【名古屋で相続財産の活用に迷ったら】不動産を“持つ・貸す・売る”の正しい判断軸とは
2026/02/20
1 まず確認すべきは「相続登記」と財産の現状把握
相続登記は義務化されています
令和6年(2024年)4月1日から、相続登記は義務化されました。
不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記をしなければ、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
「売るかどうか決めていないから登記は後でいい」というわけにはいきません。
相続登記は単なる名義変更ではなく、
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誰が所有者なのかを明確にする
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売却や賃貸、担保設定を可能にする
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将来の相続トラブルを防ぐ
という大切な意味があります。
名古屋の不動産は“立地差”が極端
名古屋市内でも、
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地下鉄沿線(東山線・桜通線など)
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再開発エリア(名駅・栄周辺)
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郊外住宅地
では、将来価値の見通しが大きく異なります。
一方で、団塊世代の高齢化に伴い、今後は相続不動産の供給がさらに増えることが予想されています。
特に郊外エリアでは、需要減少と供給増加が重なり、価格維持が難しい地域も出てきています。
まずは、
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固定資産税評価額
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実勢価格
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管理・修繕コスト
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将来の需要予測
を冷静に整理することが出発点です。
2 「持つ」「貸す」「売る」それぞれのメリット・リスク
① 持ち続ける場合
ご実家を「思い出があるから」と残される方は多くいらっしゃいます。
しかし、空き家のまま保有すると、
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固定資産税
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火災保険料
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修繕費
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管理の手間
が継続的にかかります。
さらに、特定空家に指定されると固定資産税の軽減措置が外れる可能性もあります。
「今は使わないが、将来子どもが使うかもしれない」という判断もありますが、若年人口が減少している現状では、その前提が成り立つか慎重に考える必要があります。
② 賃貸に出す場合
「売るのは惜しいが、空き家はもったいない」という場合、賃貸活用という選択肢があります。
ただし、
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リフォーム費用
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入居者リスク
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家賃下落
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将来的な建替え負担
を見落としてはいけません。
近年は建築資材の高騰や人件費上昇により、改修費が以前より高くなっています。
また、所得の二極化により、家賃負担能力が弱い層も増えており、空室リスクも考慮する必要があります。
収支シミュレーションを行い、「感覚」ではなく「数字」で判断することが大切です。
③ 売却する場合
売却はもっともシンプルな選択です。
特に、
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相続人が遠方に住んでいる
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管理が難しい
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相続税の納税資金が必要
というケースでは合理的です。
ただし、投資用物件の価格と、一般の居住用不動産の価格は別物です。
名駅周辺の一部投資向け物件は国内外の投資資金の影響を受けていますが、郊外の戸建ては実需中心で、人口減少の影響を受けやすい傾向があります。
「まだ上がるかもしれない」と待つことが、結果的に価格下落を招く可能性もあるのです。
3 実際のご相談事例(名古屋市内のケース)
名古屋市守山区にご実家を相続された60代女性の事例です。
当初は「思い出があるから売りたくない」とお考えでした。
しかし、
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年間維持費:約25万円
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修繕見積:300万円超
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お子様は県外在住
という状況でした。
将来の需要予測と地域の人口推移を踏まえた結果、今の市場環境で売却する判断をされました。
結果として、
維持費負担から解放され、資金を老後資金として安全資産に振り分けることができました。
重要なのは、「売ること」ではなく、「ご自身の人生設計に合った選択をすること」です。