相続税が心配な方へ|名古屋で不動産を相続するときに知っておきたい基礎知識と対策
2026/02/27
1.相続税がかかるかどうかは「基礎控除」が分かれ目
まず確認すべきは、相続税の基礎控除です。
現在の基礎控除は、
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
です。
例えば、配偶者と子ども2人の場合は、
3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円
この金額を超えなければ、原則として相続税はかかりません。
名古屋市内、とくに昭和区・瑞穂区・千種区などの住宅地では、自宅不動産だけで4,000万円を超える評価になることも珍しくありません。そのため、「預金はそれほどないが、自宅評価が高くて基礎控除を超える」というケースが増えています。
ただし、ここで重要なのは「評価額は実勢価格とは異なる」という点です。
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土地は路線価評価
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建物は固定資産税評価額
を基準に計算します。
相続税評価は専門的な判断を要するため、正確な把握には慎重な検討が必要です。
※税制は改正が行われることがあるため、最新の制度確認が必要です。
2.名古屋の不動産と相続税|評価が上がる地域・下がる地域
近年の名古屋市内では、駅近エリアや再開発地域で地価の上昇が見られます。一方で、郊外やバス便中心の地域では価格の伸びが限定的な場合もあります。
しかし、今後の日本全体の人口動態を考えると、注意すべき点があります。
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若年人口の減少
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団塊世代の相続発生増加
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空き家の急増
これにより、不動産の供給は今後さらに増える可能性があります。
特に名古屋市周辺部では、「売りたくても買い手が限られる」という状況が生じることも考えられます。
ここで問題になるのが、
「相続税は評価額で計算されるが、実際に売れる価格は市場次第」
という点です。
例えば、天白区にご実家をお持ちだったC様のケースでは、相続税評価は基礎控除を超えていました。しかし、実際の売却価格は想定より伸びず、納税資金の確保に苦労されました。
不動産は「価格がついている=すぐ現金化できる」資産ではありません。
相続税が発生する可能性がある場合は、
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納税資金をどう確保するか
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売却するならいつがよいか
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共有にするリスクはないか
といった視点で、早めの検討が必要です。
3.相続税対策は“節税”よりも“整理”が重要
相続税というと「節税対策」に目が向きがちですが、実務上もっと重要なのは、財産の全体像を正確に把握することです。
具体的には、
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不動産の名義確認
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抵当権の有無
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共有関係の整理
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生前贈与の有無
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借入金の状況
などを丁寧に確認します。
また、自宅については「小規模宅地等の特例」により評価を大幅に減額できる可能性があります。ただし、同居要件や保有継続要件など細かな条件があり、形式的な判断では適用できないこともあります。
さらに、令和6年からは相続登記の義務化も始まりました。
相続税の申告期限は10か月、相続登記の期限は3年と、それぞれ別に進みます。
相続税対策と登記対策、そして将来の売却戦略は、本来一体で考えるべき問題です。
司法書士であり宅地建物取引士でもある立場から申し上げると、
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登記だけ
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税務だけ
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売却だけ
を個別に考えると、全体最適にならないことが少なくありません。
特に名古屋のようにエリアごとの価格差が大きい地域では、不動産の将来価値を見据えた判断が重要です。