名古屋でブラジル国籍のご家族から受け継いだ「空き家」――相続登記から売却まで、司法書士兼宅地建物取引士が一緒に歩みます

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【名古屋】ブラジル籍の親が遺した空き家の相続登記と売却|司法書士兼宅建士がワンストップ対応

2026/06/26

住む人のいなくなった、名古屋のご実家を前にして

名古屋で長くお仕事をされ、ご自宅を構えていらしたブラジル国籍のお父さま、お母さま。その方が亡くなられたあと、「住む人のいなくなった家」だけが静かに残されることがあります。お子さまはすでに日本で暮らし、日本国籍を取得されている方も少なくありません。「親の家をどうしたらいいのだろう」「外国籍が関わる相続は、何から手をつければよいのか分からない」――そんなお気持ちで、このページにたどり着かれたのではないでしょうか。

外国籍の方が関わる相続は、たしかに日本人同士の相続より一段ていねいな手続きが必要です。けれども、順番どおりに進めれば決して越えられない山ではありません。この記事では、被相続人(亡くなった方)がブラジル国籍で、相続人(受け継ぐ方)が日本にお住まいというよくあるケースを想定し、空き家になったご実家を相続登記し、安心して売却するまでの道のりを、できるだけやさしい言葉でご案内します。名古屋という土地ならではの事情にも触れながら、お話を進めてまいります。

Point 1 まず確かめたいのは「どの国の法律で相続するか」――ブラジル籍でも日本の民法で進められることが多い理由

外国籍の方の相続で最初の分かれ道になるのが、「どの国の相続ルールに従うか」という問題です。専門的には**準拠法(じゅんきょほう)**と呼びます。少し聞き慣れない言葉ですが、ここを取り違えると後の手続きすべてがやり直しになりかねない、とても大切な入口です。

日本の「法の適用に関する通則法」という法律の第36条は、「相続は、被相続人の本国法による」と定めています。文字どおり読めば、ブラジル国籍の方の相続にはブラジルの法律が使われそうに見えます。ところが、ここに**反致(はんち)**という仕組みが関わってきます。

ブラジルの国際私法(ブラジル民法施行法第10条)は、「相続は、被相続人が住所を有していた国の法律による」と定めています。つまりブラジルの法律自身が、「亡くなった方が日本に住んでいたのなら、日本の法律で相続してください」とボールを日本へ投げ返してくるのです。この投げ返しを受けて、日本の通則法第41条(反致)により、結果として日本の民法で相続を進められることが多くなります。名古屋で長年暮らし、こちらにご自宅を構えていらしたお父さまであれば、まさにこのパターンに当てはまることがほとんどです。

これは依頼者の皆さまにとって、実はうれしい知らせです。日本民法で進められるなら、誰がどれだけ相続するか(法定相続分)や遺産分割協議の進め方も、私たちが日頃から扱っている日本のルールで組み立てられるからです。たとえば、お父さまが亡くなり、お母さま(配偶者)とお子さまが相続人になる場合、日本民法では配偶者が2分の1、残りをお子さまで均等に分ける、というおなじみの考え方が使えます。相続人全員で「この不動産は誰が引き継ぐか」を話し合い、遺産分割協議書にまとめて実印を押し、印鑑証明書を添えて登記する――この流れも日本人同士の相続と基本は同じです。

ただし、いくつか気をつけたい点があります。第一に、亡くなった方がブラジルで**遺言(テスタメント)**を残していた場合は、その内容や有効性を確認する必要があり、話が変わってきます。第二に、亡くなった方がブラジル国内にも不動産を残しているなど、事情によってはブラジル法が一部だけ適用される例外(ブラジル民法施行法10条2項。日本法とブラジル法を比べて相続人の保護が厚いほうを当該財産に適用するという趣旨)もあります。第三に、相続人の中にブラジルにお住まいの方がいる場合は、その方の署名証明(サイン証明)や委任状をどう整えるか、という実務上の工夫が必要になります。

