【名古屋の相続登記】相続財産に空き家がある方へ|放置リスクと売却判断のポイントを司法書士が解説

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【名古屋の相続登記】相続財産に空き家がある方へ ― 放置しないための実務対応と売却判断

2026/02/26

まずはじめに

ご家族が亡くなり、名古屋市内に空き家が残された――。
「とりあえずそのままにしている」「固定資産税の通知だけが届く」というご相談が、ここ数年で明らかに増えています。

2024年4月から相続登記は義務化され、不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請が必要となりました。さらに、空き家対策特別措置法の改正により、管理不十分な空き家は固定資産税の優遇が外れる可能性もあります。

本記事では、司法書士兼宅地建物取引士として、相続財産に空き家がある場合の法的手続きと、名古屋の不動産市況を踏まえた現実的な選択肢を、やさしく整理します。

1 空き家を相続したら、まず何をするべきか

1.相続登記は「義務」です

2024年4月以降、不動産の相続登記は義務化されました。正当な理由なく申請を怠ると、過料(10万円以下)の対象となる可能性があります。

空き家であっても例外ではありません。
「売る予定だからまだいい」と放置するのは危険です。

2.相続人の確定と共有の問題

例えば、名古屋市守山区の実家を兄弟3人で相続したケース。法定相続分のまま登記すると3人共有になります。

共有は一見公平ですが、
・売却に全員の同意が必要
・1人でも反対すれば前に進まない
・次の相続でさらに権利が細分化する

といった問題が生じやすくなります。

早い段階で「単独取得」「換価分割(売却して分ける)」など、方向性を整理することが重要です。

2 名古屋の空き家事情と今後の価格動向

名古屋市内でも、不動産価格は二極化しています。

  • 名駅・栄エリアの投資用物件は比較的堅調

  • 郊外の築古戸建ては需要が限定的

今後、日本全体で若年層人口は減少し、団塊世代の相続が本格化します。空き家の供給はさらに増える見込みです。
建築資材高騰の影響で新築価格は上昇していますが、だからといって築40年以上の住宅価格が自動的に上がるわけではありません。

特に名古屋市の郊外エリアでは、
「売れるうちに売る」という判断が合理的な場合もあります。

一方で、立地によっては賃貸や土地活用の可能性が残るケースもあります。
重要なのは、投資用価格と実需用価格を区別して冷静に分析することです。

3 放置リスクと税務上の注意点

1.固定資産税の増額リスク

管理不全と判断されると、住宅用地特例が解除され、固定資産税が最大で約6倍になる可能性があります。

2.相続税の「空き家特例」

被相続人が一人暮らしだった自宅を売却する場合、一定の要件を満たせば譲渡所得3,000万円控除の特例があります。
ただし、

  • 昭和56年5月31日以前建築

  • 耐震基準適合または解体

  • 相続開始から3年以内の売却

など細かな要件があります。税制は改正が入ることもあるため、適用可否は最新情報の確認が必要です。


実際のご相談事例(名古屋市緑区)

80代のお母様が亡くなり、築48年の戸建てを娘様2人が相続。
最初は「思い出があるから残したい」とのお気持ちでした。

しかし、

  • 遠方在住で管理が困難

  • 雨漏りが発生

  • 固定資産税の負担増

を踏まえ、売却を選択。相続登記後すぐに売却活動を行い、想定より良い条件で成約しました。

ポイントは、登記と売却を一体で計画したことです。
手続きを分断せず、全体設計を行うことで負担を抑えられました。

空き家相続は「感情」と「市場」を分けて考える

まとめ

空き家には思い出があります。
しかし、不動産は同時に「資産」でもあります。

名古屋の不動産市場は、今後さらに選別が進む可能性があります。
人口動態、供給増、建築費高騰、収入の二極化――こうした現実も踏まえた判断が必要です。

相続登記はゴールではなくスタートです。
登記、税務、売却可能性、市場分析まで含めて考えることが、後悔の少ない選択につながります。

当事務所では、司法書士としての法的手続きと、宅地建物取引士としての市場分析を組み合わせ、名古屋の不動産相続に対する個別コンサルティングを行っています。

「残すか、売るか」
迷われた時点で、一度状況を整理してみることをおすすめします。

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