韓国籍の方の相続と口座凍結|葬儀費用は引き出せる?【名古屋のごとう司法書士事務所】

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韓国籍の方が亡くなると口座凍結はどうなる?払戻しと備えを名古屋の司法書士が解説

2026/09/18

「葬儀費用が下ろせない」が長引きやすいご家庭があります|韓国籍の方の口座凍結のリアル

口座凍結は誰の相続でも起こります。ただ、凍結が解けるまでの時間は、韓国籍のご家庭では特に長くなりがちなのです。

名古屋市中区にあるごとう司法書士事務所では、随時無料相談を実施しています。

ご家族が亡くなった直後、多くの方が最初に直面するお金の問題が「口座凍結」です。銀行が死亡を知ると預金口座は止まり、葬儀費用も、病院や施設への支払いも、公共料金の引き落としさえもできなくなります。これは日本人でも韓国籍でも同じです。

問題はここからです。凍結を解くには「誰が相続人か」を銀行に証明しなければなりませんが、韓国籍の方の相続では、その証明書類が日本の戸籍謄本ではなく、韓国の家族関係登録簿の証明書や除籍謄本になります。取り寄せにも翻訳にも時間がかかり、日本人の相続なら数週間で済む書類集めが数か月に及ぶことも珍しくありません。つまり、韓国籍のご家庭は「お金が動かない期間」が長引きやすいのです。

それでも、遺産分割前に一定額を引き出せる払戻し制度や、生前にできる備えを知っていれば、慌てずに乗り切れます。この記事では、外国籍の方の相続を数多くお手伝いしてきた名古屋のごとう司法書士事務所が、韓国籍の方の口座凍結について、仕組みから当面のお金の工面、生前の備えまでやさしく解説します。

口座はいつ、なぜ凍結される?|死亡届では止まらない、でも油断はできない

凍結は銀行が「亡くなったことを知ったとき」。解除には相続人全員分の証明が必要になります。

まず、口座凍結の基本を押さえましょう。役所に死亡届を出しても、その情報が自動的に銀行へ伝わるわけではありません。銀行は、家族からの連絡や新聞のお悔やみ欄などで死亡を知ったときに口座を凍結します。凍結されると、引き出しも振り込みも、家賃や光熱費の引き落としも止まります。

なぜ止めるのかといえば、預金が相続財産だからです。相続人の一人が勝手に引き出してしまうと、後の遺産分割でトラブルになるため、銀行は「相続人全員の関与」が確認できるまで支払いに応じません。凍結を解いて預金を受け取るには、亡くなった方の出生から死亡までの連続した記録で相続人全員を確定し、遺産分割協議書や銀行所定の書類に相続人全員が署名・押印して提出するのが基本の流れです。

なお、「凍結される前に家族が引き出しておけばよいのでは」と考える方もいらっしゃいますが、おすすめできません。亡くなった後の引き出しは、他の相続人から使い込みを疑われて遺産分割協議がこじれる原因になりますし、使い方によっては相続放棄ができなくなる(相続を承認したとみなされる)リスクも指摘されています。借金の有無がはっきりしない段階では特に危険です。当面のお金は、後ほどご紹介する正規の払戻し制度で確保するのが安全です。

ここまでは日本人の相続と共通です。違いが出るのは、「相続人全員を確定する書類」の中身です。

韓国籍だと凍結解除が長引く理由|「戸籍の束」の代わりは韓国の証明書+翻訳

書類集めに数か月。しかも戸籍の束を1枚にまとめる便利な制度は、韓国籍の方には使えません。

韓国籍の方が亡くなった場合、相続人を証明する中心書類は、韓国の家族関係登録簿の各種証明書(家族関係証明書・基本証明書・婚姻関係証明書など)と、2008年より前の記録である除籍謄本です。日本の市区町村でまとめて取れる戸籍の広域交付は使えず、韓国側へ請求し、届いた書類にはすべて日本語訳を付けて銀行に提出します。古い除籍は手書きの漢字とハングルが混在し、読み解きにも時間がかかります。

さらに、知っておいて頂きたい落とし穴があります。日本人の相続では、法務局で「法定相続情報一覧図」を作れば戸籍の束を1枚の証明書に置き換えられ、複数の銀行を同時に回れてとても便利です。ところがこの制度は、戸籍を提出できることが前提のため、被相続人や相続人が日本国籍でない場合には利用できません。つまり韓国籍の方の相続では、銀行ごとに韓国の証明書一式と翻訳を提出し、原本の返却を待ちながら順番に回る、という地道な作業になりがちなのです。口座が複数の銀行に分かれているほど、凍結が解けるまでの期間は延びていきます。

加えて、韓国籍のご家庭に特有の事情が、凍結解除をさらに難しくすることがあります。たとえば、口座が本名ではなく日本での通名で作られている場合、「口座の名義人と亡くなった方が同一人物であること」の証明を銀行から求められます。また、名義人が亡くなってから長年放置された口座では、その間に相続人にも相続が発生する数次相続となり、署名をもらうべき相続人が二世代、三世代と増えていきます。凍結は放置するほど解きにくくなるのです。

実務のコツも一つ。銀行に書類を出す際は、韓国の証明書や翻訳の原本を返してもらう「原本還付」を申し出ると、次の銀行でも同じ書類を使い回せます。あわせて各銀行で死亡日時点の残高証明書を取っておくと、遺産分割や相続税の要否判断にもそのまま役立ちます。

当事務所のご相談でも、書類の収集と読解だけで数か月を要したケースは少なくありません。この「時間の壁」こそ、韓国籍のご家庭が口座凍結に備えておくべき最大の理由です。

