まずは無料で遺言や相続手続きの相談なら【名古屋のごとう司法書士事務所】
2019/12/03
本人と周りの親族との関係性
遺言書を作成するとき、自分一人だけで決めて作成し、保管しておく。このようなケースは比較的少ないのではないかと思います。遺言を作成するタイミングは、配偶者や子供たちの勧めもあって作成に至るケースも相当数あると負います。
最近では自分だけで最期の準備をする方も増えていますが、やはり、自分の死後や最期のことを考えるのは抵抗感があるのではないかと推測します。
一方、亡くなった後の相続手続きの際には、相続人の家族などが登場することがあります。家族ぐるみで親族の付き合いがある場合など、関係性はいろいろあると思いますが、一般的には遺産分割などで相続人本人以外の関係者が加わると、かなりの確率でもめます。または、雰囲気がぎくしゃくします。
今回は、名古屋の司法書士が、そういった遺言者本人や相続人本人以外の周りの方の注意点をお話しします。
1.遺言の場合
高齢になって、遺言を作成するといってもどのように作成してよいかわかりません。高齢者はインターネットが使用できない場合も多く、ネット検索で調べることも難しいのです。新聞や区役所の広告などを頼りに相談先を探す、又は、お付き合いのある司法書士、弁護士や税理士など聞きやすい人に聞いてみるケースもあるようです。
そこで、個人的には、配偶者の方やお子様が心配で相談先を探して、本人に作成を促す形が比較的多いといった印象です。
遺言を作成するときは、法定相続ではもめてしまう場合や法定相続ではない相続方法を指定したい場合などに利用します。
そのまま相続を迎えると何らかの問題が起こる可能性がある場合です。
遺言の相談を受けると、一緒に親族の方も同席されることがあります。しかし、それ自体は問題ではありません。ただし、相談後も必要以上に、遺言内容にかかわるのは避けるべきかもしれません。本人に意見を求められる場合は別ですが、あとから、本人に自分に有利な遺言を書かせたといった言いがかりをつけられる可能性があるからです。法的にそのような主張が認められるかは別としても、あらぬ疑いをかけられることは気持ちのいいものではありません。
そう考えると、司法書士や弁護士といった専門家への初回相談など、橋渡し役を担うやり方が良いかもしれません。財産をもらう場合は、特に気をつけましょう。
2.相続手続きの場合~遺産分割協議など~
いざ相続開始になった後はどうでしょうか?
相続が開始すると、遺産の承継方法を相続人で話し合う必要があります。ここで任意に話し合いができない場合、強制的な解決方法は裁判手続きです。裁判をやらない場合は、そのまま相続手続きをしないで保留、放置してしまう状態になると思います。
つまり、話し合いの決別は避けるべきなのです。
ではどのように話し合いを進めるべきか。
親が亡くなった場合、生前の親御さんとの関わり合いなど、その関係性から遺産を優先的にもらっても良いのではないか。そのような感覚になる気持ちもわかります。特に介護のお世話をしているなどは特にそうではないでしょうか。相続人である長男の奥様など。
不思議なもので、このような親への貢献度を誰かが言い出すと、他の相続人も自分もやっただとか、あるいは、生前に金銭の援助を受けているとか、車を買ってもらったとか、家の購入の時に助けてもらったなどぐちゃぐちゃになります。親の子に対する気持ちは、計り知れませんので、仕方ありません。
このような場合に備えて、1の遺言を作成するとよいのですが、作成しないで相続が開始した場合、ただでさえ、上記の収拾がつかない話し合いに発展する可能性があるわけですから、極力話し合いの参加者は少なくした方が良いです。相続人の家族の方の意見がある場合、家族代表として相続人の方が代弁しましょう。しかし、その場合でも自分の意見として言って下さい。こういった場合、必ず最後は「あなたば部外者でしょ」といった話になってしまいます。
さらに話し合いをうまく進めるコツは、第三者の公平な人間を間に入れることです。
例えば、当事務所でも相続手続きについて代行していますが、このように司法書士などの相続の専門家に頼むことで遺産分割の客観性や公平性が保てることがあります。司法書士が特定の誰かの味方をすることができませんが、手続きの説明や代行、自分たちの権利の確認等、法律の交通整理ができます。財産の分け方や割合など、遺産分割の内容はあくまで相続人の方で話し合ってもらいますが、内容には直接タッチしないこのような立場だからこそ、円滑に遺産分割の話し合いに寄与できる部分もあります。相続人同士で、あの相続人は自分の有利に手続きを進めているなど、お互いに疑心暗鬼にならなくて済むこともあろうかと思います。
遺産分割の進め方は、経験値がものをいう部分でもあります。数々の遺産相続の場面をみてくると、いろいろと思うところが出てくるものです。そういう意味では、専門家によっても依頼後の手続きの進め方は違うと思います。自分たちにあった専門家を見つけることが大切です。
最後に
今回は、名古屋の司法書士が、遺言書作成や遺産相続手続きの際の周りの方が気をつけるべき点を中心にお話ししました。
相続の専門家と一口に言っても、実は内容に得て不得手があるかもしれないのです。簡単だと思われる相続手続きでも落とし穴はあるものです。また、遺言の相続をしても最適な解決策は任意後見だったりと、別の方法になることもしょっちゅうです。
相続に関する最適解はひとつではありません。法律や税務などあらゆる角度から検討していくことも大切です。お困りごとがあるようであれば、ひとりで悩まずに、一度専門家に相談をしてみてはいかがでしょうか。