相続の関係者に外国の方がいる場合の各種調査とは【名古屋のごとう司法書士事務所】
2020/02/18
1 被相続人が外国籍の方の場合
この場合は、まずどの国の相続法が適用されるかを調査します。
ここは大切なポイントです。
誰がどのように相続できるのかを定める法律を知らなくては、相続手続きをすることはできません。
例えば、韓国籍の方であれば、相続に関しては韓国の相続法が適用されます。ただし、日本にいて帰化申請をし、日本国籍を取得された方は別です。日本人になっていますから、日本の相続法が適用されます。通常の民法を用いて相続人の特定や法定相続分等を検討すればよいのです。
日本では、戸籍制度や住民登録制度がしっかりありますので、ある意味国が個人を管理し、各種証明書の取得も可能です。しかし、世界的は、そのような国は珍しく、諸外国では、むしろ日本のような証明書の取得ができないことが多いのです。その代わりとなる書面を揃える必要があるのです。外国の公証役場や領事館等を利用して、相続に関する必要な証明書を取得する必要があります。
2 相続人が外国籍の方の場合
相続人が外国籍の場合は、被相続人ではないので、日本の民法を使えばよいです。
ただし、相続人に必要な印鑑証明書や住民票等が取得できない場合が多いと思います。外国在住で、相続財産は放棄する場合の遺産分割協議書には、実印が必要です。諸外国に通常印鑑制度はないでしょうから、署名・サインの証明をしてもらう必要があります。
こちらも、公証役場や領事館等でやってもらいます。アメリカなどの広い国土の国では、領事館に行くにも飛行機に乗っていかなくてはいけないこともあり、公証役場の利用を検討すべきこともあるでしょう。
まとめ
名古屋の司法書士が解説しましたが、いかがでしたか?
外国籍の方の相続は、複雑で面倒な手続きになっています。
日本人だけの相続でも面倒な手続きなのにさらに難しくなります。最初の調査でつまづく人も多いのではないでしょうか?でも最初に間違うとそのあとのこともすべて間違ってしまうので、最初にしっかりと相続の調査をして進めることはとても大切です。
被相続人が外国籍の方の場合で、相続に関して適用される法律が本国である外国であれば、外国の相続法の解釈が必要になるのです。ここまでくると、さすがに一般の方だけでは手続きを進めることは困難になると思われます。相続登記等の相続の専門家へ相談した方がよいでしょう。
また、今回は触れませんでしたが、日本人が外国に財産を持っている場合も厄介です。
昨今は、節税対策などもあり、外国に不動産を所有している方も多くお見えです。この点はまた別の機会で解説したいと思います。