名古屋で相続登記を自分で行う場合と司法書士に頼む場合の違い
2026/05/26
相続登記とは?2024年から「やらない」という選択肢はなくなりました
相続登記とは、亡くなった方(被相続人)が所有していた土地や建物の名義を、相続する方へ変更する手続きのことです。
まず知っておいていただきたいのは、相続登記が2024年(令和6年)4月1日から義務になったということです。それ以前は「いつかやればよい」とされ、何十年も名義をそのままにしているご家庭も珍しくありませんでした。しかし現在は、不動産を相続したことを知った日から原則3年以内に登記を申請しなければなりません。
注意したいのは、この義務が過去の相続にもさかのぼって適用される点です。2024年4月1日より前に発生した相続については、2027年(令和9年)3月31日までが一つの期限とされています。「祖父名義のままになっている名古屋の土地」のようなケースも対象になります。
正当な理由なく期限内に申請しないと、10万円以下の過料の対象となることがあります。過料は前科のつく刑事罰(罰金)とは異なる行政上のペナルティですが、いずれにしても、名義をそのままにしておくことにメリットのない時代になったといえます。
つまり今は、「やるかやらないか」ではなく「自分でやるか、専門家に頼むか」を考える段階に入っているのです。
相続登記は自分でできる?自分で行う場合の流れと負担
結論からいえば、相続登記をご自身で行うことは可能です。ただし、相応の手間と時間、そして正確さが求められます。
おおまかな流れは次のとおりです。
- 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をすべて集め、相続人が誰かを確定する
- 対象の不動産の登記内容や固定資産評価額を確認する
- 相続人全員で遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成する
- 登記申請書を作成し、必要書類とともに法務局へ提出する
名古屋の不動産であれば、管轄する名古屋法務局やその出張所での手続きになります。
ご自身で行うことが向いているのは、たとえば相続人の数が少なく、対象の不動産も1件で、相続人どうしの間に争いがなく、平日に法務局や役所へ足を運べて、書類作成がそれほど苦にならない、といったケースです。
一方で、戸籍は本籍地のある市区町村ごとに取り寄せる必要があり、結婚や転籍を繰り返していると、複数の自治体にまたがって何通も集めることになります。書類に不備があれば法務局から補正(訂正)を求められ、その都度やり直しが必要です。平日の日中に動ける時間がどれだけ取れるかも、現実的なポイントになります。
司法書士に頼むと何がどう変わる?
司法書士に依頼すると、戸籍などの書類集めから登記申請までを一括して任せられます。これが最も大きな違いです。
司法書士は、戸籍の収集、相続関係を一覧にした相続関係説明図の作成、遺産分割協議書の作成、そして法務局への登記申請の代理までを行います。ご依頼者ご自身が平日に法務局へ出向く必要はありません。
専門家の価値が特に表れるのは、判断に法律知識が必要な場面です。たとえば、相続が二重に発生している(数次相続)、相続人がすでに亡くなっていてその子が相続する(代襲相続)、相続人の中に認知症の方や行方が分からない方がいる、相続放棄を検討している——こうしたケースでは、手続きの組み立て自体が難しくなります。ご自身で進めようとして途中で行き詰まり、結局あらためて相談に来られる方も少なくありません。
書類の正確さという面でも、登記を専門とする司法書士が関わることで、補正ややり直しのリスクを抑えられます。
費用はどれくらい違う?「安さ」だけで決めないほうがよい理由
費用面では、ご自身で行う場合は実費だけで済みます。実費の中心は登録免許税で、相続による名義変更では原則として不動産の固定資産評価額の0.4%です。このほかに、戸籍の取得費用などがかかります。
司法書士に依頼する場合は、この実費に加えて司法書士の報酬が必要になります。当事務所では、遺産分割協議書の作成を含む基本的な相続登記のプランについて、報酬88,000円(税込)を一つの目安としてご案内しています。登録免許税などの実費は別途必要となり、報酬も相続人の人数や不動産の数によって変わりますので、ご相談の段階で明瞭にお見積りをお示しします。
ここで考えていただきたいのが「見えないコスト」です。ご自身で行って書類に誤りがあれば、補正や再提出に時間と労力がかかります。さらに、相続登記が正確に終わっていないと、その不動産を売却する際にも支障が出ます。相続した不動産を売る予定がある方にとっては、登記が正しく完了していることが売却の前提になるのです。
