司法書士が厳選!相続でのトラブル事例3選【名古屋のごとう司法書士事務所】
2020/04/15
相続でよく問題になることとは?
相続では、昔からトラブルの話があります。
「あの家は、○○でもめたらしいよ」などの言葉を耳にしたことはないでしょうか?
噂話でも相続に関する話は聞くことがあるでしょう。
司法書士の相続相談でも、単なる手続きの相談等いより、少しトラブルや問題点を抱えているケースが多い気がします。相続人だけでは、何らかの理由で相続手続きを前に進めることができなくなり、司法書士などの相続の専門家へご相談に来られるのです。そこで何かヒントを得れば、相続手続きを前進させることができるかもしれません。しかし、そのままにしておけば、ゆくゆくは、自分の子供たちに相続問題をバトンタッチして任せることになりかねません。
今回は、名古屋の司法書士による相続でトラブルになりやすい事例を3つご紹介します。
ご自身のご相続の参考にしてみて下さい。
事例1 相続手続きに相続人以外の人が関与している場合
相続後に遺産分割協議などの相続手続きをする場合、相続人が当事者になります。したがって、話し合いや手続きは相続人が行う必要があります。
しかし、場合によっては、それ以外の人が発言等をしてしまう場合があります。
例えば、生前被相続人の介護やお世話をしていた相続人の妻などです。苦労をしたり関わり合いをもって交流をしてきた場合は、思い入れもあり残した遺産に対しても発言をしがちです。お気持ちはわかりますが、このような場合は寄与分として自分が被相続人に対して貢献した分を請求すべきでしょう。
相続人の家族などが遺産分割協議に参加をするとかなりの確率でもめます。もめなくても、相続人の間でギクシャクしたり、不快感を示す相続人が出ることが多いです。
そうなると、ちょっとしたきっかけで口論となり、本来まとまるはずの話し合いもまとまらなくなるのです。この事態は一番避けなくてはいけません。
実際の相続の話し合いの場にやはり相続人が参加をして、何かを決める際に相続人が持ち帰って家族を話をすることは構いませんが、明らかに自己にも権利があるかの如く遺産の分け方に対して発言をすると、やはり他の相続人は違和感を感じることが多いでしょう。
遺産分割の話際は、相続人の間で行う。
これを基本線にして相続手続きを進めることをお勧めします。
事例2 相続人のうち、高齢で話ができない人がいる場合
相続人の中で高齢で判断能力に不安のある方がいる場合があります。
認知症などで会話が難しい方もいるでしょう。このような場合は、どうすればよいのでしょうか?
相続人が既に意思能力がなく、遺産分割を理解できないような場合では本人が遺産分割協議に参加しても無効になる可能性が高いと言えます。そのような場合は、成年後見制度を利用するしかありません。
つまり、その相続人に成年後見人等の選任を申し立てて、後見人等に代理人として遺産分割協議に参加してもらうのです。しかし、その場合は、原則後見人等は、本人のために法定相続分を確保するように努めるでしょうから、注意が必要です。それまでに予定していた法定相続分ではない遺産分割を予定していてもそれが実現できない可能性があるからです。
このような事態を避ける方法としては、例えば、遺言書の作成です。あらかじめ相続財産の分け方を決めておけば、相続開始後も相続人で遺産の分け方でもめません。また、受遺者が先に死亡をしてしまう場合も想定して予備的遺言としてその場合の別の受遺者を定めておくといいでしょう。
生前に贈与してことも場合によっては有効な手段です。贈与税と相続税の兼ね合いもあるかもしれませんが、税金面で問題をクリアするのであれば、生前に遺産の承継ができますので、確実な方法です。
事例3 相続財産が不動産しかない場合
相続すべき財産が自宅の土地や建物といった不動産しかない場合、分け方に困ってトラブルになることがあります。
相続不動産を売ってしまって、お金にして相続人で分けることは簡単ですが、相続人のうち売ることに反対している人がいる場合や実家である不動産にそのまま住んでいきたいと考える相続人がいる場合はそう簡単にいきません。
このような相続の場面では、解決策として、例えば代償分割の方法があります。
これは、その相続不動産を相続人のうち誰かが相続する代わりに、不動産を取得しない他の相続人に対して法定相続分相当の金銭等を渡して承諾してもらう方法です。しかし、この代償金の金額が大きくなってしまうこともあり、遺産に現金や預貯金など他の財産がない限り、実際は難しいかもしれません。
それでも、買い取るお金(代償金)を用意できない場合は、どうなるのでしょうか?
そのままにしておいても、不動産は維持管理費がかかります。
代表的なものとして、固定資産税や都市計画税があります。毎年1月1日の所有者に対して課税されます。その他にも、草刈等のメンテナンスをしないと土地はすぐに荒れてしまいます。草木が生い茂るようになれば、隣地に草木が越境するようになったり、害虫や犬や猫の棲み処となってしまうかもしれません。また、最近では、不法侵入者が住んでしまうこともあるようです。治安上も不安があるのです。
これがいわゆる「空き家問題」です。
昨今は、地域住民の方の空き家に対する目線はとても厳しいものがあります。荒れ放題になれば、すぐに行政に通報をされてる可能性があります。空き家対策措置法の特定空家にならなくても、トラブルになってしまうことはあるでしょう。
そのような事態を想定して、不動産を今後どうしていくかを話し合う必要があるのです。
まとめ
以上、名古屋の司法書士が相続でもめがちな事例を3つご紹介しました。
皆さまのご相続はいかがでしょうか?
相続は、法律や手続きを知らないがゆえに悪気なく発言したことがきっかけで、他の相続人とトラブルになることもあります。通常、相続人になる人は大人です。普段から交流をしている相続人同士であればまだしも、それぞれ独立して家庭を持っていれば、離れて暮らしており頻繁に交流をしていないケースも多いでしょう。
他の相続人への目配せや気遣いは大切だと思います。
残念な誤解を避けるためにも相続について正しい知識や手続きに基づいて相続手続きをするようにすることをお勧めします。その際、わからないことや疑問点は、些細なことでも専門家へ相談をしましょう。法律の定めを理解していれば、変な誤解を避けることができるかもしれません。
名古屋で司法書士をずっとやっている私も、このような相談はよくお聞きしていきました。皆さん同じようなことで相続の悩みを抱えています。困ったときは相続を扱う司法書士や弁護士などの専門家をぜひ活用してみましょう。