中国籍の方の相続の登記って何?【名古屋のごとう司法書士事務所】

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中国籍の方の相続の登記って何?公証書から申請まで名古屋の司法書士が解説

2026/09/10

中国籍のご家族の相続登記、何から始めますか|名古屋で増えているご相談から

お父様やお母様が中国籍のまま亡くなり、名古屋の自宅の名義をどう変えればよいのか分からない。そんなご相談が今、確実に増えています。

名古屋市中区にあるごとう司法書士事務所では、随時無料相談を実施しています。

先日も、中国籍のご家族の相続についてご相談がありました。中国籍のお父様が名古屋市内のご自宅を遺して亡くなり、日本人の奥様とお子様が相続をされる事例です。「戸籍謄本を取ってくださいと言われたけれど、中国に戸籍謄本はあるのですか」「書類はどこで、どうやって集めるのですか」と、最初の一歩から戸惑ってしまわれるのは、当然のことだと思います。日本人同士の相続でも耳慣れない「相続登記」に、中国の書類集めという壁が重なるのですから。

名古屋市には多くの中国籍の方が暮らしており、日本で不動産を持ち、日本で人生を終えられる方も年々増えています。ところが、中国籍の方の相続登記は、日本人の場合と必要書類も確認すべき法律も異なるため、インターネットで調べても断片的な情報しか見つからず、途中で手が止まってしまう方が少なくありません。

司法書士は登記の専門家であり、外国籍の方の相続登記にも精通しています。今回のご相談でも、相続の流れと中国の書類の集め方をご説明したうえで、遺産分割の話し合いの進め方までアドバイスをさせて頂き、ご安心して頂きました。

この記事では、名古屋のごとう司法書士事務所が、中国籍の方が関係する相続の登記について、「書類集め」「遺産分割協議」「登記申請」という流れに沿って、初めての方にも分かるようにやさしく解説します。

まずは書類集めから!|戸籍謄本の代わりになる中国の「公証書」とは

中国には日本のような戸籍謄本の交付制度がありません。公証処が発行する「公証書」で親族関係を証明していきます。

相続の登記手続きをするには、登記の申請書に添付する書類を揃えることから始まります。日本人の相続であれば、被相続人の生まれてから亡くなるまでの一連の戸籍を集めて相続人を特定します。ところが、中国籍の方の相続では、この常識がそのまま通用しません。

中国には、日本の戸籍のように家族関係や出生・死亡・婚姻を一つの帳簿に連続して記録し、誰でも謄本の交付を受けられるという制度がないのです。中国で家族の情報を管理しているのは「居民戸口簿」や「居民身分証」ですが、これらは日本の戸籍謄本のように、それ一枚で相続関係を証明できる書類ではありません。

そこで登場するのが「公証書」です。中国の相続人の方は、居民戸口簿と居民身分証を持って、出生や婚姻などの届出がされている公安局の派出所や婚姻登記センターで証明を取得し、それを日本の公証役場にあたる「公証処」に持ち込んで、「親族関係公証書」を作成してもらいます。このほか、事案に応じて出生公証書、結婚公証書、死亡公証書などを揃えていきます。被相続人が日本で亡くなり日本にお住まいだった場合は、死亡の事実は日本の住民票の除票や死亡届の記載事項証明書で証明できますので、日本側の書類と中国側の公証書を組み合わせて相続関係を立証していくイメージです。

ここで、近年の大きな変化に触れておきます。中国は2023年11月7日から、外国公文書の認証を不要とするハーグ条約、いわゆるアポスティーユ条約の締約国になりました。これにより、従来必要とされる場面があった領事認証の手続きが大幅に簡素化され、中国の書類を日本の手続きで使う際の負担が軽くなっています。もっとも、どの書類にどの認証が必要かは事案によって異なりますので、自己判断せず専門家に確認されることをおすすめします。

また、公証書はすべて中国語で作成されますから、登記申請の際には日本語の翻訳文を必ず添付します。翻訳の正確性も登記の審査に関わる大切なポイントです。

なお、長く日本で暮らしてきた中国籍の方の場合、過去の身分関係が日本の「閉鎖外国人登録原票」に記録されていることがあり、これを法務省に開示請求して相続関係の立証に活用する実務もあります。書類の取り寄せは中国と日本の両方にまたがり、郵送や現地とのやり取りで数週間から数か月かかることも珍しくありません。日本国内だけで完結する相続に比べて時間がかかりますので、余裕をもって早めに準備を始めましょう。

次は、遺産分割協議を!|日本と違う相続人の範囲と海外からの署名手続き

名古屋の不動産の相続には原則として日本の民法が適用されますが、「誰が相続人か」の確認には中国の法律の知識が欠かせません。

必要な書類で相続人が特定できたら、次は遺産分割協議です。誰がどの財産を取得するのか、相続人全員で話し合います。

その前に、中国籍の方の相続で必ず確認しなければならないのが「どの国の法律で相続するのか」という準拠法の問題です。日本の国際私法である通則法36条は「相続は、被相続人の本国法による」と定めていますので、出発点は中国法です。ところが、中国の国際私法である渉外民事関係法律適用法31条は「不動産の法定相続については、不動産の所在地の法律を適用する」と定めています。この結果、通則法41条の反致という仕組みにより、名古屋にある不動産の法定相続は、日本の民法によって処理されることになります。少し難しい話ですが、「日本にある土地や家の相続は、原則として日本のルールで進められる」と理解して頂ければ大丈夫です。

