相続で空き家が増えて相続登記義務化!?【名古屋のごとう司法書士事務所】

お問い合わせはこちら

ブログ

相続で空き家が増えて相続登記義務化!?【名古屋のごとう司法書士事務所】

2021/03/15

いつから?どうなる相続登記の義務化の流れ

相続した空き家の放置は危険!?

いよいよ相続登記が義務化されようとしています。

つまり、この記事を書いている時点ではまだ義務化されていませんが、今後、民法や不動産登記法等の改正法が国会で成立見通しです。

 

この法律改正は、実は、相続登記を義務化するだけにとどまりません。関連する問題点の解消に向けての変更点もあります。相続に限らず、登記名義人の氏名や住所の変更があった場合、氏名や住所変更登記が義務化されます。また、新たに要らない土地を一定の要件のもとで国が引き取る制度も新設されます。

 

相続登記が放置されたり、氏名住所変更の登記がされない場合、真の所有者へのアクセスが制限され、結果、所有者不明の土地が生まれます。この所有者不明の土地は、結果として、空き家を増やしています。相続した後、特に不動産を活用することなく、また、放置してしまうことで、近隣住民の生活へ悪影響を及ぼすケースがあります。草木の越境、害虫の発生、不審者の出入り、不審火の発生など犯罪の温床となることも考えられます。

 

このように以前から、不動産登記の真実性の確保は課題となっていました。
震災の際は、不動産を整備するために所有者を調べると、所有者不明の土地があり開発や整備が難航したという話もあります。個人の財産である不動産を買い取るにしても、いつでも勝手に買い取ることができるわけではありません。

1 相続登記の義務化

被相続人である親の家の価値が著しく低い、子には既に持ち家がある、子が親の介護や生活に関心が薄い。

このような場合に、よく相続後、空き家がとなります。

ほかにもそもそも相続に遺産分割協議でもめている、または、相続人が認知症となり、遺産分割協議ができないといったケースもあるでしょう。

 

このような中、いよいよ相続登記は義務化されます。

これは時期の問題で、2023年にも相続登記は義務化されようとしています。

 

原則、相続開始から3年以内に相続登記をする必要があります。
相続登記をしない場合のペナルティは、10万円以下の過料が予定されています。

しかし、すべてのケースで過料の対象となるわけではなく、正当な理由がないのに相続登記を怠った場合に過料が科せられるとされています。具体的にどのように運用されるかは今後定まるでしょう。

 

予定では、改正法が施行時点ですでに発生している相続に関しても適用さる予定です。ただし、申出をすることで相続登記の義務を免除される手続きもある予定です。

 

したがって、今既に相続が発生しているから関係ない話ではありません。今からしっかり相続登記をしておくことがよいでしょう。

 

 

2 所有者の住所や氏名の登記も義務化

これまでは、引っ越しをして住所が変更しても住所変更登記をする人は少なかったと思います。実際、私たち司法書士も必要な時にその他の登記とセットでやればいいと言っていることが多かったと思います。

不動産所有者の負担を考えるとそのようになるのですが、本当は、氏名や住所の変更があれば、都度、変更登記をすることが望ましく原則です。

不動産の登記は、登記内容が真実であり最新の状態であることが望ましいのです。不動産取引をしようとする人が登記を見たとき、本当の所有者の情報がすぐにわからないでは、取引が円滑に進みません。不動産取引の機会の損失にもつながります。

 

引越し、結婚、等により不動産の所有者の氏名や住所に変更があった場合、変更日から2年以内に氏名や住所の変更登記をしなくてはいけなくなります。変更登記を怠ると、5万円以下の過料の対象となる予定です。

ただし、相続登記の義務化と同じく、過料の対象となるには正当な理由がなく変更登記を怠っていた場合となります。

事情(DV被害など)があって住所を登記で後悔したくない場合もあると思いますが、そのような場合には別途直接わからないようにする制度が新設される予定です。

3 いらない相続した土地を国が引き取ってくれる!?

これまで、相続した土地を要らないから何とかならないかという質問をよく相続のご相談で受けていました。

地方の空き地や別荘など、不動産自体に価値がなく、遠方で使いみちがない場合は相続しても負の財産として見られてしまっていた土地もありました。いくらか固定資産評価額がつけば、固定資産税が発生します。毎年の借金のように相続人が負担をしなくてはいけません。

 

このような場合、それを専門で買い取る業者もいますが、買取額はほとんどかからなくても、不動産売買の諸費用がかかるので、そういった買取業者に売ることも躊躇する方もいました。
かと言って、活用法として、駐車場でも利用ができず、会社の資材置き場などの利用もそう簡単ではありません。たまたまタイミングが合えばラッキーな程度です。また、市区町村に不要な土地を寄付することもほとんどできませんでした。

 

そこで、今回の改正で、相続した土地が一定の要件を満たすと国が引き取る制度ができそうです。ただし、この場合でも一定の管理費相当を負担することが予定されています。

これは使える点も多い制度です。

なぜなら、いらない土地を自分の子供などへ引き継がせなくてもよくなるからです。
価値がなく、しかし、何かあれば所有者としての責任を負いかねない土地を自分の大切な人へ継がせるのは心苦しい方も多いと思います。そのような場合の方には朗報です。

最後に

以上、名古屋の司法書士が相続登記の義務化を中心に登記が義務化される話をしました。

 

今回ご案内した相続登記の義務化や所有者の氏名や住所の変更の義務化以外にも、変更点はあります。また別の機会にご案内できればと思いますが、例えば、共有者に消息不明な人がいる場合や、共有者に共有不動産の管理等に非協力的な人がいる場合に必要な功ができるようにするための改正もある予定です。

 

いずれにしても、相続登記の義務化は、法律が施行してスタートすれば、スタート前の相続に関しても原則適用されますから、相続登記が義務化されます。したがって、今から相続登記をしっかりと準備してスムーズに進めておくことがよいでしょう。

 

名古屋のごとう司法書士事務所では、相続登記に積極的に取り組んでいます。
司法書士がこれまで多数の相談事例の解決で培ったノウハウを使って、みなさまのご相続をお手伝いさせて頂きます。相続登記のご相談は無料ですので、お困りの方はお気軽にご相談下さい。

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。