外国籍の被相続人が亡くなった場合の相続登記|名古屋の不動産はどう手続きするのか(韓国籍のケースも解説)
2026/03/04
まずはじめに
名古屋に不動産をお持ちのご家族の中には、被相続人が外国籍であったというケースも少なくありません。特に名古屋市では、在日韓国人の方が長く地域に根差して生活されてきた歴史もあり、相続の場面で「被相続人が韓国籍だった」という相談は実務上よく見られます。
しかし、外国籍の方が亡くなった場合の相続は、日本人同士の相続とは少し仕組みが異なります。
どの国の法律が適用されるのか、どのような書類を集める必要があるのか、不動産を売却する場合はどうすればよいのかなど、判断が難しい点も多いものです。
この記事では、外国籍の被相続人が亡くなった場合の相続登記の基本と、名古屋の不動産を相続した場合の実務上のポイントについて、司法書士・宅地建物取引士の立場からわかりやすく解説します。
1 外国籍の被相続人が死亡した場合の相続は「どこの国の法律」が適用されるのか
―相続の準拠法(どの国の法律を使うか)
外国籍の方が亡くなった場合、まず問題になるのが相続にどの国の法律が適用されるかです。
日本では、相続の準拠法は被相続人の本国法によるとされています。
つまり、被相続人が韓国籍であれば、原則として韓国の相続法が適用されます。
この考え方は、日本の国際私法(法の適用に関する通則法)によるものであり、実務上もこのルールに従って相続関係を判断します。
ただし、不動産が日本にある場合は、
・日本の登記制度
・日本の不動産取引実務
に従って手続きを進める必要があります。
つまり実務では
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相続関係 → 外国法(例:韓国民法)
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登記手続 → 日本法
という二つの法律体系が関係する複雑な手続きになります。
外国法の内容については専門家による確認が必要になる場合もあり、実務では外国法の調査資料を添付するケースもあります。
2 在日韓国人の相続でよくある実務上のポイント
―戸籍ではなく「家族関係登録簿」などの書類収集
日本人の相続では「戸籍」を集めますが、韓国籍の方の場合は次のような書類を取得する必要があります。
主なものとしては
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家族関係証明書
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基本証明書
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婚姻関係証明書
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除籍証明書
などがあります。
これらは韓国の家族関係登録制度に基づく書類で、日本の戸籍に近い役割を持っています。
実務では
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韓国領事館
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韓国の役所
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代理取得
などで取得することになります。
また、在日韓国人の方の中には
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特別永住者
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帰化予定者
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日韓両国に親族がいる
といったケースも多く、相続人調査が複雑になることもあります。
在日韓国人の相続については、戦後の歴史的背景や国籍制度の影響を受けることもあり、実務上も独特の注意点があります。
近年は、日本で長く生活されている方の中で日本への帰化申請を行う方も増加傾向にあり、相続の場面で「途中で国籍が変わっている」というケースも見られます。
3 名古屋の不動産を相続した場合の登記と売却
―今後の不動産市場を考えた判断も重要
名古屋の不動産を相続した場合、相続登記を行った後に
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不動産を保有する
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売却する
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共有を解消する
などの選択をすることになります。
2024年から相続登記が義務化されたため、相続登記は3年以内に行う必要があります。
また、名古屋の不動産市場を見ると
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団塊世代の高齢化による相続増加
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空き家の増加
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若年人口の減少
などの影響で、エリアによっては今後価格維持が難しくなる可能性も指摘されています。
特に
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郊外住宅地
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古い戸建住宅
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利用予定のない実家
などは、早めに売却を検討する方も増えています。
一方で、名古屋市中心部や駅近エリアでは、投資用物件としての需要もあり、
実需価格と投資価格が分かれる傾向も見られます。
外国籍の相続人の場合
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海外在住
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日本に戻る予定がない
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管理が難しい
という理由から、相続登記後に売却するケースも少なくありません。
その場合、相続登記と不動産売却を同時に整理して進めることが重要になります。
まとめ
外国籍の被相続人が亡くなった場合の相続では、
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相続は被相続人の本国法が適用される
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相続登記は日本の登記制度で行う
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外国の証明書類の収集が必要になる
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相続人が海外にいるケースも多い
など、日本人同士の相続とは異なる手続きが必要になります。
特に名古屋では、在日韓国人のご家庭も多く、韓国籍の相続と日本の不動産登記が関係するケースは決して珍しくありません。
相続登記を行うだけでなく、
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不動産をどう活用するのか
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売却する場合の市場状況
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海外相続人との手続き
なども含めて、専門的な判断が必要になる場面も多いものです。
外国籍の相続は書類や法律関係が複雑になるため、早い段階で専門家に相談しながら整理していくことが大切です。