目先の報酬の有無だけでなく、手間・時間・ミスのリスク・その後の売却まで含めて総合的に比べることが、後悔しない選び方につながります。
名古屋で相続登記を考えるとき、意識しておきたいこと
名古屋で相続登記に向き合うときは、その不動産の「これから」も一緒に考えておくことをおすすめします。
名古屋市内でも、駅に近く需要の高いエリアと、郊外で空き家になりやすいエリアとでは、不動産の置かれた状況が異なります。相続したご実家に住むのか、貸すのか、売るのか——その方針によって、登記を終えたあとにどう動くべきかも変わってきます。
特に売却まで視野に入れている場合は、登記と不動産売買の両方を扱える専門家に相談すると、窓口が一つにまとまり、話がスムーズに進みます。
ごとう司法書士事務所(名古屋市中区丸の内)は、司法書士と宅地建物取引士の両方の立場から、相続登記から相続した不動産の売却までを一貫してご相談いただける事務所です。代表は司法書士として10年以上の経験を持ち、元銀行員として培った知識や、自ら不動産事務所を運営してきた経験もあわせて、相続と資産の両面からアドバイスいたします。ご依頼後は一人の司法書士が最後まで担当し、ご家族の事情は一軒ごとに異なりますので、画一的なご案内ではなく、お一人おひとりの状況にあわせたオーダーメイドのご提案を心がけています。費用についても事前に明瞭にお伝えし、ご相談は無料でお受けしています。
こんなケースもあります
たとえば、次のような場面を考えてみます。名古屋市内のご実家を相続された50代の女性が、「自分で相続登記をやってみよう」と手続きを始めたとします。ところが戸籍を集めるうちに、お父様の前に名義人だったお祖父様の相続が済んでいないことが判明しました(数次相続)。相続人の範囲が一気に広がり、遠方の親族にも連絡が必要になり、集める書類も大幅に増えてしまいました。
このような場面では、早めに専門家へ相談することで手続き全体の道筋を整理でき、結果的に時間の負担も気持ちの負担も軽くなります。
よくある質問
Q. 相続登記の期限を過ぎると、すぐに過料を払うことになりますか? 期限を過ぎたら自動的に過料が科されるわけではありません。「正当な理由」なく申請を怠った場合に対象となり得るものです。とはいえ、放置に利点はありませんので、早めの手続きをおすすめします。
Q. 相続人が遠くに住んでいても、自分で相続登記できますか? 可能ではありますが、遺産分割協議書への署名・押印や書類のやり取りを郵送で進める必要があり、手間と時間がかかりやすくなります。相続人が各地に分かれている場合は、専門家に間に入ってもらうとスムーズです。
Q. 司法書士に頼むと、どれくらいの期間がかかりますか? 事案によります。戸籍の収集状況や相続人の人数によって変わり、数次相続などが絡むと長くなる傾向があります。具体的な見通しは、状況を確認したうえでお伝えします。
Q. 相続した不動産をすぐ売りたいのですが、先に相続登記は必要ですか? はい。原則として、亡くなった方の名義のままでは売却できません。相続人へ名義を変更する相続登記を済ませてから売却に進みます。売却を急ぐ場合は、登記と売買を一緒に相談できる専門家へ早めにご連絡いただくことをおすすめします。
まとめ
相続登記は、2024年の義務化により「いつか」ではなく「期限内に必ず」行う手続きになりました。ご自身で行えば実費だけで済む一方、戸籍集めや書類作成の手間、そして平日に動く時間が必要です。司法書士に依頼すれば、書類の収集から申請までを任せられ、数次相続のような難しいケースでも安心して進められます。
どちらが良いかは、相続人の人数、不動産の数、争いの有無、そして相続後に不動産をどうするかによって変わります。特に名古屋の不動産を売却まで考えている方は、登記と売買の両方を相談できる専門家に早めに声をかけておくと、その後がスムーズです。
ご自身のケースで迷われたときは、まずはお気軽にご相談ください。状況をうかがったうえで、最適な進め方を一緒に考えます。ご相談は無料です。ご都合のよい日時を選んでのご相談は相談予約ページ(外部の予約サイトに移動します)からお申し込みいただけます。
※本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。法令や制度は改正される場合があり、税務の取り扱いは個別の事情によって異なります。具体的なご判断にあたっては、最新の情報をご確認のうえ、専門家にご相談ください。