空き家で火災が起こった場合の問題点【名古屋のごとう司法書士事務所】

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空き家で火災が起こった場合の問題点【名古屋のごとう司法書士事務所】

2020/03/05

自分の空き家から火災が起こったらどうなる?責任は??

昨今、空き家問題をテレビや新聞で目にする機会が増えました。

国もさまざまな政策を講じてアナウンスしています。

 

ごみ屋敷などの問題や所有者不明土地の活用など、社会の財産でもある不動産をいかに活用していくかは、近々の課題とされています。

街中でも明らかな空き家や空き地が増えました。空き家等になってしまう理由はさまざまです。相続問題でもめて遺産分割協議ができずに放置されている場合もあれば、相続した不動産を遠方に住んでいる相続人が管理しきれないケースもあります。

 

空き家の理由はいろいろありますが、空き家を所有していくうえでの注意点もいくつかあります。

今回は、名古屋の司法書士が、空き家の火災について解説をしていきます。空き家を相続等で取得した方は他人事ではありません。いつ損害賠償請求を受けても不思議ではありません。改めて不動産を所有することの責任を一緒に確認していきましょう。

1 空き家の所有者が負う責任

空き家の所有者の方が、負う可能性のある責任は以下の2つです。

法律ではどのように定められているのかチェックしていきましょう。

(1) 土地工作物責任

土地の工作物の設置や保存の瑕疵から生じた損害は、1次的にはその占有者が責任を負います。占有者が適切に管理しているような場合は、2次的に所有者が責任を負います。
※占有者とは、例えば賃借人のような人です。

 

この所有者の責任は、被害者の方にとっては最後のよりどころですから「無過失責任」とされています。つまり、何ら過失がなくても責任を負うことになるのです。知らないでは済まされません。普通の家ではめったに起こらないので意識しませんが、空き家では損害の発生する可能性が高くなり、見過ごせない規定になります。

 

(2) 不法行為責任

これは、一般的に適用される民法の損害賠償責任の規定です。つまり、空き家問題だけでなく、飼い犬にかまれて飼い主にする損害賠償請求などにも使われる規定です。

 

【不法行為による損害賠償】
民法709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

故意又は過失が必要な規定です。

2 失火の責任について

日本は古くから木造の家が多く存在していました。火災が発生すると隣家への炎症が頻発していました。

そこで、失火責任法という法律が制定されています。この法律では、過失によって生じた火災は上記1の(2)記載の不法行為による損害賠償の規定は適用されないとしました。

 

しかし、1の(1)の土地工作物責任との関係には注意が必要です。

裁判になった場合、土地工作物責任が問われる例もあるので、結局は、失火責任法によっても所有者はその責任を負う可能性があります。

3 所有者のすべきこと

前記のとおり、土地工作物責任は、失火責任法によっても完全に免れることはできません。また、無過失責任ですから、この責任を回避するには、日ごろからのしっかりとした管理が重要になります。

所有者に降りかかる責任の重さを考えると、多少お金をかけてでも管理やメンテナンスをしていきましょう。

 

空き家問題は、周辺住民への影響のみならず、所有者自身にも重大な損害をもたらす可能性があります。

4 火災保険の適用はある?

自宅でも火災を保険をかけている方は多いのではないでしょうか?

実は空き家にも火災保険をかけた方が良いのです。たとえ多額の損害賠償請求を受けても、保険金で払えるかもしれません。ただし、注意点もあります。

 

保険約款を確認して下さい。

「重過失」がある場合は、保険金請求ができないのではないでしょうか?

 

つまり、重大な過失となるようなずさんな管理をして放置していたら、いくら火災保険をかけても意味がない可能性があります。特に外見上明らかに不十分な管理状態がわかるような空き家は気をつけましょう。鍵もかけずに放置された空き家から出火して、隣家へ損害を与えた場合、保険金を使うことができないかもしれません。空き家対策特別措置法の特定空家等に認定されるような空き家は保険金が下りない可能性が極めて高いでしょう。

まとめ

今回は、名古屋の司法書士が、空き家の火災・火事についての解説しました。

 

空き家を放置することは、火災の発生を含めて様々な問題を生み出します。

やはり不動産は、住む、貸すなどの活用をして生かしていくべきでしょう。もし必要がないようなら売却を視野に入れるのはこれらの理由もあるのです。いたずらに不動産を保有してもいいことはありません。代々守っている土地だから売りたくない場合は、しっかりと管理をしているでしょうから問題ないと思いますが、空き家になるような物件は、そういった仕方ない理由ではないと思います。

法律で解決するなら問題解決に向けて少しでも前進させないと損害賠償を受けるリスクを抱え続けることになります。

 

名古屋市中区に事務所があるごとう司法書士事務所でも、空き家問題に積極的にに取り組んでいます。法律問題や空き家活用法、空き家の売却まで司法書士兼宅地建物取引士が経験を生かして最適なご提案をしております。ご相談は無料です。インターネットだけで完結するネット予約が可能ですので、お困りの際はお気軽にお問い合わせください。

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