韓流ドラマの相続劇は本当?韓国の相続のリアル【名古屋のごとう司法書士事務所】

お問い合わせはこちら

ブログ

韓流ドラマの相続争いは本当にある?韓国の相続のリアルを名古屋の司法書士が解説

2026/09/15

「会長の遺言状」から始まる物語、お好きですか|韓流好きのあなたに贈る、ちょっと役に立つ相続の話

財閥の後継争い、突然現れる隠し子、開封される遺言状。あのドラマの世界、実は韓国の相続法を知るともっと面白くなります。

名古屋市中区にあるごとう司法書士事務所では、随時無料相談を実施しています。

韓流ドラマがお好きな方なら、一度は見たことがあるはずです。財閥の会長が倒れ、家族が病室に駆けつけ、やがて弁護士が遺言状を読み上げる。長男と次男の後継争い、そこに現れる隠し子、涙する後妻。「相続」は、韓流ドラマの一大テーマといってよいでしょう。日本でも大ヒットした「財閥家の末息子」のように、財閥一家の相続戦争そのものを描いた作品まであります。

では、あの相続劇は、どこまで本当なのでしょうか。実は、ドラマの設定の多くは、韓国の相続法を下敷きにしています。そして韓国の相続法は、配偶者の相続分が子の1.5倍だったり、録音による遺言が認められていたりと、日本とはひと味違うルールを持っています。さらにいえば、名古屋で暮らす韓国籍の方やそのご家族にとって、これはドラマの話では終わりません。韓国籍の方の相続には、原則として韓国の法律が適用されるからです。

この記事では、外国籍の方の相続を数多くお手伝いしてきた名古屋のごとう司法書士事務所が、韓流ドラマの定番シーンを入口に、韓国の相続のリアルを楽しく、そして実用的に解説します。ドラマの見方が変わり、ご自身やご家族の備えにも役立つはずです。

財閥の後継争いはなぜ起きる?|ドラマの定番設定を韓国の相続法で読み解く

会長が突然倒れると物語が動き出すのには、法律上の理由があります。そしてあの争い、現実はドラマを超えることも。

韓流ドラマの相続劇は、たいてい「会長の突然の死」または「危篤」から始まります。実はこれ、法律的にとても理にかなった設定です。相続は人の死亡によって当然に開始し、その瞬間から、会社の株式も屋敷も預金も、相続人たちの利害の対象になるからです。準備のないまま相続が開始すると争いが起きやすいのは、韓国も日本も同じです。

では、韓国法では誰がどれだけ相続するのでしょうか。韓国民法の法定相続では、配偶者と子が第一線の相続人になる点は日本と似ていますが、割合が違います。日本では配偶者が2分の1、子全員で残り2分の1を分けますが、韓国では配偶者は子の1.5倍と決まっています。たとえば妻と子2人なら、妻1.5対子1対1、つまり妻が7分の3、子がそれぞれ7分の2です。ドラマで後妻と先妻の子が激しく対立するのは、後妻に子の1.5倍という無視できない取り分が法律上保障されているから、という見方もできるのです。

そして、現実は時にドラマを超えます。サムスングループの会長が2020年に亡くなった際、遺族に課された相続税は約12兆ウォン、日本円で1兆円を超える規模と報じられ、世界的なニュースになりました。遺族は税金を分割で納め、故人の美術コレクション約2万3千点は美術館などに寄贈されています。財閥の相続は、まさに国家的な一大イベントなのです。

もっとも、争いの構図は財閥だけのものではありません。「相続者たち」のような後継者の物語で争われるのは会社の株式や経営権ですが、これが名古屋の自宅や貸家、預金に変わるだけで、同じドラマはどの家庭でも起こり得ます。むしろ財産の種類が少ないぶん、たった一つの実家をどう分けるかで兄弟の関係がこじれてしまう、という筋書きのほうが現実には多いのです。ここからは、もう少しドラマの核心に踏み込んでみましょう。

