はたしてコロナ後に相続した不動産を売却できるのか?【名古屋のごとう司法書士事務所】
2020/06/15
緊急事態宣言で不動産売買の市場はどう変わったのか?
1 買い控えが続出!
3月ぐらいから、不動産の売買仲介をする会社への来店がぐっと減りました。
また、4月以降は、経済の打撃が大きく、さまざまな業種でマイナスの影響が出始めてました。
このような不景気になると、高額な買い物である不動産や車といった商品はなかなか売れません。
今回はリーマンショックよりも影響が出ると言われているので、さらなる買い控えが起こるのです。
自分の仕事もこの先どうなるのかわからない状況で、自宅の購入等はまず控えて、落ち着いて先行きが見えてから検討する人が多くなったと思われます。今慌てて不動産を購入する必要がない人は、あえて購入をしません。
ただし、一部の人は、コロナの影響がない又は少なく、時間の余裕ができた今物件探しをしている人もいるようですが、全体としては少数でしょう。
2 休業する不動会社も多数あった
不動産の売買などの取引は、面談等で取引をすることを基本にしています。
インターネットの進歩に伴い、物件探しは、ネットで行う機会が増えましたが、最終的に契約等は売買の現場ではオンラインで行うような形が整っていません。不動産の賃貸の現場では、オンラインで重要事項の説明等が進んでいますが、取り扱う金額の違いもあり、試験的にスタートしたものです。扱う金額が高額となる不動産売買の現場では、まだまたネットを利用しての取引は成熟していません。相談等をオンラインで行うなど部分的な活用にとどまっています。
今後は、オンラインでの取引、不動産テックと呼ばれる環境が進んでいくでしょうが、現段階では日本では実務が追いついていません。
そこで、不動産会社の中には、もともと人との接触ができなければ、営業活動が制限されるので店舗を占めて休業とした会社もあるようです。今後、第2波、第3波がくると同じようなことが起こるかもしれません。
3 売却相談も一定数ある
コロナの影響で、生活費の捻出や将来の事を考えて自宅や投資用不動産を売却したいと考える方もいます。
しかし、昨年までの好調だった不動産の市場のイメージが残っていると、思い通りの価格で売れない可能性もあり、売り出し価格の設定も悩ましいところです。
緊急事態宣言で、5月は裁判所が破産の申し立てを進めることができませんでした。
弁護士や司法書士などの専門家も、緊急性のあるものや社会的な影響が大きな案件以外は、破産等の申立てを控えるように指定ました。
そこで、緊急事態宣言が解除される6月以降は、破産件数の増加が予測されます。また、現在は、中小企業や飲食・観光業界などコロナの影響を直撃した業界の倒産が増えていますが、今後は、大手企業のリストラや給与カット等がはじまると言われています。これに伴い、下請け企業など取引先に影響も出るでしょう。
そこで、会社の不動産や個人の不動産が、売りに出されることも予測されます。
4 相続した不動産を売るタイミングは?
以上のように、不動産売買市場は、混沌として不安定な業況が続いています。
オリンピックも来年の開催です。
なかなか不動産業界にプラスの材料がないですが、テレワークの推進により都市部での自宅にこだわらない生き方も提案されています。また、コロナの影響をそれほど受けていない人たちもいるので、あきらめる必要はないと思っています。経済的な流れを読みながら、上手く相続した不動産を売却することも可能です。
欲を出しすぎずにまずは売却に向けて行動に移してみてはいかがでしょうか。
情報を収集して、専門家の意見を聞きながら適切なタイミングで賢く売りぬきましょう。
どんな時でも、急いで売ることは一番おすすめしません。
早め早めに準備に着手し、計画的に売却をするようにしましょう。
最後に
以上、名古屋の司法書士が、コロナ後に相続した不動産を売却することについて考えてみました。
不動産売買の実務で感じるのは、予測したよりは、現段階では不動産市場は動いているなと感じています。
一部で不動産取引が激減した案件もありますが、全体としては、まだまだやりようによっては、相続不動産を売ることはできると思っています。
2020年4月以降は、実は改正民法もはじまっています。
不動産売買契約も少し変わったので、相続した不動産を売るときには注意しましょう。
コロナだけでなく、変わった法律にも気をつけながら、賢く安全に不動産を売ることをおすすめします。