせておくことは、将来ご家族が困らないための、確かな備えになります。

当センターは、名古屋市中区丸の内を拠点に、司法書士兼宅地建物取引士として、住所・氏名の変更登記から、相続登記、相続不動産の売却までを一つの窓口でサポートしています。元銀行員としての金融の知識も生かしながら、お一人おひとりのご事情に合わせたオーダーメイドのご提案と、明朗会計を大切にしています。1人の担当者が最後まで責任をもってお手伝いしますので、「うちの登記簿はどうなっているだろう」と気になった方は、どうぞお気軽にご相談ください。ご相談は無料です。あわてず、納得のいく一歩を一緒に考えてまいります。

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