「全財産を長男に」の遺言状は有効?|録音遺言まである韓国の遺言と、それでも守られる取り分

弁護士が読み上げるあの遺言状。韓国法には日本にない「録音遺言」まであります。ただし、遺言も万能ではありません。

ドラマのクライマックスといえば、遺言状の開封シーンです。「全財産を長男に相続させる」の一言で家族が凍りつく。あの遺言状、韓国法ではどこまで有効なのでしょうか。

まず、韓国民法が認める遺言の方式は五つあります。自筆証書、公正証書、秘密証書、危急時の口授証書、そして録音です。声で遺す録音遺言が正式な方式として認められているのは、日本にはない特徴で、いかにもドラマ映えしそうです。ただし要件は厳格で、たとえば自筆証書遺言では、全文・日付・氏名に加えて住所まで自分で書き、押印まで必要とされます。要件を一つ欠けば遺言は無効。ドラマで「その遺言状は無効だ!」と争われる展開は、実際の裁判でも定番なのです。

では、方式の整った「全財産を長男に」の遺言があれば、他の家族は本当に一円ももらえないのでしょうか。ここで登場するのが遺留分です。韓国にも日本と同じく、遺言でも奪えない最低限の取り分として遺留分の制度があり、配偶者と子は法定相続分の2分の1が保障されています。つまり、どんなに強烈な遺言状が出てきても、妻や子の取り分がゼロになることは基本的にありません。ドラマの「大逆転」にも、ちゃんと法律の歯止めがあるわけです。

もう一つ、ドラマでおなじみの「遺言状の開封シーン」にも現実の手続きがあります。封のされた遺言書を家族が勝手に開けてはならないのは韓国も日本も同じで、日本では家庭裁判所の検認という手続きを経て開封・確認します。ドラマのように弁護士が応接室でさっと読み上げる前に、現実では裁判所での地味なワンシーンが挟まるわけです。なお、公正証書遺言ならこの検認は不要ですから、実務では最初から公正証書で作っておくのが賢い選択です。

ちなみにこの遺留分制度、今まさに歴史的な転換点にあります。2024年4月25日、韓国の憲法裁判所は遺留分制度の一部を違憲と判断し、兄弟姉妹の遺留分は効力を失いました。あわせて、親を虐待したような相続人の遺留分を制限する方向の法改正も求められており、「争族」をめぐる韓国のルールは現在進行形で変わりつつあります。ドラマさながらの家族の物語が、現実の法律を動かしているのです。

突然現れる「隠し子」は相続をどう変える?|婚外子・再婚家族のリアル

「実は会長の子でした」。あの衝撃展開は、法律的にも本当に相続の勢力図を塗り替えます。

韓流ドラマ屈指の衝撃展開といえば、葬儀の場に現れる見知らぬ人物、そして「実は会長の隠し子でした」という告白です。これは法律的にも大事件です。韓国民法では、婚姻外で生まれた子も、認知によって親子関係が認められれば、婚内の子とまったく同じ相続分を持ちます。子が一人増えれば、全員の取り分が計算し直しになる。ドラマの登場人物たちが青ざめるのは、演出ではなく法律上の必然なのです。なお、日本でも現在は婚外子の相続分は同等ですから、この点は日韓共通のリアルといえます。

再婚家族の物語も、相続と深く関わります。韓国法では、配偶者は常に相続人ですが、連れ子は養子縁組をしていなければ相続人になりません。ドラマで後妻の連れ子が疎外感を抱く背景には、こうした法律上の立場の違いが横たわっていることもあります。逆に養子縁組をすれば実子と同じ相続分です。家族のかたちが多様になるほど、相続の設計図は複雑になっていきます。

そして、ドラマではあまり描かれない地味な、しかし最強の脇役がいます。それが「記録」です。認知も、養子縁組も、婚姻も、韓国では家族関係登録簿という公的記録に刻まれ、相続の場面ではこの記録がすべての出発点になります。隠し子騒動の決着をつけるのも、結局は記録と証明。ここが、次にお話しする「現実の相続」につながっていきます。