ただし、安心はまだ早いのです。相続の割合は日本法で決まるとしても、「誰が配偶者なのか」「誰が子なのか」という身分関係そのものは、中国の法律を踏まえて判断しなければならない場面があります。たとえば中国の養子縁組は、日本の特別養子縁組のように実親との関係が終了する効果を持つため、養子に出た子が相続人にならないことがあります。また、中国では2021年1月1日に民法典が施行され、それまでの継承法は廃止されました。中国法が関係する場面では、第一順位の相続人が配偶者・子・父母とされるなど、日本とは相続人の範囲や順位が大きく異なります。遺言がある場合には日本法に反致せず中国法で判断される可能性もあり、専門的な検討が必要です。

準拠法の整理がついたら、いよいよ話し合いです。ここは日本人の相続と同じで、不動産を安易に共有名義にしないことが大切です。共有にすると、将来売却するときに共有者全員の同意が必要になり、一人でも認知症などで意思能力を失うと売却ができなくなってしまいます。単独の名義に集約する方向で、早い段階から話し合いを進めましょう。

協議がまとまったら、遺産分割協議書を作成します。日本在住の相続人は、実印を押印して印鑑証明書を添付します。問題は、中国在住の相続人です。中国には印鑑証明書の制度がないため、代わりに、本人が公証処で公証員の面前で署名し、その署名が本人のものであることを証明する署名公証を受ける方法が実務で使われています。遺産分割の内容を含めて公証する「声明書」の形をとることもあります。海外の相続人がいる場合の書類の整え方は事案ごとの工夫が必要で、司法書士の腕の見せどころでもあります。

財産の分け方の話ですから、言葉の壁や国をまたぐ距離もあって、相続人同士だけでは話しにくいこともあるでしょう。司法書士などの専門家が間に入り、法律の説明や書類の段取りを整えることで、相続手続きの客観性と公平さがぐっと増します。相続人全員が協力しやすい体制を工夫して整えましょう。

最後に、相続登記の申請をする|ローマ字併記など2024年から始まった新ルール

登記申請は不動産の所在地を管轄する法務局へ。外国籍の方の登記には、2024年4月から新しいルールが加わりました。

書類が揃い、遺産分割協議書も整えば、いよいよ相続登記の申請です。

不動産を取得した相続人が、登記申請人として相続登記をします。申請する窓口は、相続不動産を管轄する法務局です。名古屋市内の不動産であれば、名古屋法務局が窓口になります。

登記申請の際は、登録免許税を納めます。ざっくりとしたイメージは以下のとおりです。

登録免許税=固定資産税評価額×0.4%(100円未満切り捨て) ※詳細な計算は別途確認するようにして下さい。

この評価額は、市区町村で取得できる評価証明書などで確認します。相続登記の登録免許税は比較的低い税率ですが、評価額によっては数十万円になることもありますので、あらかじめ準備しておきましょう。

そして、外国籍の方の相続登記で知っておきたいのが、近年の法改正です。まず、2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されました。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記をしないと、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象になります。これは被相続人や相続人の国籍を問いません。中国の書類集めに時間がかかるからといって放置してよいことにはなりませんので、期限を意識して動くことが大切です。すぐに遺産分割がまとまらない場合には、相続人申告登記という簡易な制度でひとまず義務を果たす方法もあります。

さらに、同じく2024年4月1日から、外国籍の方が不動産の所有者として登記される場合には、氏名にローマ字(氏名の表音)を併記する運用が始まりました。また、海外に住んでいる方が名義人になる場合には、日本国内の連絡先を登記する制度も設けられています。中国籍の相続人が名古屋の不動産を相続するケースでは、これらの新ルールに沿った申請書の作成が必要です。あわせて、中国語の公証書類にはすべて日本語訳を添付します。翻訳の不備や書類の不足があると、登記は通りません。厳格な登記手続きに耐えられる準備を整えましょう。

なお、相続した不動産をゆくゆく売却したいというご希望も多く伺います。当事務所は司法書士と宅地建物取引士を兼ねていますので、相続登記から不動産売却までワンストップでお手伝いできるのも強みです。

まとめ|中国籍の方の相続登記は「書類の段取り」が成功の鍵

流れは日本人の相続と同じ三段階。違いは「何で親族関係を証明するか」です。段取りさえ整えば、着実にゴールできます。

以上、名古屋の司法書士が、中国籍の方が関係する相続の登記について、流れに沿って解説しました。

手続きの骨組みは、書類を集めて相続人を特定し、遺産分割協議をして、法務局へ登記を申請するという、日本人の相続と同じ三段階です。違うのは、戸籍謄本の代わりに公証書で親族関係を証明すること、準拠法や相続人の範囲の確認に中国法の知識が必要なこと、そして印鑑証明書の代わりに署名公証を使う場面があることです。2023年のアポスティーユ条約発効や2024年のローマ字併記・相続登記義務化など、ルールも動いています。

やることは多いですが、一つ一つクリアしていけば必ず前に進みます。ご自身で進めることに不安を感じたら、外国籍の方の相続登記に慣れた司法書士など、相続の専門家に相談するのも一つの方法です。名古屋のごとう司法書士事務所では、中国籍をはじめ外国籍の方が関係する相続登記のご相談を随時お受けしています。円満で公平な相続手続きを、名古屋から丁寧にサポートいたします。

▶中国籍の方の相続登記のご相談は、名古屋のごとう司法書士事務所(フリーダイヤル0120-290-939)へ。相続放棄、相続税、遺産分割など相続に役立つ情報満載の相続専門サイト「名古屋で相続相談・相続登記ならごとう相続手続き相談センター」もあわせてご覧ください。

 

※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。法改正や運用の変更により取り扱いが変わる場合がありますので、実際のお手続きの際は、司法書士など専門家に最新の情報をご確認ください。

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