相続の相談ベスト3とは【名古屋のごとう司法書士事務所】
2020/05/27
相続でよくあるご相談事例を厳選してベスト3をご紹介します。
ご相続の相談には、いろいろな内容があります。
相続手続きで必要となる戸籍の集め方から、紛争性のありそうな遺産分割に関することなど内容はバラバラです。
今回は、その中でも当事務所でお受けした相続の相談内容の中から、ベスト3をご紹介します。
実は、司法書士は弁護士さんや税理士さんとも違い、法律と手続きが専門ですから、一般的な相続では一番身近な存在だと思います。紛争性があるものは弁護士へ、相続税は税理士へそれぞれ依頼をすると思いますが、これらの事案は相続全体の割合からするとそれほど多くありません。相続税に関しては、税理士報酬と相続税の手間や節税額等を天秤にかけて、自分でやってしまう相続人の方も最近はかなり増えています。相続税の申告は、国への納税手続きですので、これ自体でトラブルになることは少なく、むしろ難しそうなイメージからくる敬遠が多いとよく聞きます。税務署の対応も最近はよくなりましたので、お時間が許す方は、税務署へ相続税の相談をして自分で申告にトライしてみるのもよいかもしれません。
一方、難しい相続手続きの代行、やり方や進め方がわからない遺産分割協議の進行など、一般的な相続手続きに関して円滑に相続手続きを行うことに主眼を置いているのが司法書士といえます。相続人の方の調整役となり、相続における潤滑油として機能します。不動産の相続登記など各種相続手続きの前提となる書類の作成、とりわけ相続人の間での遺産分割協議の調整や遺産分割協議書の作成など、透明性のある相続手続きをすることで、すべての相続人の方が相続手続きに協力しやすい環境を作ることができます。
お仕事をされている方が、相続手続きを行うのは結構大変です。役所等は平日の昼間しか開いていないこともあります。時間をかけられないお忙しい方は、最初から専門家へ相談をした方がよいかもしれません。
では、早速、名古屋の司法書士事務所での実際の相続相談の中から厳選された3つを一緒に見ていきましょう。
みなさまのご相続の参考にしてみて下さい。
第3位 葬儀費用や立替金の精算
亡くなった被相続人の方の最後の入院費用の支払いや、生前におむつや身の回りのものを買った代金、相続開始後の葬儀費用など、一般的には本人のために代わりに支払ったとされるものを、相続の中で精算できるのかという相談は意外に多いです。
きちんと精算がしたいと考えているケースもあれば、法律や相続の実務で行っている方法を知りたいなど、相続においてこの精算が必須の場合となるものもあれば、精算できるとありがたいと考える程度の場合もあります。それぞれの家族や相続の事情によりその辺りは異なります。
実際の相続の場面では、遺産分割協議の際に話し合われます。生前の入院費用や生活用品など明らかに被相続人が本来負担すべきものは遺産からの精算となることが多いです。しかし、この辺りは金額の大小や程度により精算を控える相続人の方もおられます。わざわざ精算をするほどのことではないと言われます。
一方、葬儀費用はまとまった金額になることが多いので、精算を希望される相続人が多いと思います。法的な葬儀費用の負担者に関しては、いろいろな考え方があり、法律で一律決まっていません。被相続人の財産から精算する考え方、喪主が負担する考え方、相続人全員が負担する考え方などがあります。
しかし、相続の実務では、被相続人の財産から精算をして、残りの財産について相続人で分配を協議することが多いです。被相続人の生前の状況からすると、適切な規模や予算で葬儀が行われているものであれば、相続人でこの点について争いになることは少ない気がします。この点、相続人以外の知人などが喪主をして葬儀を行うと、問題が難しくなる傾向があります。
第2位 相続手続きの必要書類の確認
相続手続きをするには、書類が必要です。相続が開始されると、最初にとりかかるのがこの書類集めです。
例えば、被相続人の死亡、相続人の特定などのためには、除籍や戸籍が必要です。いろいろなところで相続には戸籍が必要だという情報を入手して、集めるのですが、途中でどの戸籍が必要がわからなくなってきます。そして、調べるとどうも戸籍以外の書類も必要だと気がづきます。なんだか面倒だな・・・。
