【名古屋市西区】韓国籍のご家族がいる場合の相続登記と不動産売却 ― 司法書士兼宅建士がやさしく解説
2026/02/19
まずはじめに
名古屋市西区にお住まいの皆さまの中には、ご家族に韓国籍の方がいらっしゃる、あるいは被相続人が韓国籍であったというケースも少なくありません。
とりわけ在日韓国人の方は戦前・戦後から長く日本で生活され、名古屋市西区のような住宅地に不動産を所有されていることも多い地域です。
しかし、相続人や被相続人に韓国籍の方がいる場合の相続登記や不動産売却は、日本人のみの相続とは手続きが大きく異なります。
戸籍の集め方、適用される法律、必要書類、売却時の税務――。
一つひとつを正確に理解しないまま進めると、思わぬ時間や費用がかかることもあります。
本記事では、名古屋市西区の不動産事情も踏まえながら、司法書士兼宅地建物取引士の立場で、韓国籍の方が関わる相続登記と不動産売却について、できるだけわかりやすくご説明いたします。
1 【準拠法の問題】韓国籍の方がいる相続はどの国の法律が適用されるのか
― 国際相続の出発点を誤らないために ―
相続において最初に確認すべきことは、「どの国の法律が適用されるか」です。
日本では、原則として被相続人の本国法が相続に適用されます。
つまり、被相続人が韓国籍であれば、原則として韓国法が適用されます。
韓国の相続制度は、日本の民法と似ている部分もありますが、
・法定相続分の計算方法
・遺留分制度
・家族関係登録簿の構造
などに違いがあります。
この点については、渉外登記の実務においても、外国法の確認が不可欠であると整理されています。
実際にあったご相談(名古屋市西区・70代女性)
西区上名古屋にお住まいのA様は、亡くなったご主人が韓国籍のままでした。
「日本で長く暮らしていたから、日本の法律で相続できると思っていた」とお話しされていました。
しかし、戸籍の代わりに韓国の家族関係登録簿の取得が必要となり、さらに韓国法の確認も求められました。
結果として、最初の準備段階で数か月を要しました。
最初に準拠法を正しく判断することが、手続き全体のスピードと費用を大きく左右します。
2 【必要書類の壁】韓国の家族関係登録簿と翻訳の実務
― 「戸籍がない」と言われたときの対応 ―
韓国籍の方には、日本の戸籍はありません。
代わりに必要となるのが、以下のような書類です。
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基本証明書
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家族関係証明書
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婚姻関係証明書
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入養関係証明書 など
これらは韓国の制度に基づくもので、日本の戸籍とは構造が異なります。
在日韓国人の相続については、日本の戸籍実務とは別の理解が必要であると指摘されています。
翻訳はどうするのか?
韓国語の証明書には、日本語訳を添付する必要があります。
翻訳者に特別な資格は不要ですが、登記実務に適した正確な翻訳でなければなりません。
誤訳があると、法務局から補正を求められ、手続きが止まります。
特に名古屋法務局では、渉外登記の確認は慎重に行われる傾向があります。
事前の整理と専門的な確認が不可欠です。
3 【相続不動産の売却】名古屋市西区の不動産事情を踏まえた判断
― 今売るべきか、持ち続けるべきか ―
名古屋市西区は、名駅エリアに近い利便性の高い地域と、住宅地として成熟したエリアが混在しています。
ただし、全国的には
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若年人口の減少
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団塊世代の相続発生増加
-
空き家の増加
という流れが続いています。
西区でも、駅近の投資用マンションと、郊外型の戸建住宅では市場評価が分かれています。
投資用価格と実需価格は別物
近年は国内外の投資家による収益物件の取得も見られますが、
一方で、一般家庭の住宅取得は金利や物価上昇の影響を受けやすい状況です。
建築資材の高騰や世界的インフレの影響により、
「新築は高すぎて買えない」という声も多く聞かれます。
つまり、不動産価格は一律に上がるわけではありません。
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立地の良い収益物件 → 投資資金が流入
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郊外の戸建住宅 → 将来的な需要減の懸念
相続不動産を売却する場合は、
登記の専門家であると同時に、不動産取引の実務を熟知した立場からの総合判断が重要になります。
近年の在日韓国人の動向について
法務省の統計によれば、日本に在留する韓国籍の方は長期的に減少傾向にあります。
背景には、
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高齢化
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日本国籍への帰化の増加
-
世代交代
などがあります。
そのため、今後数年間は、在日韓国人の高齢世代の相続が増加すると予想されます。
名古屋市西区でも、戦後から居住されてきたご家庭の相続相談が目立っています。
西区で韓国籍が関わる相続を進めるために
まとめ