在日韓国人・特別永住者の方の不動産の相続手続き【名古屋のごとう司法書士事務所】
2019/12/13
何が違う!?在日韓国人の方や特別永住者の方の不動産の相続登記!!
日本国籍を持った方の相続手続きは、いろいろなところに情報がありますが、外国籍の方の相続手続きについては、情報が集めにくいかもしれません。
日本でも外国籍の方を多く受け入れてきていますので、近い将来、相続時に手続きで悩む場面が増えそうです。
韓国籍の事を子供や家族にもほとんど話していないケースもあるようです。途中で日本に帰化した場合でも、過去の韓国籍時代の話を親族等に伝えていないために、相続開始後、韓国の戸籍等を取得するのに苦労するケースもあります。亡くなるタイミングは誰にも分りませんから、仕方ないケースもあろうかと思います。
今回は、名古屋の司法書士が外国籍の中でも、韓国国籍をお持ちの方の相続を取り上げます。
在日韓国人の方や特別永住者の方のご相続について、ぜひご参考にしてみて下さい。
1.途中で帰化した場合(日本国籍を取得した後に亡くなる場合)
この場合は、日本国籍を取得していますから、通常の日本人と同じような相続手続きになります。
ただし、集める戸籍等の書類は異なります。日本国籍を取得しないと戸籍に入ることができません。つまり、日本国籍取得後は、他の日本人と同じように戸籍を亡くなるまで追う形ですが、韓国国籍時代のものは、韓国での戸籍制度に沿った証明書が必要になります。
韓国では平成20年1月から、戸籍制度が変わりました。
それ以前は、日本と同じような戸籍制度を利用していました。したがって、戸籍謄本の形式が日本と似ており、文字がハングル文字になっているだけでした。家族単位で情報をまとめていた形です。
制度変更により、個人単位で情報をまとめる形になりました。「家族関係登録制度」になりました。
それにより、取得できる証明書は次の5種類です。
①家族関係証明書
②基本証明書
③婚姻関係証明書
④入養関係証明書
⑤親養子入養関係証明書
個別的に細分化されており、必要な情報の証明書を取得する形になっています。従前の戸籍制度では、これらがすべて戸籍謄本に記載されていました。
なお、これら韓国の領事館等で発行される各証明書は、当然母国語であるハングル文字で書かれています。これを日本の相続手続きで使用する場合、訳文をつける必要があります。不動産の相続手続きにおいても訳文の添付が必須になっています。
2.韓国国籍で亡くなる場合
この場合は、日本ではなく、韓国の相続法が適用されるのでご注意下さい。
日本と似た法律になっていますが、微妙に違いもありますので必ず確認をしましょう。
日本の不動産を取得している場合、韓国の相続法に沿って相続人の特定等を行い、相続登記の手続きをしていきます。
また、集める書類が日本の戸籍ではなく、韓国の証明書類になります。前述のとおりすべて訳文が必要です。家族関係登録制度のものや戸籍時代のものも含めて取得が必要となり、かなり複雑で面倒な手続きになります。
相続手続きに時間を要することになるので、早めに着手して進めた方が良いでしょう。
場合によっては、法務省から外国人登録原票を取り寄せる必要がある場合もあります。こちらの取得にもある程度の時間がかかります。
韓国の戸籍を取得するためには、「登録基準地」の情報が必要です。登録基準地とは、日本の戸籍の本籍地のようなものです。韓国戸籍の交付請求をする際には、登録基準地の記載が必須です。前述の外国人登録原票でもいいですし、被相続人が残したメモ、親戚などの親族からの情報提供など何でも構いません。登録基準地に関する情報を集めて下さい。
遺言についても、自筆証書遺言や公正証書遺言以外に日本にはない「録音」や「録画」といった方法の遺言も認められています。このように個々の部分では違いがありますので、必ず大韓民国の相続法である民法をチェックしなくてはいけないのです。
最後に
以上、今回は、名古屋の司法書士が相続手続きでも韓国国籍の方についてご紹介しました。
日本には多くの在日韓国人の方や特別永住者の方がお見えです。日本人と変わらずに一緒に生活をしている方がほとんどだと思います。しかし、いざ相続の場面になると、そもそもどこの法律を適用するかが違ったり、集める書類や相続方法が違ってきます。
名古屋にある当事務所でも名古屋市に限らず、愛知県、三重県、岐阜県など全国の不動産の相続登記に対応しており、韓国など外国籍の方のご相続手続きを承っております。ご相談は無料ですので、お困りの際はぜひ一度ご相談下さい。
司法書士には守秘義務があります。みだりに相談内容等を口外することはありません。ご両親やご自身の国籍を伏せて生活をされている方が多くお見えなのも承知しています。当事務所でもそのような事情の方の相続手続きを多数お受けしております。ご安心下さい。
それでも「韓国籍の方の相続」が不安な方は
いかがでしょうか。
通常の相続手続きでも面倒で厄介なものですが、外国籍の方の相続となると、さらに難易度が上がります。
必要な情報にたどり着くだけで疲れてしまいそうです。
また、間違った判断でトラブルになってしまうこともあります。
相続問題は、相続財産の分配という誰にとっても重要な決定が行われる手続きです。
相続人同士でちょっとしたきっかけでケンカになることもあるようです。
お金の絡む話し合いですから、仕方のないことなのかもしれません。
しかし、少しでもトラブルにならないように、また、わからないことがあればぜひ相続の専門家を活用してみて下さい。
名古屋のごとう司法書士事務所でも、相続に積極的に取り組んでいる司法書士が皆様に寄り添って一緒に解決のお手伝いをさせていただきます。
些細なことでもわからないことがあれば、お気軽にご相談下さい。
お待ちしております。