名古屋の不動産売買の現状について／司法書士の視点から

名古屋といえば、やはり名古屋駅と栄が中心です。近商業エリアに関連する不動産の価格は上昇傾向にあります。このエリアの高層マンションは販売をすれば、軒並み完売だそうです。

実際は、投資目的で高級マンションを購入する方が一定数いるようです。

やはり、不動産の価格は、一般の方の売買で価格が変動するというよりは、プロの売買で変動します。マンション用地の仕入れや投資目的など、最終的に出口で利益になれば、仕入れとなる土地の購入金額を吊り上げることができるのです。

司法書士としては、不動産の売買が盛んに行われれば仕事も増えます。しかしながら、本当に大丈夫かなと感じることもあります。特に名古屋駅の周辺の土地の値段を聞いていると桁違いの坪単価です。最後に誰かがババを引かないといいですが。。。

とはいえ、名古屋市内は、基本的には地下鉄の駅から徒歩圏の土地など不動産が一番売りやすく価値も高くなる傾向があります。東山線、桜通線、鶴舞線、名城線などいろいろありますが、駅から徒歩10分以内であれば、ひとまず安心でしょう。

名古屋市内での不動産の売買ですが、傾向としては、自己資金と融資だけで土地や建物を購入する方というよりは、親御さんの生前贈与などを使って、融資を組み合わせて購入される方が多いのかもしれません。

例えば、土地は親にお金を出してもらって、建物だけでローンを組む。このようなパターンで名古屋において家を購入される方は多いのです。

土地柄でしょうが、親子間の関係が良いということでしょう。大学に行く際にも関東圏や関西圏のように親元を離れる選択よりは、自宅から通える大学を選ぶ傾向が強いのは、私が高校生の時から聞いていましたが今も変わらないのでしょうか。

また、愛知県は製造業が盛んです。トヨタを中心に経済が安定していることも、不動産購入層を支えているのかもしれません。

名古屋で地下鉄の駅の徒歩圏で土地から探して、家を建てようとすると5000万円を超えることも普通にあります。ハウスメーカーさんで建てればどうしてもその傾向があります。

ひと昔なら普通にローンを組んで家を持つという発想でしょうが、今は終身雇用や年功序列はありません。毎月のローンを払っていける確証などないのです。

不動産については、昔から賃貸派と持ち家派という話がありますが、最近はファミリー向けの賃貸物件増えたおかげで、必ずしも購入にこだわらなくなってきています。車などはその傾向が顕著ですが、同じく高額な買い物である不動産の売買でも同じことが言えます。あらゆるものを所有する時代ではなくなってきました。

相続などで、実家である親御さんの住まいを売却することがあります。今相続人になる世代は、まだまだ持ち家派が主流でしたので、結婚して子供生まれれば、次は家の購入です。家を買ってはじめて一人前と思われる方も多いのではないでしょうか。

その影響で相続人となる子は、自分で家を持っています。つまり、実家を相続しても使い道がありません。かと言って、ほかっておけば毎年固定資産税がかかります。草刈りなどの管理も大変です。

一方、人に貸したり、マンションやアパートを建てるなどの不動産活用をするほどの考えもないことがあります。なぜなら、それらの活用には一定の資金やリスクが伴うからです。リフォーム代が何百万とか買ったり、数千万円の不動産ローンを組むのですから。こういったことに慣れていない一般の方の場合、怖いですよね。そんな風に無理するぐらいなら売却をして相続人でお金で分ける方がみんな喜ぶのです。

不動産を売買してお金にすれば、遺産分割もやりやすく、かつ、もめません。不動産では活用法が限られますが、お金に代わればその使途は無限大です。自分のために使うもよし、子供のために使うもよしです。

名古屋でもこのような相続事情は変わりません。不動産の売買のきっかけは相続が案外多いのです。