障害者の方が相続をする場合の注意点【名古屋のごとう司法書士事務所】

お問い合わせはこちら

ブログ

障害者の方が相続をする場合の注意点【名古屋のごとう司法書士事務所】

2020/03/17

障害を持ったお子様が相続人になる場合は、何に気をつけるべきか?

知的、精神的な障害をお持ちの方が相続人になる場合は、相続の場面では何に気つけるべきでしょうか?

通常の相続は何が違ってくるのでしょうか?

 

高齢のご両親が残された障害をお持ちのお子様を心配して悩むケースが増えています。

残されるお子様が困らいようにどうすべきかを確認しておきましょう。

 

以下、障害の程度に応じて何を検討していけばよいのかご説明いたします。

1 障がい者の方の判断能力に問題がない場合

障害者であっても、判断能力・意思能力がある場合には、分別がわかる状態ですからその場合は、通常の相続のように検討していきます。

 

具体的には、まず相続するか否かの判断です。

相続財産には、不動産や預金などのプラスの財産以外にも、借金などの債務であるマイナスの財産もあります。相続財産がトータルでプラスになるようであれば、いわゆる単純承認をして相続すればよいでしょう。単純承認とは、普通に相続することを難しく言っているだけです。ようは相続するということです。

この単純承認をするには、特別な手続きはいりません。後述する「相続放棄」等をしない限り、自動的に単純承認、すなわち相続したことになります。

 

一方、相続開始時にマイナスの財産の方が多く、このまま相続すると大変なことになります。一般的には、債務を相続財産では払えないようなケースでは、相続放棄を検討すべきでしょう。そのまま相続すると、自分の財産から相続した借金を払うことになるかもしれません。

この場合は、相続開始を知った時から3カ月以内に家庭裁判所で相続放棄の手続きをする必要があります。障害を持った方ですと、誰かのサポートが必要になるかもしれないので、信頼できる司法書士や弁護士などの専門家を予め準備していおいた方が良いかもしれません。この熟慮期間である3カ月は、葬儀などでバタバタしているとあっという間に過ぎてしまいます。

2 障がい者の方の判断能力に不安がある場合

障碍者の方に判断能力や意思能力に心配がある場合は、きちんと考えておく必要があります。

特に、相続時にマイナスの財産が多い場合は、相続放棄の手続きをしなくてはいけません。しかし、障害を持っているため、相続が開始したことや相続放棄をする意味などをよく理解できない状況もあり得ます。

 

相続開始から3カ月以内とされていますが、果たしてどうすればよいのでしょうか?

 

この場合は、成年後見制度を利用すべきでしょう。

ご本人様の状態により、後見、保佐、補助の3類型(ご本人様の能力の状況に応じて分類されます)のどれかに該当する場合、後見制度が利用できます。通常は、障害をお持ちであれば、どれかには該当することが多いのではないでしょうか。成年後見開始の申立てを家庭裁判所にすると、成年後見等が選任されます。そして、その成年後見人等が本人に代わって、相続放棄や相続手続きをするのです。

 

もしこの後見制度を利用した場合、通常、相続開始から3カ月は経過することが多いでしょう。

しかし、この場合は、選任された成年後見人等が相続開始を知った時から3カ月以内に相続放棄をする形になります。ですから問題ありません。一方、もしこの期間を経過すれば、単純承認になり、債権者は、債務の支払いを成年後見人に対して行います。

まとめ

以上、障害者の方の相続に関して注意点を解説しました。

 

成年後見制度の利用がポイントですが、いずれにしてもサポートをする方が必要です。実際の身の回りのお世話等をする方だけでなく、財産管理や法律的なサポートも大切になります。ご本人様の大切な財産を守る必要があるからです。

まずは、司法書士や弁護士などの専門家に気軽に相談できる体制を整えて、成年後見制度を利用すべきかを柔軟に考えればよいでしょう。必ずしもすべてのケースにおいて、実は成年後見制度がベストな解決手段になるとは限りません。生前贈与、遺言書作成、民事信託契約の利用などできることはたくさんあります。視野を広げて残された方の生活を考えましょう。

 

また、相続放棄はしなくてもよいケースであっても、不動産の相続登記や相続後の不動産の活用、その他預金等の相続手続きなど単純承認後の相続に関してもサポートがあった方が安心できるでしょう。

 

きっと何か良い解決策があるはずです。あきらめずに一緒に考えていきましょう。

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。