名古屋の不動産相続と相続登記――「とりあえずそのまま」が将来の負担にならないために

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名古屋の不動産相続と相続登記――「とりあえずそのまま」が将来の負担にならないために

2026/01/27

まずはじめに

相続が発生した直後は、葬儀や各種手続きに追われ、不動産のことまで気が回らない方がほとんどです。
特に名古屋では、「親が住んでいた家だから、急いで何かしなくても大丈夫」「兄弟でそのうち話し合えばいい」と考え、相続登記を後回しにしてしまうケースが少なくありません。

しかし近年、相続登記を放置すること自体が、大きなリスクになる時代に変わっています。この記事では、名古屋の不動産事情を踏まえながら、相続登記の基本と、不動産を「負動産」にしないための考え方を、司法書士兼宅地建物取引士の視点でわかりやすくお伝えします。

1.相続登記は「いつか」ではなく「今」考える時代

― 名古屋でも増える“名義未整理”不動産 ―

2024年4月から相続登記は義務化され、正当な理由なく放置すると過料の対象となる可能性があります。
制度の話だけを聞くと「罰則があるからやらなければならない」と感じがちですが、本質はそこではありません。

名古屋市内でも、

  • 相続人が増えて話し合いができなくなった

  • いざ売却しようとしたら名義が祖父のままだった

  • 空き家の管理責任を巡って親族間で揉めた

といった相談が、ここ数年で明らかに増えています。
相続登記をしないまま時間が経つと、相続人の相続がさらに発生し、権利関係が雪だるま式に複雑になります。結果として、「売ることも貸すこともできない不動産」になってしまうのです。

2.名古屋の不動産は「持ち続ける前提」で考えない

― 人口動態と空き家増加を踏まえた現実的な判断 ―

名古屋は中部地方の中核都市であり、不動産市場も比較的安定していると言われます。ただし、それはすべてのエリアに当てはまる話ではありません。

今後は、

  • 団塊世代の相続発生による空き家の急増

  • 若年層人口の減少による住宅需要の低下

  • 投資用物件と実需用住宅の価格差の拡大

といった構造的な変化が進んでいきます。
特に郊外エリアや築年数の古い戸建ては、「相続した時点が一番高く売れるタイミングだった」というケースも珍しくありません。

実際に、

「思い出があるから残したい」と相続登記だけ済ませ、5年後に売却を検討したところ、解体費用の方が高くついてしまった

というご相談もあります。
相続登記はゴールではなく、不動産をどう活かすか、あるいは手放すかを考えるスタート地点だといえるでしょう。

3.相続登記と売却を一体で考える専門家の視点

― 登記・税務・取引を分断しないことの安心感 ―

相続不動産の問題は、「登記だけ」「売却だけ」と切り分けて考えると、かえって遠回りになることがあります。

例えば、

  • 遺産分割の内容によって登記の方法が変わる

  • 売却を前提にすると、誰が取得するかで税負担が変わる

  • 名義整理が不十分だと、買主側の金融機関が融資を出さない

といった点は、登記・法律・不動産取引を横断的に理解していないと判断できません。

司法書士であり、かつ宅地建物取引士として不動産実務に携わっている立場からすると、
「相続登記だけ終わっていれば安心」という考え方こそが、後々のトラブルの原因になると感じています。

名古屋の不動産はエリア差が大きいため、画一的な答えはありません。だからこそ、相続人ごとの事情や将来設計を踏まえた“オーダーメイドの判断”が重要になります。

まとめ

相続登記は、単なる義務や形式的な手続きではありません。
それは、不動産という資産を「次の世代にどう引き継ぐか」「今後の負担をどう減らすか」を考えるための、大切な節目です。

名古屋という地域特性、今後の人口動態、不動産市場の現実を踏まえると、
「とりあえずそのままにしておく」選択肢は、以前よりもずっとリスクが高くなっています。

相続・登記・不動産・売却――これらを切り離さず、落ち着いて整理することが、結果としてご家族の安心につながります。
相続が発生したとき、あるいは「そろそろ考えないと」と感じたときが、実は一番良い相談のタイミングなのかもしれません。

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