自筆証書遺言の書き方が変わる!?改正点を解説!!【名古屋のごとう司法書士事務所】

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自筆証書遺言の書き方が変わる!?改正点を解説!!【名古屋のごとう司法書士事務所】

2020/02/27

遺言制度が変わります!!

書きやすくなったぞ!自筆証書遺言!!

遺言は皆さんもご存知だと思います。

遺言とは、遺言者自身が死亡した後の財産等の承継先などの法律関係を定めるものです。契約ではないので相手方のいない単独行為です。だから、財産等の承継先に指定された人は、もらう義務まではありません。辞退できます。

 

この遺言書は、遺言者が亡くなった後に効力が発生します。そのため、効力が発生した時には、本人はいません。そこで、本人がいなくても大丈夫なように、その作成には厳格な要件を課していました。自筆証書遺言の場合は、自分一人で作成できるので特にその様式について法律で定めています。

 

今回の改正で、その要式が少し緩くなりました。

より作成しやすくなったので、その利用促進が期待されています。そして、相続紛争を防止する効果も期待されているのです。昨今は、遺産分割調停など遺産の相続において争いになるケースが増えています。権利意識の高まりから、従来の家長相続的な考えの世代と法律を杓子定規に当てはめようとする若い世代で、認識の違いが顕著な場面が増えました。

 

遺言書の作成は、それらの相続トラブルの回避に役立つ方法です。

ぜひご参考にしてみて下さい。

変更点1 財産目録は自筆でなくてよい!

従来の自筆証書遺言は、全文を自筆で書く必要がありました。

 

それが今回の改正で変更されています。

改正民法では、相続財産の目録については、自書でなくてよいことになったのです。
相続財産の特定は、いざ遺言書を書き出すと迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?実際に遺言内容で相続財産の特定があいまいで問題になることがあります。遺言書は、全文を考慮して可能な限り遺言書の意図をくみ取る方向で法的な解釈がされますが、あいまいな表現方法では不安な点はぬぐえないでしょう。

 

例えば、不動産の特定はどうでしょうか?

自宅だからといって、自分の住所を書いていませんか?
実は、土地の特定は、「所在」と「地番」で行います。


住所がそのまま土地の地番であることもありますが、例えば名古屋市内であれば、通常は住居表示が実施されているので住所と土地の地番は異なります。建物は「所在」と「家屋番号」で特定されます。

どうでしょうか?よくわからない方が多いかもしれません。

したがって、不動産であれば登記簿等を参考にして記載していたでしょう。土地であれば、「地目」や「地積」も含めて4項目を登記簿のとおりに書くのがよいでしょう。

また、預貯金であれば通帳などを見て書くといいでしょう。

 

今回の改正では、これらの財産目録は、手書きではなく、例えば、PCを使ってワードなどで作成して印刷をし、遺言書本体と合綴をすればよくなりました。また、不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)や預金通帳の写しなどを直接遺言書本体に合綴する方法も考えられます。少しでもミスを減らすように工夫して遺言書を準備するようにしましょう。

 

これにより、自筆証書遺言の作成に際して、自書すべき文章の量はかなり減らすことができます。

 

【遺言書の記載例】
「私は、財産目録1を妻○○○○に相続させる。」

 

 

変更点2 遺言書の保管を国がしてくれる!

これまでは、自筆証書遺言は、自分で作成し、どこかに自分で保管していました。

そのため、亡くなった後に発見されないこともあったのです。いくら自分で隠し通しても相続人に発見されなくては意味がありません。遺言が見つからなければ、遺言がないものとして相続人で遺産分割協議をして自由に相続財産を分配してしまいます。

 

発見された時には、既に遺産分割協議を済ませている場合もあります。その場合でも遺言書が優先されますので、先に協議した遺産分割は無効になるのです。そのため、相続人の間で紛争が起こる可能性もあり、問題になっていました。

 

今回の変更で、自筆証書遺言を法務局へ保管できる制度ができました。

 

これにより、自筆証書遺言の紛失や改ざんなどの心配も減り、安心できるのです。いざ発見されても、発見後に一部の相続人に都合がよい内容に書き換えられていたり、逆に遺言内容に都合の悪い相続人が遺言書を破るなどして処分してしまうこともあるようです。特に捨てられてしまえば、普通は証拠がないので、犯人の特定は難しいでしょう。
このようなトラブル防止にも遺言書保険制度は役立つのです。

この運用は、2020年7月10日(金)からはじまります。

変更点3 家庭裁判所の検認を不要にできる!

これは、変更点2の自筆証書遺言の保管を法務局に申請した場合の効果です。

 

通常の自筆証書遺言は、改正後も家庭裁判所の検認が必要です。ただし、遺言書の保管制度を利用して法務局に保管をしてもらっている場合は、検認の役割を法務局がしていますから、相続開始後に改めて家庭裁判所に検認をする必要がないためです。

 

この検認手続きは相続人にとっては、意外に負担になるのです。
家庭裁判所の窓口に行って、すぐにできるような手続きではありません。申立書から添付書類の準備までそれなりの手間と労力がかかります。そのため司法書士や弁護士などの専門家へ依頼をして相続放棄をする方も少なくありません。

手続き上、遺言で財産を取得しない相続人に遺言書の存在を知られる可能性もあります。受遺者だけで速やかに進めたいと考える相続人のためには、検認は面倒な手続きになります。家庭裁判所への申立ても手間や費用がかかります。

検認手続きがあるから、自筆証書遺言ではなく、公正証書遺言を選択される方もいます。亡くなった後に相続人への負担をできるだけ少なくしたいという気持ちからです。

 

したがって、この変更点もとてもありがたい点なのです。

まとめ

以上、変更になった自筆証書遺言について解説をしました。

 

自筆証書遺言は、公正証書う遺言とも違い、その手軽さや緊急時の作成のためなどによく利用されています。しかし、保管方法や改ざんの危険など、デメリットも指摘されていました。そこで、今回の改正は、その点を少しでも改善させて、さらなる遺言の利用促進を図るものです。

ひいては、相続に関する紛争防止に役立つものです。

 

名古屋のごとう司法書士事務所でも、遺言書の作成に関するご相談を随時受け付けております。作成方法や保管制度の利用など、疑問質問等がございましたらお気軽にご相談下さい。ご相談は無料で行っております。

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