遺言書の内容が不明確な場合はどうするの?【名古屋のごとう司法書士事務所が解説】

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遺言書の内容が不明確な場合はどうするの?【名古屋のごとう司法書士事務所が解説】

2020/02/13

遺言の内容が間違っていると無効なの??

遺言書を作成するとき、自筆証書にするか公正証書にするかなど作成方法に目がいきがちです。

公正証書であれば、通常公証人のチェックも入るので間違った内容で作成されることは少ないと思います。

しかし、自筆証書遺言を専門家の関与なしで作成する場合は要注意です。

 

思わぬ落とし穴で、相続開始後に受遺者や相続人が困ってしまう事態にならないようにしましょう。

今回は、相続開始後に、遺言内容に間違いがある場合にどのように処理されるのかについて解説します。遺言の解釈は形式的なものだけではありません。場合によっては、内容に記載ミスがあっても遺言による名義変更登記(相続登記)が可能なケースも多くあります。

1.遺言内容の基本的な解釈の仕方

遺言内容に不明確な部分がある場合には、遺言書全体の記載や遺言者が置かれていた状況などを総合的に判断して解釈されます。遺言者の本当に意思をできるだけ実現すべく、そのように真意を理解して遺言書を読み解くべきとするような判例があります。

 

登記実務の現場でも、法務局は、同様に運用をしています。

 

遺言に基づく不動産の所有権移転登記を申請する場合、登記原因証明情報(登記の原因となる事実関係を証明するもの)というものを添付しますが、この場合は遺言書がこの登記原因証明情報になります。

 

つまり、この登記で一番大切な登記原因証明情報の解釈が問題になるのですが、この時も前述のとおり解釈されます。つまり、形式的な面だけでなく、遺言者の真意を総合的に解釈することになります。つまり、他の関連する書類等を添付したりして、本来の正しい記載内容を推定することをします。

 

その結果、登記可能となる場合もあります。ただし、ここで問題にしているのはあくまで遺言内容の不明確さですので、もともと自筆証書遺言に求められる要式性を満たしていることが大前提です。自筆でないとか押印がないとかそもそも無効な遺言はどうしようもありません。

2.遺言書で不動産を特定する方法

日本人の大半を占める相続財産である不動産を遺言書で記載するケースは多いと思います。

では、この不動産を特定する方法をご存知でしょうか?

 

例えば、土地は人の住む住所とは違います。土地の特定方法として住所を書いても間違っていることがあります。たまに結果として同一のこともありますが、厳密には全く違うものです。

 

不動産の特定方法を知らなくても、基本的には、登記事項証明書(登記簿謄本)に記載のとおり書いておけば問題ありません。公正証書で遺言を作成する場合は、表題部の登記事項を記載する例が多いように思います。

 

不動産を特定する方法は以下のとおりです。

① 土地:所在と地番

② 建物:所在と家屋番号

 

住民登録の住所や住居表示とは違い、不動産は地番や家屋番号で特定します。

これらの地番等は、固定資産税の納税通知と一緒に入っている課税明細書や不動産の権利証・登記識別情報にも記載があります。ただし、昔の地番等は区画変更等により変更される場合もありますので、遺言を作成する際は、最新の登記事項証明書を取得する方がいよいでしょう。

3.遺言書で不動産の特定を間違った場合

では、遺言書の中で不動産の特定方法を間違った場合、すべて無効になるのでしょうか?

前述のとおり、不動産の特定方法は、簡単なようで意外に知られていません。登記記録に記載されている情報ですから、不動産にかかわる仕事でもしていない限り、一般の方はわからないと思います。私も司法書士になるまでは全く知りませんでした。

 

登記手続きで添付する書類は、厳格な内容が要求されます。ケアレスミスだろうが記載ミスがあれば訂正しなくてはいけません。訂正できなければ申請を一度取り下げて、再度申請しなくてはいけないのです。

 

例えば、土地を住居表示で記載していたり、所在の漢字が抜けていたり、まとめて記載してわかりにくくなっている場合もあります。「自宅」といった記載をしているような場合もあるでしょう。

 

このような場合、まず、遺言者が所有している不動産を公的な書面で揃えます。代表的なものは、「評価証明書」「名寄帳」「固定資産税の納付通知書」などです。

 

これらには、所有者の住所氏名が書かれていることも多く、遺言書の不動産との同一性を推定できる場合があります。遺言者と登記上の所有者の同一性が認められれば登記可能ということになります。

 

書面上の推定が弱い場合は、権利証・登記識別情報も添付したり、相続人全員の上申書を添付したりもします。

この辺りの運用は、管轄の法務局により異なります。このような場合は、登記申請をする前に必ず登記相談や照会が必要になります。法務局と申請に関して折衝をして何とか登記できるようにする必要があるのです。

以上、今回は不明確な記載の遺言に基づく所有権移転登記(相続登記)に関して解説しました。

 

このような場合は、単なる法律相談だけでなく、登記手続きの相談も必要になります。相談される場合は、司法書士が適任かと思います。登記手続きは細かいことが多く、理屈を通すために針に糸を通すような作業が必要になります。登記制度が、事実関係を時系列に沿って正確に記録するという性格上、仕方ないのかもしれません。

 

ご参考にしてみて下さい。

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