名古屋の相続不動産は今が売り時?2026年の地価と見極め方

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名古屋の相続不動産は今が売り時?2026年の地価と見極め方

2026/06/06

まずはじめに

親御さまから相続した名古屋の家や土地について、「売ったほうがよいのか」「売るなら、いつがよいのか」と迷っていらっしゃる方は少なくありません。2026年の名古屋の不動産は、地価が上がっているエリアと、そうではないエリアの差が広がりつつあります。

この記事では、2026年時点の名古屋の地価の動きと、これからの不動産事情をふまえながら、相続した不動産の「売り時」をどう考えればよいのかを整理します。あわせて、売却の前に必要になる相続登記や、売ったときの税金についても、司法書士兼宅地建物取引士の立場からやさしくお伝えします。読み終えるころには、ご自身の不動産について「あわてず、どう判断すればよいか」の道すじが見えるはずです。

1 名古屋の相続不動産、2026年は「売り時」なのか?

結論から申し上げると、2026年の名古屋は「どの不動産でも一律に売り時」とは言えず、お持ちの不動産のエリアによって判断が分かれる状況です。

2026年(令和8年)の地価公示によると、愛知県の住宅地の地価は前年から平均1.8%上昇し、5年連続のプラスとなりました。名古屋市は16区すべてで上昇しています。数字だけを見ると、全体としては堅調です。

ただし、その上昇率は前年の2.3%から1.8%へと縮んでいます。商業地も前年の3.7%から3.2%へと、伸びがゆるやかになりました。つまり、名古屋全体としては「まだ上がってはいるが、上がる勢いは弱まってきている」という局面にあります。

ここで大切なのは、「平均」という言葉に安心しすぎないことです。平均が上がっていても、すべての場所が同じように上がっているわけではありません。次の項で、その「差」がどこから生まれるのかを見ていきます。

2 なぜ名古屋でも「エリアで差がつく」のか?これからの不動産事情

結論として、これからの名古屋では、利便性の高い中心部と、郊外や駅から遠い住宅地とで、不動産の価値の動きがはっきり分かれていくと見られています。

2026年の地価を見ても、名駅南エリアや東区の徳川町など、再開発が進む場所や利便性の高い場所では、前年から10%以上値上がりした地点があります。一方で、郊外の住宅地では、上昇がほぼ横ばいにとどまる地点も増えてきました。同じ名古屋市内であっても、エリアによって明暗が分かれはじめているのです。

この背景には、いくつかの構造的な事情があります。

ひとつは、若い世代の人口が減っていることです。家を買う中心の世代が細っていくと、住むための不動産(実需)の需要は、長い目で見れば縮んでいくと考えられます。

もうひとつは、いわゆる団塊の世代の相続が増えていくことです。相続をきっかけに空き家が市場に出てくると、売り物件(供給)が増えていきます。需要が細り、供給が増えれば、価格を保ちにくいエリアが出てくるのは自然な流れです。

また、不動産の値段を考えるときは、「投資用の物件」と「自分が住むための物件」を分けて見る必要があります。国内外の投資家が買う投資用物件は、世界的なお金の動きや利回りで価格が決まりやすく、堅調に推移している部分があります。これに対して、ふつうの方が住むための物件は、世界的なインフレや建築資材の高騰で新築価格が上がり、一般の方が買いにくくなっているという面があります。同じ「不動産価格が上がっている」というニュースでも、その中身は一様ではないということです。

こうした流れから、今後は地方を中心に、資産価値を保ちにくいエリアが増えていく可能性があるという見方もあります。名古屋は大都市圏として底堅さがありますが、市内であってもエリアによって差がつく傾向は、これからより鮮明になっていくと考えられます。

なお、ここでお伝えした見通しは、あくまで現時点での一般的な見方です。不動産の価格は景気や金利、政策によっても動きますので、将来を断定するものではない点はご理解ください。ご自身の不動産がどちらのタイプ・エリアにあたるのかを見きわめることが、売り時を考える第一歩になります。

3 売る前に必要な「相続登記」とは?売却までの流れ

結論として、相続した不動産は、亡くなった方の名義のままでは売ることができません。売却の前に、名義を相続人へ移す「相続登記」を済ませておく必要があります。

相続登記とは、不動産の所有者の名義を、亡くなった方(被相続人)から相続する方(相続人)へ変更する手続きです。買主は、売主が正式な所有者であることを前提に購入しますので、名義が亡くなった方のままでは、売買契約や引き渡しを進めることができません。

しかも、相続登記は2024年4月1日から義務化されています。相続によって不動産を取得したことを知った日から、原則として3年以内に登記の申請をしなければならず、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となり得ます。これは過去に発生した相続にもさかのぼって適用されますので、「何代も前の名義のまま放置している」という不動産をお持ちの場合は、特に注意が必要です。

売却までのおおまかな流れは、次のようになります。まず、誰が相続人なのかを確認し(相続人調査)、遺産の内容を把握します。次に、相続人どうしで誰がその不動産を引き継ぐかを話し合い(遺産分割協議)、その内容で相続登記を行います。名義が相続人に移ってはじめて、査定・売り出し・売買契約・決済へと進めることができます。

ここで一点、お伝えしたいことがあります。相続不動産の売却は、「登記は司法書士」「売却は不動産会社」と窓口が分かれてしまい、相続人の方が両方とのやりとりに疲れてしまうケースが少なくありません。当事務所は、司法書士兼宅地建物取引士として、相続登記から売却までを一つの窓口でお引き受けできます。登記という法律手続きと、売買という不動産取引の両方を、同じ担当者が見通しながら進められるため、二度手間や情報の行き違いを減らせます。これが、相続不動産を扱ううえでの強みだと考えています。

4 相続した不動産を売ると、税金はどうなる?

