相続開始後、初めて相続登記をする方へ【名古屋のごとう司法書士事務所】
2020/04/11
相続登記のコツ教えます。
相続登記にはコツがあります。
相続開始後に、相続登記の必要性にたどり着くまでに少し時間がかかったのではないでしょうか。
一般的に、不動産の相続登記が必要なことをご存知の方は少ないと思います。しかし、この相続登記はとても重要で大切な手続きなのです。
相続がはじまると、いろいろとやることが押し寄せてきます。その中で不動産の相続登記は後回しになりがちです。そのうちに面倒になり、相続登記をしないまま過ごしてしまうことがあります。それによって、予定していた相続登記ができなくなったり、思い撮りの売却できなくなったりと問題が起こることがあるのです。
ここでは、名古屋の司法書士が相続がはじまったら気をつけたい又は知っておきたい相続登記についてお話します。
まずは、相続登記に関する知識を増やしていきましょう。
1 まずは誰が不動産を相続する権利があるのかを確認しましょう
相続がはじまるといよいよ相続手続きの開始です。
最初にすべきは、誰が遺産である不動産を取得する権利を持っているのかを確認することです。無関係の人と相続財産である不動産について遺産分割協議などの話をしても、あとから遺産分割協議をやり直しになります。遺産分割協議は相続人など相続権を持っている人全員との協議が必要です。
相続人が既に亡くなっている場合は、その代わりに相続人になる代襲相続人を検討します。亡くなったのが子の場合は、その子が何代にわたっても相続人になっていきます。しかし、亡くなった相続人が兄弟姉妹の場合、その子1代までが相続人になり、それ以降の子である直系卑属は相続人になりません。
また、養子縁組で子となった者が本人より先に死亡して、その子が代襲相続する場合は、注意が必要です。
このような養子縁組前の子は、代襲相続できません。つまり、相続人にはなれないのです。
あまりないケースかもしれませんが、注意しましょう。
また、相続がはじまって、遺産分割協議をしないうちに相続人が亡くなった場合、その相続人について通常のとおり相続人が代わりに遺産分割協議に参加します。この場合は、数次相続とも呼ばれ、2つの相続が起こった状態です。奥様や子が相続人になることも多く、相続人の人数が増えるため話し合いが難航する場合もあるので、注意が必要です。
このように相続人が亡くなっっている場合、被相続人より先に亡くなったか後に亡くなったかで全く結論が異なります。一つ一つ順番に整理して、相続人を間違えないようにしましょう。
2 相続登記をすべき人は不動産を取得した相続人等です
相続が開始後、遺産分割今日で話し合いをして不動産を取得する相続人等が決まった場合、または、法定相続分等で相続をする場合など、相続すべき人が決まった次は、いよいよ対象不動産に対する相続登記をして登記名義を被相続人から権利を取得した人への変更をするのです。
相続登記を具体的に登記申請する相続人等は、その権利を取得した者です。不動産を取得しなかった相続人等は登記申請には関与しません。ただし、遺産分割協議で不動産を取得する相続人等を決定した場合などの時は、権利を取得しなかった他の相続人等は遺産分割協議書に実印の押印と印鑑証明書の提出をする形での関与は必要です。
相続をした人は、自分で相続登記をするか司法書士へ依頼をして専門家に任せるなどをして登記名義を変更する日写用があります。不動産の場所を管轄する法務局に対して、添付書類を整え、登記申請書を準備して提出します。その際、登録免許税も自分で計算をして申請時に収入印紙で納める必要があります。
このように相続登記には、事前準備が必要です。
きちんと整えて間違えないようにしましょう。
3 遺産分割協議が整わない場合はどうするか?
相続が開始して、相続人での話し合いがうまくまとまらない場合どうなるのでしょうか?
遺産分割協議の結論を求めるのであれば、遺産分割調停を申し立てて裁判上での解決を図るのです。裁判をすれば、相続人は全員裁判の当事者となり、時間をかけて解決を図ります。場合によっては、弁護士などの代理人を頼む費用もかかるでしょう。
時間とお金をかけて裁判で問題解決を目指す方法です。
相続問題において一番の天敵は感情的なトラブルです。
裁判に至る相続事例を分析すると、必ずしも高額の遺産に関する遺産分割だけが裁判になっているわけではないのです。むしろ、相続財産が1000万円前後のトラブルもよくあります。
ここで申し上げたいのは、相続では感情的なもつれが一番トラブルになるということです。この感情的なもつれは、最初は些細なことかもしれません。そっちがそんなことを言うならこっちもといった言い合いに発展するケースがあるのです。
生前に親から受けた大学資金や結婚資金、家を買うときの援助金など様々な形で兄弟姉妹に援助を行っている場合、兄弟姉妹間では、内心不公平に感じていることがあります。それが親が亡くなった相続の場面で一気に噴き出すことがあるのです。
また、生前の親への介護や生活援助など、自分の時間やお金を使った兄弟姉妹が、相続後に何もしなかった他の相続人と同じ割合の法定相続分で相続するのはおかしいと感じることもあります。その点はごもっともかもしれません。介護などでは、義理の親のためには相続人の配偶者がサポートしていることもあります。この点は、民法改正により、寄与分としてその分を遺産から取得できるケースもありますので、確認しておきましょう。
4 相続登記をしないとどうなる?
相続開始後、相続登記をしない場合、通常の場合は現行法では罰則等のペナルティはありません。ただし、所有者不明斗日に関する問題として、不動産を管轄する法務局が、長期間相続登記を放置している不動産に対しては、職権で相続登記を行う措置がはじまっています。
不動産は国の財産でもあるため、その有効活用が望まれます。行政もその動きのひとつとして、空き家対策法も施行しています。事実上固定資産税の増加など税金の面からも相続登記を促しています。
不動産は、空き家にすれば、上記の問題以外にも近隣トラブルの懸念もあります。空き家であれば屋根や壁の損壊、建物倒壊により、隣地や通行人に損害を与えることがあれば、損害賠償請求を受けることが考えられます。相続不動産が放置されることにより雑草が生い茂り、害虫の発生、犬や猫などがたまるようになり、衛生上も問題です。また、産業廃棄物やリサイクルの必要のある家電製品などの不法投棄も考えられます。
こういった不安を相続人である自分の代で解決しない場合、次の代である子や配偶者等にこの問題を背負わせることになるのです。問題が大きくなれば、その分解決するためのお金もかかります。相続登記は、その相続人が自分の代できちんと解決すべき問題と言えるでしょう。
まとめ
以上、名古屋の司法書士が相続登記で知っておきたいことをご紹介しました。
相続問題は、簡単なようで難しい問題です。少しの手違いでトラブルに発展します。不動産等の相続財産が絡みますので、相続人としては慎重に自分の権利行使を検討するでしょう。しばらく会っていない相続人や交流があまりない相続人と遺産分割協議をする場合は、慎重には話を進めた方がよいと思います。
円満で公平な遺産分割や相続登記の手続きを進めたいと考えるのであれば、司法書士や弁護士などの相続を取り扱う専門家のアドバイスも参考になります。相続実務の話は自身のご相続にきっと役立つでしょう。
相続手続きに第三者の相続の専門家が入ることで、法律に沿った公平で円滑な相続手続きを実現することが可能です。そうなると相続人も全員協力しやすいのではないでしょうか。誰か一部の相続人が自分のいいように相続手続きを進めると勘違いされる恐れもなくなります。
ご参考にしてみて下さい。