このように、入口の「準拠法」は一見シンプルでも、ご家族の構成や財産のありかによって判断が分かれます。戸籍や在留カード・住民票の記録、お住まいの経緯をていねいに確認したうえで、「このケースは日本法で大丈夫」と一つひとつ確かめながら進めることが欠かせません。準拠法の最終的な判断は個別の事情によって変わりますので、インターネットの情報だけで自己判断せず、まずはご相談いただくのがいちばん安全です。

Point 2 ブラジルの証明書類は、こうして集める――名古屋の総領事館という心強い味方

相続登記では、「亡くなった方の出生から死亡までのつながり」と「相続人が誰であるか」を、書類で証明しなければなりません。日本人であれば戸籍謄本を集めれば足りますが、ブラジルには日本のような戸籍制度がありません。そこで、出生証明書・婚姻証明書・死亡証明書といった**身分証明書**を一つずつ取り寄せ、家族関係を組み立てていくことになります。

ここで名古屋にお住まいの方には、大きな利点があります。名古屋市中区の丸の内に在名古屋ブラジル総領事館があり、日本で生活されているブラジルの方は、出生・婚姻・死亡をこの総領事館に登録しておられることが多いのです。登録があれば、本国(ブラジル)の登記所にはるばる請求するより、名古屋の総領事館で証明書を取得するほうが早く、ご負担も軽くなります。地元に拠点を構える私たちだからこそ、こうした地の利を生かしたご案内ができます。

具体的に、被相続人がブラジル国籍の相続登記でよく必要になる書類には、次のようなものがあります。あくまで一例で、事案により増減します。

  • 亡くなった方の出生証明書・婚姻証明書・死亡証明書(ブラジル、または名古屋の総領事館で取得した証明書)
  • 亡くなった方の住民票の除票、または外国人住民票の除票の写し(日本での最後の住所を示すため)
  • 相続人であることを示す証明書(お子さまの出生証明書など、つながりが分かるもの)
  • 相続人全員の現在の住民票・印鑑証明書(日本在住の場合)
  • 遺産分割協議書(相続人全員の署名・実印。海外在住の相続人は署名証明〔サイン証明〕で代える)
  • 登記する不動産の登記事項証明書・固定資産評価証明書

日本のように一通の戸籍ですべてが分かるわけではないため、「どの書類で家族のつながりを証明するか」を最初に設計することが、遠回りを避けるいちばんのコツです。ここを見誤ると、書類を集め直すことになり、数か月単位で時間を失うこともあります。

集めた外国語の証明書には、日本語の翻訳文を添える必要があります。よく「アポスティーユ(外国公文書の認証)が必要なのでは」とご心配される方がいらっしゃいますが、外国の官公署が発行した証明書を日本の法務局へ提出して相続登記する場面では、翻訳者を明記した日本語訳を添えれば足りるのが通常の取扱いで、アポスティーユまでは原則として求められません。アポスティーユが必要になるのは、むしろ日本の書類をブラジル側の手続きに提出するといった逆向きの場面が中心です。とはいえ、求められる書類は事案ごとに細かく異なりますので、最新の取扱いは事前に確認しながら進めます。

なお、こうした渉外(外国がからむ)相続の書類整備や法務局・裁判所への手続きは、司法書士と弁護士という法律の国家資格者が担う領域です。外国籍がからむと書類の数も判断の難所も増えますので、登記と法律手続きの専門家にまとめてお任せいただくのが、結局はいちばんの近道になります。

Point 3 名古屋の空き家を「いつ」「いくらで」売るか――値動きと税の特例を味方につける

相続登記が終われば、いよいよ売却です。ここからは、私が宅地建物取引士として、不動産取引のプロの目線でお話しします。司法書士として登記を整えた人間が、そのまま売却の段取りまで一気通貫でご案内できる――これが当事務所のいちばんの強みです。

まず、名古屋の不動産相場を冷静に見ておきましょう。名古屋市の中古マンション価格は、ここ10年でおおむね2,000万円台前半から2,700万〜2,900万円前後まで穏やかに上昇し、住宅地の地価も近年は前年比3%台のプラスが続いています。名古屋は新築の供給が全国ほど過熱せず、土地が極端に高騰しにくいため、短期間で大きく値崩れしにくい――そんな堅実な「名古屋らしさ」が市場にもにじんでいます。とはいえ、これはあくまで都心や人気エリアを含めた平均像です。