このようにして、もれなく必要書類を集めるために相続の専門家に相談をされます。
相続では書類集めが煩わしく、大変です。
また、戸籍を読み解いて相続人を特定しなくてはいけません。相続人が正確にわからなければ、相続人全員で行う遺産分割協議もできません。相続財産の分配について話し合いをすることができなくなります。相続人を忘れていたら、せっかく一度成立した遺産分割協議も無効になります。
戸籍などの必要書類の収集は、最初に行うものですが、とても重要な位置づけになります。
戸籍上で血のつながりなどをたどって、相続人をしっかり特定するようにしましょう。
一見すると簡単な作業に見えて、実はやりだすと結構大変。これが相続の書類集めの特徴です。
特に戸籍は読むコツが必要です。司法書士でも読むことが難しい字や数字があります。そのような時に私たち司法書士は、ある程度推測を働かせて読むこともあるのです。前後の文章や他で似たような部分がないかなど、経験を働かせていると大体読めるものです。しかし、普段から読み慣れていない人が読んでもチンプンカンプンになってしまうのです。
第1位 法定相続分の確認
ここ数年、このような自分の法定相続分や相続の権利を確認される方が増えています。
インターネット等で相続に関する基礎的な情報は簡単に調べることができます。しかし、いざ自分で調べた情報が、本当に間違いないのか確認したくなります。ひと昔前は、相続は家長・長男がするもので、他の相続人は少し分けてもらう程度のことも多かったと思います。特にそういった風潮に疑問を感じない相続人の方が多かったのではないでしょうか。今でもそういったご相続はあります。
しかし、近年は、権利意識の高まり等もあり、また、現代は、長男が必ずしも家を継ぐわけではないケースも多いので、上記の慣習・風潮が薄れています。そこで相続財産を分配をするにあたり、何かよりどころを探すことになり、民法の法定相続分にたどり着くのです。
しかしながら、さすがに相続の判断をインターネットなどの情報だけでするのは不安な方が多いのではないでしょうか。特にネットは情報源などをよく確かめないと古い情報や間違った情報も中にはありますが、そのような情報の選別をするにはやはり専門的な知識が必要になってしまいます。そこで、一度専門家に念のため聞いてみたいという気持ちになるのだと思います。
このような経緯もありますので、遺産分割をする際は、相続に関しては全員がある程度の基礎知識を持っている前提で話をする方が良いでしょう。自分だけぬけがけをするような提案をすれば、たちまちバレてしまい、不信感を招きます。
遺産分割の段階で、相続人の間に相続に関する知識や情報に格差がある場合は、司法書士などの専門家に手続きを依頼してこの格差を解消してもらい、安心して相続手続きに協力できる体制を作ることも有用です。一度起こった疑心暗鬼の状態はなかなか元に戻りません。
トラブルのない円満な相続を実践しましょう。
最後に
以上、名古屋の司法書士が、相続の相談ベスト3をご紹介しました。
相続は、相談が多方面にわたることもあり、この3つだけではありません。
実際は、生前に特に親の介護で苦労したからそれを相続分に反映できないかなど、いろいろなことを相談されます。しかし、今回ご紹介した3つは、どの相続の相談でも聞かれる内容です。やはり、みなさん考えていることは同じなのでしょう。
中にはトラブルになりそうな相談もあります。
相続はみんな同じようで、検討しだすと個別性があることに気がつきます。家族の事情も違えば、相続人の事情も違います。それぞれに合った相続の形を見つけて、円満な相続手続きを目指しましょう。
もし、紛争となり、裁判になれば、誰も得しません。時間と費用がかかってしまいます。
相続人全員が負担を強いることになります。また、もし裁判をしない場合、遺産分割が進まず相続手続きができませんから、ずっと放置することにもつながります。相続財産に不動産である場合、今、空き家や空き地の問題が社会問題になっていますので注意しましょう。問題がどんどん大きくなる前に早めに手を打つとよいでしょう。