不動産の相続で戸籍について知っておきたいこと【名古屋のごとう司法書士事務所】

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不動産の相続で戸籍について知っておきたいこと【名古屋のごとう司法書士事務所】

2020/04/27

司法書士が不動産の相続登記で必要な戸籍を紐解きます!!

不動産の相続の手続きで役立つ情報を提供しています

不動産の相続手続きで役立つ情報を提供します。

 

相続の手続きは、必要な書類もひとつひとつ理解しにくいことがあります。不動産の相続は、一般的に「相続登記」と呼ばれていますが、この相続登記は、一見簡単そうでも奥が深いことがあります。相続人が共同で作業を進める場合は、皆が共通の理解をしていないと、お互いに誤解を生んでしまったりします。別に悪気がなくても自分に有利になるように相続手続きを進めていると他の相続人に思われてしまい、トラブルになることもあるようです。

 

また、相続人の配偶者など家族が関与すると、他の相続人が不愉快に感じて一気に相続人の間で関係性がこじれるケースもあります。専門的な内容が多いので、相続人で知識や情報に差が生じることが原因かもしれません。この情報格差により、ある相続人が自分のいいように相続をしようとしていると勘違いをしてしまうことがあります。

 

名古屋の司法書士が、不動産の相続手続きの実務に役立つ情報を提供したいと思います。
相続人の方は参考にしてみて下さい。

1 亡くなった人(被相続人)の戸籍はどんなものが必要なの?

相続が開始すると、まず最初にするのは戸籍集めです。

 

亡くなった被相続人の相続人を特定するためです。これをしっかりと最初にすることで相続財産について誰と話をすればいよいのか確定します。逆にここでつまづくと、相続人でない人と遺産分割協議などをしてしまい、その遺産分割協議が無効となり、改めて正しい相続人で遺産分割をやり直すことになるので、注意しましょう。

 

さて、問題の戸籍ですが、一般的には被相続人が生まれてから死亡までの戸籍が必要です。
とはいっても、ピンとこないかもしれません。

 

戸籍は、家族単位で編成されています。筆頭者を決めてその人を中心に記載されています。筆頭者が最初に記載されます。
最初に生まれると父母の戸籍に記載されます。そして結婚をすると独立した戸籍を持つので父母の戸籍から出て、自分帯の戸籍が新たに作られます。そして、本籍を別の場所に変更すると転籍といって、別の管轄の市区町村に転籍すると転籍先で新たにまた戸籍が編成されます。
また、昔は、戸籍は手書きで記載されていましたが、途中で戸籍がコンピューター化されて電子データになっています。

 

つまり、出生から戸籍が変わらなければ、それほど戸籍の通数はそれほど多くなりませんが、転籍や婚姻などがあるとその都度新しい戸籍が作られていることがあり、それらすべて必要になり、戸籍の数が多くなることがあるのです。さらに、本籍地を管轄している市区町村に対してそれぞれ請求をして交付を受ける必要があるので、本籍地を転々としている場合は、出生から死亡までの戸籍をすべて集まると時間とる労力が結構かかあることがります。

2 戸籍はなぜ出生から死亡までいるのか?

このような戸籍ですが、なぜ出生から死亡までの記載のものが必要なのでしょうか?

 

出生から死亡まで必要な理由は、相続人を特定するためです。


ここで、相続人について考えてみましょう。
特に相続順位の高い「子」に着目してみましょう。子がいるということは子を作れるということです。
つまり、子を作れる年齢まで戸籍があれば十分ではないかとも思えます。出生までさかのぼらなくても良いのではないかということです。

 

この点、登記実務では、昔の取り扱いで15,6歳ぐらいまでさかのぼればよいとするものがあります。しかし、昔の人と現代人の体はあらゆる面で異なっています。食の欧米化が進み日本人の体も欧米人に近くなりました。そこで、生殖機能についても、15,6歳で良いのかはやや疑問が残ります。

 

戸籍が、保存期間の経過や絵滅失等により取得できない場合は致し方ありませんが、取得できる場合は、やはり無難に出生までさかのぼることを原則としましょう。仮にあとから相続人となる子が存在した場合はとんでもないことになってしまいます。

 

遺産分割協議を既にしていても、あとから新たな相続人が発見されれば、その遺産分割協議は無効になります。
子などの相続人となる人がいることは、被相続人の方が生前に話していない場合もあります。中には、被相続人でさえも言うことを忘れてしまうことやいうタイミングをなくしてしまっていることもあるようです。

3 戸籍にはどんなことが書いてあるの?

戸籍には、重要な情報が詰まっています。
家族に関する大切な個人情報が記載されているのです。

 

父母の氏名や兄弟が誰か、生年月日はいつか、結婚や養子縁組のことなども記載されます。

出生により戸籍に子が記載されます。養子縁組をして養親の戸籍に入れば、その旨の記載がされます。

 

日本では、この戸籍制度のおかがで相続人の特定は、戸籍集めによって書面上明らかになるのです。これが諸外国では、戸籍類似の制度もなかったり、記載内容が正確でないため信用ができなかったりと問題になることがあります。外国籍の方の日本の財産の相続手続きの際の話は、別の機会にしたいと思います。

 

また、戸籍は、現在は電子化されて読みやすいですが、昔の戸籍は手書きです。まだまだ電子化された戸籍だけで出生から死亡までをカバーできるケースはまれでほとんどの方のご相続の場合は、手書きの昔の戸籍が必要になります。

手書きの戸籍は、書いた人の癖があり、非常に読みにくいことが多く、また書いてある言葉も専門用語が並んでいたりします。そのため、慣れていない人は読むだけでもひと苦労です。場合によっては、字がつぶれていて読めないこともあります。そのような場合は、前後の文章から推測をして読み解きます。

 

 

最後に

名古屋の司法書士が、不動産の相続手続きで重要な戸籍について解説しました。

 

不動産の相続登記をやろうとすると、まず戸籍集めです。しかし、この戸籍集めが大変なこともあり、多くの人がここでつまずきます。中途半端に時間を使うぐらいなら最初から司法書士へ依頼をすればよかったと言われた方もいました。

戸籍は、取得後読み解く必要がありますが、これも結構難解なのです。一度でも手書きの戸籍を見たことがある人ならわかると思いますが、書いた人間の癖が出ていて、とても読みにくい戸籍があるのです。電子化された最近の戸籍は大丈夫ですが、出生までの戸籍を集めるとそのような手書きの戸籍にあたります。私も司法書士になりたての頃は苦労しました。

 

戸籍をきちんと読み解いて、相続人を特定させるようにしましょう。
相続の手続きはそこからはじまります。

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