一方で、長い目で見れば注意も要ります。日本では今後、若い世代の人口が減って住まいの買い手が細っていき、団塊の世代が高齢になることで空き家として市場に出てくる住まいは増えていきます。つまり全国的には「買いたい人は減り、売りたい家は増える」流れです。さらに不動産の値段は、国内外の投資家が見る投資用の価格と、実際に住むために買う実需の価格を分けて考える必要があります。世界的な物価高で建築資材が高騰し、家そのものの値段が上がって普通の方が買いにくくなる一方、地方を中心に資産価値を保ちにくいエリアも出てくると見込まれます。だからこそ、ご自宅が名古屋市内のどのエリアにあるかを見極め、「売り時」を逃さないことが大切なのです。

そして、相続した空き家を売るときに必ず知っておきたいのが**「空き家の譲渡所得3,000万円特別控除」です。亡くなった方が一人で住んでいた家を相続し、一定の要件を満たして売却した場合、売却益から最大3,000万円を差し引ける税の特例で、適用期限は2027年(令和9年)12月31日まで**延長されています。昭和56年5月31日以前に建てられた家であること、相続のときから売却まで人に貸したり住んだりしていないこと、売却までに耐震改修するか家を取り壊すことなどが主な条件です(相続人が3人以上の場合、控除額は一人あたり2,000万円になります)。要件は細かく、年によって取扱いも変わりますので、適用できるかどうかは個別に確認が必要ですが、使えれば税負担が大きく軽くなる、見逃せない制度です。

売却そのものの流れも、簡単に押さえておきましょう。一般には、①不動産の査定(相場の確認)→②媒介契約(売却を私たちにお任せいただく契約)→③販売活動・内覧→④買主との売買契約→⑤代金の決済と所有権移転登記、という順に進みます。空き家の場合は、これに加えて、建物を残して売るか取り壊して更地で売るか、土地の境界(測量)がはっきりしているか、古い家特有の契約不適合責任(引き渡し後に見つかる不具合の扱い)をどう取り決めるか、といった判断が出てきます。司法書士として登記を、宅地建物取引士として売買を一人の専門家が見ているからこそ、これらを途切れなくつなげられます。

税金の面では、先ほどの3,000万円特別控除に加えて、売却益(譲渡所得)の計算も知っておくと安心です。譲渡所得は、おおまかに「売った金額 −(取得費+譲渡費用)」で計算します。古い家では、買ったときの金額が分かる書類が残っていないことが珍しくありませんが、その場合は売却額の5%を取得費とみなす「概算取得費」という方法も使えます。所有期間が10年を超える居住用財産には軽減税率の特例もあります。どの特例が使えるかは要件しだいですので、売り方を決める前に税の見通しまで立てておくことが、手取りを大きく左右します。

ここで、急いでいただきたい理由がもう一つあります。2024年4月から相続登記が義務化され、不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記しなければ、正当な理由なく放置した場合に10万円以下の過料が科されることがあります。2024年4月より前に起きた相続も対象で、こちらは2027年3月31日までが期限です。もし「3年以内に遺産分割がまとまりそうにない」というときは、ひとまず自分が相続人であることだけを法務局に申し出る相続人申告登記という新しい制度を使えば、義務を果たしたものとみなされ、過料を避けられます。いずれにせよ、名義が亡くなった方のままでは、そもそも家を売ることはできません。「相続登記の義務化」と「空き家特例の期限」、そして「売り時」――この三つの時計が、いずれも2027年前後に重なっていることを、どうか心に留めておいてください。

体験談――名古屋市港区・Mさん(50代女性)のケース

参考に、当事務所がお手伝いした事例に近い形でご紹介します(個人が特定されないよう内容は変えています)。

Mさんのお父さまは、1990年代に日系ブラジル人として来日し、名古屋市港区で自動車部品工場に長く勤めながら、小さな一戸建てを購入されました。お父さまが昨年亡くなり、すでに結婚して日本国籍を取得していたMさんが、ご実家を相続することになりました。けれど建物は築40年を超え、誰も住まないまま空き家に。「外国籍だった父の相続なんて、どこに頼めばいいのか」と途方に暮れて、当事務所にお越しになりました。

