相続の手続きで知っておきたいこと3選【名古屋のごとう司法書士事務所】

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相続の手続きで知っておきたいこと3選【名古屋のごとう司法書士事務所】

2020/04/09

相続の手続きは簡単!?

相続が開始すると、財産に関してはいわゆる相続手続きが必要になります。

被相続人の方の葬儀などが終わったら手続きを進める方が多いと思います。

 

相続人が複数いる場合、どうしても話し合いが難しいケースもあります。公平で円満な遺産相続手続きを進めるためには何が必要なのでしょうか?

先ずは、相続人がしっかりと相続を理解することがから始めてはいかがでしょうか。よくわからないことばかりでは、たとえ公平に手続きが進んでいてもどこか疑心暗鬼になってしまいます。少しの行き違いが大きなトラブルになることもあります。

そうならないためにも、相続人の方すべてが相続に関して最低限の知識を得ることで、安心して相続手続きに協力できるのです。

 

今回は、名古屋の司法書士が相続について知っておきたい知識を3つご紹介します。

1 相続とは

「相続」とは、一体何でしょうか?

 

人が死亡したときに相続は開始します。相続とは、亡くなった人が有していた権利義務の一切を相続人等が承継することを言います。つまり、相続人の意思とは無関係に相続は開始されるのです。この点は、契約である贈与とは異なります。

また、相続は無償での財産権の移転という側面も持ちます。

 

したがって、相続人や遺言での受遺者の意思とは無関係に承継されようとしている形ですから、相続人や遺言の受遺者はこれを承継するか否かを選択できます。

仮に相続をしないということであれば、「相続放棄」という手続きがあります。これは相続開始から原則3カ月以内に家庭裁判所に対して行う手続きです。

また、遺言で財産等の受取人として指定された人(=受遺者)も同じく、その立場を辞退することが可能です。

 

相続開始後、もし何もしないで過ごしている場合は、どうなるのでしょうか?
相続したことになるのでしょうか?

 

実は、相続したことになります。
本人が亡くなると、自動的に法律で定まった相続人(法定相続人)に権利が移ります。そのうえで、相続放棄や遺産分割協議をして調整するのです。何もしない場合は、単純に法定相続分で相続していると言えるのです。

口約束だけして、遺産分割協議書などの書面化していない話は、後日、ひっくり返される可能性があるのです。法定相続分を主張されてしまって。。。

2 相続人の確定

相続が開始すると、先ずは相続人を特定しなくてはいけません。

相続人の数によってそれぞれの相続人が承継する相続分の割合が異なることがあるからです。また、財産の分け方について話し合う、いわゆる遺産分割協議を行う場合は、相続人全員で行う必要があります。たとえ、少しの相続分しかない相続人がいたとしても、その人を無視して遺産分割協議は成立しません。相続人全員で行っていない遺産分割協議は無効になります。

 

相続人の確定は、戸籍で行います。

亡くなった方の出生までさかのぼって戸籍を調べます。戸籍上で相続人を探す形になります。亡くなった方が生前話していなかった前妻の子や認知した子、養子など相続人が知らなかった関係が判明することもあります。

戸籍上の相続人でも、前述の相続放棄をした相続人等は相続人ではないのでその場合は、それ以外の相続人を相続人として取り扱えばよいことになります。

 

外国籍の方の相続の場合は、外国の書類が必要になることがあります。
例えば、韓国の方が日本で亡くなると、日本の財産を相続するために手続きが必要です。日本人ではないので、当然日本の戸籍はありません。幸い韓国には日本の戸籍類似の制度があるので、領事館等で韓国の戸籍を入手して、翻訳すれば、相続人を特定できます。

また、外国の方の相続の場合は、そもそも日本の相続法を適用するのか、本国の相続法を適用するかの判断も重要です。日本の相続法では、相続人に慣れても外国の相続法では相続人にならないケースもあるからです。

 

3 相続分の確定

相続人が確定したところで、次は具体的な法定相続分の確定です。

法定相続分とは、法律で最低限保証されている親族等の相続での取得分です。生活保障の為など様々な理由で定められています。

 

相続順位 法定相続分
配偶者は常に相続人となる 第1順位 子(代襲相続人を含む※①)

配偶者1/2

子1/2

第2順位 父母などの直系尊属

配偶者2/3

父母1/3

第3順位 兄弟姉妹(代襲相続人を含む※②)

配偶者3/4

兄弟姉妹1/4

※① 子の代襲相続人は何代先でも相続人になる。
※② 兄弟姉妹の代襲相続人は亡くなった相続人の子一代に限り相続人となる。

 

しかし、上記のとおり、法定相続分通りで相続手続きを進めなければいけないわけではありません。

相続人全員の話し合い(=遺産分割協議)によって、誰が何を取得するのかは自由に決められます。例えば、相続人が妻と子だとします。この場合、夫婦でともに気づいてきた財産だからと妻にすべての遺産を承継させるように遺産分割協議をすることも可能です。この場合は、実質的には子は相続権を放棄しているような形になります。ただし、この場合でも借金などの債務が承継財産にある場合は、債権者の同意なしに自由に債務の承継先を遺産分割協議で決定しても、債権者はそれに従う義務はありません。

 

多くの相続は、このように法定相続分はあくまで目安のようなもので実際は、被相続人との関係性や被相続人への生前の貢献度などを踏まえて相続手続きを進めるケースが多いのかもしれません。

逆に、そのような相続事情を無視して、相続が開始したら法定相続分だけを主張するような相続人がいる場合は、遺産分割協議においてトラブルになりがちです。最近はインターネットなどで情報があふれているので、ひと昔前とは違い、自分の相続権である法定相続分を理解して相続手続きにのぞむ相続人の方が多くなっています。

 

名古屋で10年以上司法書士として、相続手続きに関与していますが、年々その傾向が強くなっている印象です。

まとめ

今回は、名古屋で相続を取り扱う司法書士が、相続において知っておきたいこと3選をお届けしました。

 

相続は無償での財産権の移転です。突然、何千万もの財産を手に入れることもあります。相続人としては、遺産に関心を持つことは自然なことかもしれません。しかし、その場合でも、トラブルにならない相続手続きを心掛けましょう。

 

相続でトラブルになる多くの原因は感情のもつれです。

各相続人が思い描く相続手続きがうまくいかないとき、ちょっとした気持ちのすれ違いで相手を許せなくなってしまいます。一度頭に血が上ると、相手が過去受けてきた援助の話や被相続人への言動など細かな点にまで話が発展してしまいす。

公平で円満な相続手続きをしていきたい場合は、司法書士や弁護士などの相続の専門家のアドバイスや助言を受けたり、実際に間に入って相続手続きを公平な第三者としてきちんと行ってもらうことも解決方法のひとつです。特定の相続人が自由に相続手続きを進めるわけではないので、他の相続人も相続手続きに協力してくれやすくなるのではないでしょうか。

 

ご心配の方は、早めに一度相続を取り扱う専門家へ相談をしてみることをお勧めします。

 

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