結論として、相続した不動産を売って利益(譲渡所得)が出た場合には、その利益に対して譲渡所得税がかかる可能性があります。ただし、相続不動産にはいくつかの軽減措置が用意されています。

まず知っておきたいのが、「相続税の取得費加算の特例」です。相続税を納めた方が、一定の期間内に相続した不動産を売った場合、納めた相続税の一部を売却の経費(取得費)に加えられる制度で、譲渡所得を抑えられることがあります。

次に、相続した実家が空き家になっている場合に検討したいのが、いわゆる「空き家の3,000万円特別控除」です。一定の要件を満たす空き家を売却したとき、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。耐震基準や売却期限などの細かな条件があり、近年も内容の見直しが行われていますので、ご自身のケースで使えるかどうかは、事前の確認が欠かせません。

なお、相続や不動産売却に関する税制は、年度ごとの税制改正で見直されることがあります。たとえば令和8年度(2026年度)の税制改正では、賃貸用不動産を使った相続税対策のうち一部について評価方法を見直す方向が示されるなど、資産にまつわるルールは少しずつ変わっています。

税金の具体的な金額や、どの制度が使えるかの最終的な判断は、税理士や税務署の領域に関わります。この記事の内容は一般的な説明にとどまりますので、実際の税額や適用の可否については、必ず専門家にご確認ください。当事務所では、必要に応じて税務の専門家とも連携しながら、登記と売却を含めた全体像を整理してご案内しています。

5 想定されるケース:名古屋市郊外の実家を相続した50代の方の場合

たとえば、次のようなケースを考えてみます。名古屋市内にお住まいの50代の女性が、市内の郊外にあるご実家(戸建て)を相続されたとします。ご両親が長く暮らした家ですが、ご自身は別の場所に住まいがあり、その家は空き家になってしまいました。

「思い出のある家なので、すぐに手放すのはためらわれる。でも、空き家のままにしておくのも不安」——このような揺れるお気持ちは、とても自然なものです。

このようなケースで大切なのは、感情の整理と、事実の整理を分けて考えることです。まず事実として、その郊外エリアの地価がここ数年どう動いているか、駅からの距離や生活利便はどうか、建物の傷み具合はどうかを確認します。値上がりの勢いが弱く、これから空き家が増えていくと見られるエリアであれば、「待てば高く売れる」とは限らない、という現実も見えてきます。

一方で、空き家を持ち続けると、固定資産税や管理の手間がかかり続けます。管理が行き届かない空き家は、固定資産税の軽減が外れて負担が増える場合もあります。こうした「持ち続けるコスト」も判断材料に入れたうえで、相続登記を済ませ、売却・賃貸・保有のどれが、ご自身の暮らしと気持ちに合うのかを一緒に考えていきます。

このように、数字の見通しとご本人のお気持ちの両方をふまえて、一人ひとりに合った答えを一緒に探していくのが、私たちのお手伝いの形です。

よくあるご質問(FAQ)

Q. 相続した家は、すぐに売らないといけませんか?

いいえ、すぐに売らなければならないという決まりはありません。ただし、相続登記は原則として3年以内の申請が義務づけられています。売る・売らないにかかわらず、まずは名義を相続人へ移しておくことをおすすめします。そのうえで、売却の時期はご自身のご事情とエリアの状況に合わせて判断すれば大丈夫です。

Q. 亡くなった親の名義のままでも、不動産は売れますか?

売れません。買主は正式な所有者から購入する必要があるため、亡くなった方の名義のままでは売買を進められません。先に相続登記で名義を相続人へ移すことが、売却の前提になります。

Q. 名古屋なら、地価が上がっているうちに早く売ったほうが得ですか?

一概には言えません。名古屋全体では地価が上がっていますが、上昇の勢いはエリアによって大きく異なります。利便性の高い中心部と、郊外の住宅地とでは、これからの見通しが分かれると考えられます。お持ちの不動産がどのエリアにあたるのかを確認したうえで判断することが大切です。

Q. 相続した不動産を売ると、必ず税金がかかりますか?

利益が出た場合に譲渡所得税がかかる可能性がありますが、相続税の取得費加算の特例や、空き家の3,000万円特別控除など、負担を軽くできる制度があります。使えるかどうかは条件によりますので、事前のご相談をおすすめします。

Q. 登記と売却を、別々の窓口に頼まないといけませんか?

いいえ。当事務所は司法書士兼宅地建物取引士として、相続登記から売却までを一つの窓口でお引き受けできます。窓口を分ける必要がないため、相続人の方の手間を減らせます。

まとめ

2026年の名古屋の相続不動産は、地価が全体として上昇しているものの、その勢いは弱まりつつあり、エリアによって価値の動きがはっきり分かれはじめています。「上がっているから早く売るべき」「思い出があるから持ち続ける」と一律に決めるのではなく、お持ちの不動産のエリアと状況、そしてご自身の暮らしに合わせて判断することが、後悔のない選択につながります。

そして、売る・売らないにかかわらず、まずは相続登記で名義を整えておくことが第一歩です。相続登記は義務化されており、放置するリスクもあります。売却まで考えるのであれば、登記と売却を一つの窓口で進められると、手間も負担も軽くなります。

当センターは、名古屋市中区丸の内を拠点に、司法書士兼宅地建物取引士として、相続登記から相続不動産の売却までを一気通貫でサポートしています。一人ひとりのご事情に合わせたオーダーメイドのご提案と、明朗会計を大切にしています。ご相談は無料です。名古屋で相続した不動産の「売り時」に迷われたら、まずはお気軽にお声がけください。あわてず、納得のいく一歩を一緒に考えてまいります。

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