ドラマより大変かもしれない現実|在日コリアンの相続、本当の主役は「書類」でした

名古屋の実務の現場から見ると、相続の本当の山場は遺言状の開封ではなく、地道な書類集めにあります。

さて、ここからは名古屋の実務の話です。日本で暮らす韓国籍の方が亡くなると、日本の国際私法のルールにより、相続には原則として韓国の法律が適用されます。つまり、ここまでご紹介した配偶者1.5倍の相続分も、遺留分も、名古屋のご家庭の相続にそのまま登場するのです。ドラマの世界は、実は皆さんのすぐ隣にあります。

そして実務の現場からいえば、現実の相続の主役は遺言状よりも「書類」です。相続人を確定するには、韓国の家族関係登録簿の各種証明書や古い除籍謄本を取り寄せ、日本語訳を付けて読み解いていきます。日本の戸籍のようにまとめて取れる広域交付は使えず、収集には数か月かかることもあります。さらに、名義変更をしないまま何十年も放置された不動産では、相続人が二世代、三世代と増えていく数次相続が起きて、登場人物の数がドラマの比ではなくなることも。当事務所がお手伝いしたご相続でも、書類の山を一つずつ読み解いて、ようやく相続登記のスタートラインに立てた、というケースは珍しくありません。

書類集めの舞台裏も、少しだけお見せしましょう。韓国の証明書はすべて韓国語ですから、一枚ごとに翻訳を付けます。古い除籍謄本になると手書きの漢字とハングルが入り混じり、判読そのものが職人技になることもあります。取り寄せから読解、相続人の確定まで、俳優の代わりに司法書士が黙々と演じる長い長い場面。これが在日コリアンの相続の、本当のメインストーリーなのです。

だからこそ、私たちは「元気なうちの備え」をおすすめしています。韓国籍の方には、遺言によって相続に適用される法律を日本法に指定できるという、日本人にはない特別な選択肢があります。方式の確かな公正証書遺言を一通作っておくだけで、ご家族が直面するドラマの波乱要素を、あらかじめ脚本から消しておけるのです。あわせて、家族関係登録簿の記載を生前に確認・整備しておけば、書類の山も小さくできます。

ドラマは最終回で終わりますが、現実の相続には続きがあります。相続登記は2024年4月から義務化され、放置すれば過料の対象にもなります。当事務所は司法書士と宅地建物取引士を兼ねていますので、相続登記からその後の不動産の売却や活用まで、ワンストップでお手伝いできます。

まとめ|ドラマは他人事、相続は自分事

楽しんだ後は、少しだけご自身の家族の物語を考えてみませんか。備えのある相続に、波乱の脚本はいりません。

以上、韓流ドラマの相続劇を入口に、韓国の相続のリアルを解説しました。

配偶者は子の1.5倍という相続分、録音まである五つの遺言方式、遺言でも奪えない遺留分と2024年の違憲決定、認知で変わる相続の勢力図。ドラマの定番展開の裏側には、本物の韓国相続法がありました。そして名古屋で暮らす韓国籍の方やご家族にとって、それは物語ではなく、いつか必ず訪れる現実です。

現実の相続をドラマにしないための脚本づくり、それが遺言と生前の備えです。名古屋のごとう司法書士事務所では、韓国籍の方の相続登記や書類収集はもちろん、遺言作成のサポートまで、外国籍の方の相続を親切丁寧にお手伝いしています。「うちの場合はどうなるの?」と思われたら、その好奇心こそが備えの第一歩。どうぞお気軽にご相談ください。

▶韓国籍の方の相続・遺言のご相談は、名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)へ。相続放棄、相続税、遺産分割など相続に役立つ情報満載の相続専門サイト「名古屋で相続相談・相続登記ならごとう相続手続き相談センター」もあわせてご覧ください。

 

※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。韓国の遺留分制度をはじめ法改正や運用の変更により取り扱いが変わる場合がありますので、実際のお手続きの際は、司法書士など専門家に最新の情報をご確認ください。

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。