私たちはまず、お父さまが長く名古屋に住んでいた経緯を確認し、反致によって日本民法で相続を進められると整理しました。ブラジルの証明書は名古屋の総領事館で取得でき、翻訳を添えて相続登記を完了。続いて宅地建物取引士として建物の状態と港区の相場を見極め、Mさんと相談のうえ、空き家を取り壊して土地として売却する方針を立てました。築年数の条件を満たしていたため空き家の3,000万円特別控除も適用でき、Mさんは「父の家を、きちんと次の方へ手渡せた気がします」と、ほっとした表情で話してくださいました。登記から売却、税の特例の確認まで一つの窓口で完結したことを、何より喜んでいただけました。

よくあるご質問(FAQ)

Q1.父はブラジル国籍でしたが、私は日本国籍です。それでも私が相続できますか。 はい、できます。相続できるかどうかは相続人の国籍で決まるのではなく、誰がどの法律に従って相続するかという準拠法と、亡くなった方との家族関係で決まります。日本国籍のお子さまが、ブラジル国籍だった親の名古屋の不動産を相続し、ご自身の名義に登記することは、何ら問題なく行えます。

Q2.ブラジルの書類を集めるのに、どのくらい時間がかかりますか。 名古屋の総領事館に出生・婚姻・死亡が登録されていれば、比較的早く取得できます。一方、本国のカルトリオ(登記所)に取り寄せる場合は、数週間から数か月かかることもあります。だからこそ、最初に「どの書類で証明するか」を設計し、無駄な取り寄せをしないことが大切です。

Q3.アポスティーユ(外国公文書の認証)は必ず必要ですか。 日本の法務局へ提出して相続登記をする場面では、翻訳者を明記した日本語訳を添えれば足りるのが通常の取扱いで、アポスティーユまでは原則として求められません。アポスティーユが要るのは、むしろ日本の書類をブラジル側の手続きに出す逆向きの場面が中心です。ただし取扱いは事案により異なるため、事前に確認します。

Q4.相続した空き家は、すぐに売らないといけませんか。 急いで手放す必要はありません。ただし「空き家の3,000万円特別控除」は相続開始の日から3年を経過する年の年末までという期限があり、2027年末までという制度全体の期限もあります。税の特例を活かすなら、時期から逆算して動くのが得策です。

Q5.相続登記と不動産売却を、別々の事務所に頼む必要がありますか。 いいえ。当事務所は司法書士と宅地建物取引士を兼ねていますので、相続登記から売却の仲介まで一つの窓口で完結します。書類や経緯を一から説明し直す手間がなく、情報が途切れないため、外国籍がからむ複雑な相続ほど、この一気通貫が効いてきます。

まとめ 名古屋で受け継ぐ大切な家を、登記から売却までひと続きで

名古屋には、ブラジルをはじめ多くの外国にルーツを持つ方々が長く根を下ろし、暮らしを築いてこられました。愛知県は日本でいちばんブラジル国籍の方が多く暮らす土地でもあり、永住者や帰化される方も年々増えています。その分、これからは「ブラジル国籍だったご家族から、名古屋の不動産を受け継ぐ」場面も、確実に増えていきます。

外国籍がからむ相続は、準拠法の見極め、ブラジルの証明書集め、相続登記、そして空き家の売却と、いくつもの段階を踏みます。一つずつは難しくても、登記の専門家である司法書士と、不動産取引の専門家である宅地建物取引士が同じ一人の手の中でつながっていれば、行ったり来たりの遠回りをせずに済みます。当事務所は、お客さま一人ひとりの事情に合わせたオーダーメイドのご対応と、はじめに費用をはっきりお伝えする明瞭会計を大切にしながら、相続と資産にまつわるプライベートな相談に、静かに寄り添ってまいります。

「親の家を、どうか良い形で手放したい」――そのお気持ちを、名古屋の地で一緒にかたちにいたします。まずは気負わず、お話を聞かせていただくところから始めましょう。

※本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。法令・税制や手続きの取扱いは改正される場合があり、また個別の事情によって結論が変わります。実際のお手続きの際は、最新情報をご確認のうえ、専門家にご相談ください。

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