え!?そうなの?相続不動産の名義変更のいろは【名古屋のごとう司法書士事務所】

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え!?そうなの?相続不動産の名義変更のいろは【名古屋のごとう司法書士事務所】

2020/09/13

司法書士が内心思う相続不動産の名義変更の本音とは

司法書士が日々相続手続きの依頼を透ける中で感じるホンネをご紹介します。

 

相続は、人と比べることが難しいものです。誰も自分の相続をべらべらと話したりしません。相続とはそれだけ家庭の問題ですし、お金の絡むよそには話しにくい問題なのです。

実際の相続の現場は、生々しい場面も多いのが実際です。私自身、司法書士をしていなかったら知り得なかったであろう相続の実態を垣間見ることがあります。テレビやドラマの世界が実際にあるのです。

 

今回は、司法書士が相続の場面で実際に感じたことを少しお話します。

1 生前のおむつ代等の精算は、他の相続人次第。

相続不動産を売却するには、遺産分割協議等をして、不動産の名義変更や相続登記をしなくてはいけません。

相続の遺産分割協議は、プラスの財産を分けるだけの内容とは限りません。これまで亡くなった被相続人のために立て替えた費用の精算もしてほしいと思うのは当然の事でしょう。

 

しかし、ここでよく問題になるのは、どこまでの費用を精算できるかです。

いくら被相続人のためのおむつ代や身の回りのものを買ったといっても、領収書やレシートもないと亡くなった後に他の相続人に対して説明をする時にはやや苦しくなります。およそかかる通常かかりそうな費用は予測できるものですが、証拠もないのに払うのはおかしいと異論を唱える相続人がいても不思議ではありません。

これに並行して、被相続人の預金口座の出金もしていれば、立て替え自体を疑われるかもしれません。
きちんと現金帳等をつけていれば理想ですが、実際はそんなことをいちいちやっている余裕はないことも多いでしょう。

 

そこで、いざ相続になると、この精算が問題になることがあるのです。

病院へ行くためのタクシー代や新幹線代等、通常であれば難しいこれらの費用も精算を主張する場合もあるでしょう。法律的な可否の整理はある程度は必要かもしれませんが、ある程度のところで他の相続人が了解をして頂く必要はあるかもしれません。介護をしてもらったのだから多少の分の精算は大目に見るという相続人もいるでしょう。

 

このように、実際は法律上の整理にとどまらず、相続人全員で合意することの方が大切だったりします。

2 葬儀費用は遺産から精算が一番多いケース

相続開始後、最初に訪れる大仕事は葬儀でしょう。
不動産の名義変更や相続登記はその後です。

 

被相続人の現金がなく、また預金が下せないなどの理由で喪主等の別の相続人が一旦支払うケースは多いと思います。そのような場合に、立て替えた相続人としては精算をしてもらいたいと考えるものです。

 

そもそも、葬儀費用は誰が払うものでしょうか?

法律上明確に定まっていませんが、基本的には被相続人が亡くなった後の話ですし、喪主と葬儀会社との契約で発生する債務ですから、喪主が支払うという考え方があります。しかし、喪主にもなりたくてなったわけではない、むしろやりたくなかったと考えるケースもあります。葬儀会社は、基本的には契約をした喪主に対して請求をしてくるでしょうから実は、喪主になることや契約者になることは重要な点ではあるのです。
なお、香典があれば、当然葬儀費用と相殺をして残金を遺産分割で精算していきます。

 

しかし、一般的には葬儀は、被相続人のために行うという認識が多く、被相続人の財産から支払うという形が多いのも事実です。

そこで、前述のように立て替えた相続人が遺産分割協議で、葬儀費用の精算をして残った財産をどのように分けるかを協議する場合がよくあります。このやり方は、上記1の「おむつ等の立替金」とは違い、それほど問題になることはありません。葬儀をする際に相続人で話し合っていることも多いでしょう。

 

稀に相続人ではない人が喪主となり、葬儀をするようなケースでは、あとから相続人から精算を拒否されることがあるようです。特殊な場合でしょうが、そもそも葬儀は喪主が誰を呼ぶか、どのくらいの人数呼ぶのか、どのくらい費用をかけるかを決定する権限があります。そこで、被相続人の生前の社会的な身分や状況に応じた葬儀であれば、良いですが、そうでなければ、勝手ににやった葬儀だから知らないという相続人がいるようです。

3 残った実家は、実際は売却している人が多い

両親が持ち家に住んでいる人は多いでしょう。土地と建物の戸建てに限らずマンションの場合もあるでしょう。
しかし、両親の実家をあてにして結婚後も賃貸住宅でずっと生活をしている子供は少ないでしょう。結婚、出産等のタイミングで将来承継できるかわからない実家は置いておいて、自分で自宅を購入する人が多いのではないでしょうか。

国も持ち家を支援する税制を設けて、不動産の購入を促しています。昔から今も続いています。

 

そこで、いざご両親が亡くなるとその不動産に相続人の誰かが住むという選択肢は取りにくいでしょう。

既にほかで生活の拠点があれば、引っ越ししてまで実家に住む形は少ないようです。配偶者への配慮や、子供の学校の学区の問題もあるでしょう。簡単にはいかないと思われます。

 

そこで、人に貸すか迷うかもしれません。
しかし、いざ人に貸すとなるとリフォームが必要でしょう。相続人が投資して不動産の賃貸経営をしてくことは実際にはそれほどありません。もともと興味がある相続人は別として、相続をきっかけに不動産経営をするにはリスクもあり、不安でハードルが高いものです。

 

かといって、そのまま維持管理をしていくにも毎年の不動産の固定資産税支払や草木を刈ったりして整備していかなくてはいけません。放置すれば、数カ月でりっぱに空き家です。昨今の空き家空き地問題はご存知だと思いますが、周辺住民の目は予想以上に厳しいものです。落ちた枯葉や果実の掃除がしていなければ、すぐに苦情に繋がります。草木の越境は深刻です。場合によっては、つるが電柱を伝って巻き付いてしまうこともあります。電柱に巻き付くと、勝手に撤去できません。電柱の所有者である電力会社の指定業者でないと撤去できないなど面倒な手続きが必要なようです。

 

そうなると、やはり自宅不動産売却を最終的な選択肢にする相続人が多いのもうなずけます。

一番リスクが少なく、かつ、不動産をお金に換価することで相続人で分けやすくなります。遺産分割手続きが円滑に進むのです。相続人一人当たり、数百万円が手に入れば、それぞれの家族や生活環境に応じて、必要なものにお金を有効活用できます。相続不動産の売却が増えているのは、合理的な判断といえます。

まとめ

以上、名古屋の司法書士が、不動産の名義変更や相続手続きで感じている点をお話ししました。

 

どのような相続でも少し迷う部分ではないでしょうか。
迷うけれど、弁護士に聞くような内容ではないし。。。と躊躇する相続人も多いようです。確かにトラブルでもないのに弁護士に相談するのは気が引けます。そんな方はぜひ本サイトを参考にしてみて下さい。

 

相続は、少しのボタンの掛け違いでトラブルに発展することがあります。実際に話し合いをはじめて途中で話し合いができずに、結局遺産分割調停をしたケースがあります。裁判に要する費用や時間を考えると無駄でも、人は感情的になれば、目先の損得勘定より気持ちが優先してしまいがちです。仕方のないことかもしれませんが、いつも近くで見ている司法書士としては冷静な分余計にもったいなく思えてしまいます。

 

相続は、用意周到に準備をして、最後まで気を抜かずに進めるようにしましょう。

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