名古屋の相続登記と不動産売却|「まだ大丈夫」が一番危ない理由
2026/02/06
まずはじめに
相続が起きたあと、「とりあえずそのままにしている不動産」は意外と多いものです。
特に名古屋では、長年住み続けた持ち家や、親御さんが大切に管理してきた土地建物が相続財産の中心になるケースが少なくありません。
2024年4月から相続登記が義務化され、「そのうちやろう」が許されなくなりましたが、それでも
「売るかどうか決めていないから」
「兄弟でまだ話し合えていないから」
という理由で手続きを先送りにしてしまう方は多いのが実情です。
しかし、相続登記を後回しにすることで、不動産の価値や選択肢が大きく狭まってしまうこともあります。
今回は、名古屋の相続不動産を数多く見てきた司法書士兼宅地建物取引士の立場から、相続登記と不動産売却を同時に考える重要性についてお話しします。
1 名古屋の相続不動産で増えている「困った状態」
最近のご相談で増えているのが、
「親が亡くなって数年たつが、名義はまだ親のまま」
というケースです。
たとえば、名古屋市瑞穂区に実家を相続された70代の女性。
兄弟3人で話し合いが進まず、相続登記をしないまま5年以上が経過していました。
その間に建物は老朽化し、固定資産税だけが毎年かかり続けていたのです。
名古屋は都市部といえども、
・駅から遠い
・築年数が古い
・再建築に制限がある
といった条件が重なると、売却価格が想像以上に下がることがあります。
相続登記をしないままでは、
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売却できない
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賃貸にも出せない
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解体や建替えの判断もできない
という「動かせない不動産」になってしまいます。
2 相続登記義務化と、今後の不動産市場の現実
相続登記の義務化は、「罰則があるから仕方なくやる手続き」ではありません。
背景には、全国的な空き家増加という深刻な問題があります。
特に今後は、
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団塊世代の相続が本格化
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若年層人口の減少
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地方・郊外エリアの需要低下
といった流れが加速すると考えられています。
名古屋でも、中心部とそれ以外のエリアで不動産価値の差がはっきりしてきました。
また、不動産価格と一言で言っても、
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投資家向け物件の価格
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実需(自宅用)としての価格
は別物です。
ニュースで「不動産価格が高騰」と言われていても、それは一部エリア・一部物件の話で、相続不動産すべてに当てはまるわけではありません。
「そのうち売ればいい」と思っている間に、
売れる不動産から、売りにくい不動産へ変わってしまう
この点は、ぜひ知っておいていただきたい現実です。
3 相続登記と不動産売却は「同時に考える」のが安心
相続登記は、不動産のスタート地点です。
登記をして初めて、
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売る
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貸す
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持ち続ける
という選択肢を冷静に比べることができます。
実務上、
「先に売却の相談をして、あとから登記の問題で止まる」
というケースも少なくありません。
司法書士であり、宅地建物取引士でもある立場から見ると、
相続登記と不動産の将来設計は切り離せないものです。
名古屋の土地勘、法務局での登記実務、不動産取引の実情を踏まえ、
そのご家族にとって
「今どうするのが一番負担が少ないか」
を一緒に整理していくことが大切だと感じています。