土地や建物の遺産分割に期限はあるの?【相談なら名古屋のごとう司法書士事務所まで】
2020/01/30
1.遺産分割は誰がするのか?
遺産分割とは、相続人で遺産の分け方を話し合って決めることです。財産に預貯金や土地や建物といった不動産、株式や投資信託などがあると思いますが、相続人の中でもそれぞれほしいものが違います。
そこで、誰がどの財産を取得するのかを話し合う必要が生じるのです。
ただし、預貯金や現金が人気がある場合も多く、その場合は、不動産を売却して現金化して分けたりします。
では、この遺産分割は誰が参加できるのでしょうか?
相続人の配偶者や家族は参加できるのでしょうか?
また、遠方の相続人は放棄するから参加をしなくても大丈夫なのでしょうか?
実は、この遺産分割協議には、戸籍調査で判明した相続人が全員参加する必要があります。誰か一人でも欠けるとダメなのです。
遠方の相続人でも、意思能力がない相続人でも同じです。全員参加が必須の条件です。例えば、意思能力がない相続人などは成年後見制度を利用して後見人が法定代理人として遺産分割協議に参加したりします。
疎遠な親族や一度も会ったことのない人でも同じく、参加する必要があります。そもそも所在を調べるにも苦労する場合も多く、見つかったとしても、スムーズに遺産分割の話し合いが進むとも限りません。こういった場合は、相手がどのような人で、どのような環境で死活をしているのかわかりませんから、接触するときは細心の注意を払う必要があります。話の持っていき方によっては、上手くいく話もうまくいかなくなりますので、注意しましょう。
2.遺産分割協議には期限があるの?
相続開始から、いつまでに遺産分割をしなくてはいけないのか。
相続手続きには、相続税の申告期限など一定の期限を設けているものがあります。
結論としては、遺産分割協議に期限はありません。
いつ行っても大丈夫です。
ただし、時間が経過すると、相続人に相続が発生するといった2次相続が起こる可能性があります。そうなると、相続人が増える可能性があり、また、他の相続人と疎遠な相続人が増えることにもなりかねません。
また、相続書類のうち、一部の書面は、時間の経過で発行されなくなるものもあります。そうなると、別の書類等が必要となり、余分な費用や時間がかかるかもしれません。
つまり、遺産分割は、後日しようとすると、さまざまなリスクが伴うと言えます。
法的な罰則等がないので、何かペナルティを受けることは現状ありませんが、早めに相続を確定させた方が良いのは前述のとおりです。
3.生前に遺産分割はできるのか?
被相続人が生きている間に、推定相続人が話し合いをして遺産分割協議を書面でしたとします。それは後日、相続が開始した時に有効なのでしょうか?例えば、父親が亡くなる前に、奥様と子供たちで遺産分割の話し合いをして書面にしているような場合です。
結論は、生前の遺産分割協議は当然に法的に効力を有するものではありません。
基本的には効力がないと考えていいと思います。
そもそも、遺産分割をする前提となる相続人の立場は、相続が開始してはじめて生まれます。それによって遺産を共有する状態も生まれるのです。相続開始前は、遺産を処分する権利もないわけですから、上記のような遺産分割で約束をしても効力が生じるものではありません。
相続を放棄する場合も同じです。
いわゆる家庭裁判所に申し立てる「相続放棄」は、原則相続開始から3カ月以内に行います。
この制度でも生前に相続放棄することはできません。
生前に遺産の分け方を決めたいのであれば、基本的には「遺言」を活用すべきです。最近は家族信託等の利用も考えられます。また死因贈与契約といった方法もあります。これらの各種方法を使い、ご希望に沿ったの相続を検討すべきでしょう。
今回は、名古屋の司法書士が、遺産分割のご相談でよくお受けする内容として3選をお届けしました。
土地や建物などの遺産分割をはじめとする相続手続きは、意外に奥が深く単純ではありません。税金の点なども考慮して総合的にどの方法が良いのか検討する必要があるのです。組み合わせる方法によって実現できる内容も異なります。遺産分割に期限はありませんが、やはり様々なリスクを考えると早めに済ませるべきです。問題を先送りしているだけですので、ご自身の亡きあとは、その相続人となる配偶者の方やお子様方が問題を引き継いでいきます。
名古屋のごとう司法書士事務所でも、遺産分割や遺言といった相続に関するご相談を積極的にお受けしております。成年後見や任意後見といった、相続にまつわる総合的なアドバイスも可能です。また、相続でよく起こる相続不動産の売却までトータルでサポートできるのが特徴です。
何かお困りごとがございましたらお気軽にご相談下さい。