当面のお金はどうする?|遺産分割前の「払戻し制度」と韓国籍ならではの注意点

一定額なら相続人一人でも引き出せます。ただし「いくら引き出せるか」の計算にも韓国法が顔を出します。

とはいえ、葬儀費用や当面の生活費は待ってくれません。そこで使えるのが、2019年7月に始まった相続預貯金の払戻し制度です。遺産分割がまとまる前でも、相続人の一人が単独で「亡くなった時点の預金残高×3分の1×自分の法定相続分」(金融機関ごとに150万円が上限)を引き出せます。

ここで韓国籍ならではの注意点が二つあります。

一つ目は、計算のもとになる法定相続分です。韓国籍の方の相続には原則として韓国民法が適用され、法定相続分は日本法と異なります。たとえば日本法では妻2分の1・子4分の1ずつのところ、韓国法では配偶者は子の1.5倍、妻と子2人なら妻7分の3・子7分の2ずつです。引き出せる上限額の計算が変わってきますので、自己判断せず、銀行と専門家に確認しながら進めましょう。

簡単な計算例で見てみます。ある銀行の預金残高が600万円、相続人が妻と子2人の場合。日本法の相続分なら妻は600万円×3分の1×2分の1で100万円ですが、韓国法の相続分(妻7分の3)で計算すると約85万円になります。どちらの法律で計算するかで、引き出せる額が十数万円変わるわけです。この違いは、その後の遺産分割協議の前提にも直結します。

二つ目は、やはり書類です。払戻し制度を使う場合でも、相続人であることの証明として韓国の証明書と翻訳の提出を求められます。「制度はあるのに、書類が揃わなくて使えない」とならないよう、亡くなった直後から書類集めに着手することが大切です。なお、引き出した金額は遺産分割で自分が先に受け取ったものと扱われますから、葬儀費用などに使った場合は領収書を残し、他の相続人に説明できるようにしておきましょう。150万円で足りない場合には、家庭裁判所の仮分割の仮処分という方法もありますが、要件が厳しいため、まずはこの制度からが現実的です。

凍結で慌てないための生前の備え|遺言・保険・口座リストの三点セット

凍結は避けられません。でも「凍結が痛くない家計」は、生前に作っておけます。

口座凍結そのものは、どのご家庭にも起こります。備えの目的は、凍結を避けることではなく、凍結されても困らない状態を作っておくことです。韓国籍の方には、次の三点セットをおすすめしています。

第一に、遺言です。公正証書遺言で預金の行き先を決め、遺言執行者を指定しておけば、遺産分割協議を待たずに預金の解約・分配を進められ、凍結解除までの道のりが大きく短縮されます。さらに韓国籍の方は、遺言で相続に適用される法律を日本法に指定しておくことで、相続分の計算や手続き全体を日本のルールに一本化できます。凍結対策としても、これほど効く一枚はありません。

第二に、生命保険の活用です。死亡保険金は受取人固有の財産とされ、相続財産に含まれないため、口座が凍結されていても受取人が単独で請求でき、通常は請求から数営業日で支払われます。韓国の書類集めを待たずに使える、事実上唯一のまとまった資金です。葬儀費用や当面の生活費に相当する額を保険でカバーしておけば、書類集めに時間がかかっても家計は揺らぎません。

第三に、口座リストの作成と韓国側記録の整備です。どの銀行にどんな口座があるかの一覧を作り、家族が分かる場所に残しておくこと。そして、韓国の家族関係登録簿に婚姻やお子さんの記載漏れがないかを生前に確認しておくことです。記載漏れは、凍結解除に必要な「相続人の証明」を直撃します。元気なうちに整えておけば、その分だけ凍結期間は短くなります。口座リストはエンディングノートにまとめるのが手軽ですが、暗証番号やインターネットバンキングのパスワードそのものは書き残さないのが原則です。家族による死亡後の引き出しはトラブルのもとになるからこそ、「在りかは分かるが、動かすのは正規の手続きで」という形が、結局は家族を守ります。

あわせて、使っていない口座は生前に解約して数を絞っておくことも、地味ながら効果の大きい備えです。銀行の数だけ、死後の手続きは増えます。長年放置した休眠口座が思わぬ銀行に残っていた、というケースは本当に多いのです。

まとめ|「お金が動かない期間」を短くできるのは、今日の準備だけです

凍結は必ず起こる。だからこそ、書類・制度・備えの三つを知っているご家庭ほど早く日常に戻れます。

以上、韓国籍の方の相続と口座凍結について解説しました。

ポイントを振り返ると、口座凍結は誰にでも起こるが、韓国籍の方は相続人の証明に韓国の証明書と翻訳が必要で、法定相続情報一覧図も使えないため凍結が長引きやすいこと。当面のお金には払戻し制度が使えるが、法定相続分の計算に韓国法が関わること。そして、遺言・生命保険・口座リストと記録の整備という生前の三点セットで、「お金が動かない期間」は大きく短縮できることです。

名古屋のごとう司法書士事務所では、韓国籍の方の相続について、韓国書類の収集・翻訳から預貯金の相続手続き、相続登記、不動産売却まで、遺産承継をワンストップでお手伝いしています。「口座が凍結されて困っている」という相続発生後のご相談はもちろん、「凍結されても困らない備えをしたい」という生前のご相談も大歓迎です。おひとりで悩まず、どうぞお気軽にご相談ください。

▶韓国籍の方の預金相続・口座凍結のご相談は、名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)へ。相続放棄、相続税、遺産分割など相続に役立つ情報満載の相続専門サイト「名古屋で相続相談・相続登記ならごとう相続手続き相談センター」もあわせてご覧ください。

 

※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。法改正や金融機関ごとの運用の違いにより取り扱いが変わる場合がありますので、実際のお手続きの際は、司法書士など専門家に最新の情報をご確認ください。

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