名古屋の相続不動産と韓国籍相続人――相続登記と売却を同時に考えるという選択
2026/02/05
1 韓国籍の相続人がいる場合、相続登記は何が違うのか
日本の相続登記は、日本国籍の方だけを前提に制度設計されている部分が多く、相続人や被相続人に韓国籍の方がいる場合、追加で確認すべき点がいくつもあります。
たとえば、
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韓国の**家族関係登録簿(旧戸籍)**の取得
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日本の戸籍との記載内容の読み替え
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相続分の考え方が日本法と異なる可能性
などです。
実務では、「日本の戸籍はそろっているのに、法務局から補正を求められた」というケースが少なくありません。
これは、**渉外相続では準拠法(どの国の法律を使うか)**の判断が必要になるためです。
原則として、相続は被相続人の本国法によりますが、韓国法の解釈や適用については、最新の法改正や実務運用を踏まえた慎重な検討が必要です。
この点については、在日外国人相続を扱った専門文献を前提に実務を行っています。
2 名古屋の相続不動産、「とりあえず共有」のリスク
名古屋市内の不動産相続でよく見られるのが、
「売るかどうか決まらないので、とりあえず相続人全員の共有名義にする」
という判断です。
しかし、相続人の中に海外在住の韓国籍の方がいる場合、この「とりあえず共有」が、後々大きな問題になることがあります。
具体的には、
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売却時に全員の実印・署名・在外公館での手続きが必要
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為替や送金規制の問題
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連絡が取れなくなるリスク
名古屋では、今後も
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人口減少
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空き家増加
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実需価格(住むための不動産価格)の伸び悩み
が予想され、「そのうち売ればいい」という判断が、結果的に不利になることも考えられます。
特に名東区・天白区・守山区などでは、立地によって将来の資産価値に大きな差が出始めています。
3 相続登記と不動産売却を“切り離さない”という考え方
実務の現場では、
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相続登記は司法書士
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売却は不動産会社
と別々に進めた結果、全体として遠回りになるケースを多く見てきました。
たとえば、
名古屋市昭和区のマンションを相続したA様の事例では、
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相続人の一人が韓国籍で韓国在住
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登記完了後に売却を検討
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必要書類の再取得で半年以上ロス
という状況がありました。
最初から
「この不動産は売却する可能性が高い」
と分かっていれば、登記の内容・名義の持ち方・売却時期を含めて、より合理的な設計が可能でした。
渉外不動産登記は、登記実務と不動産取引の両方を理解していないと、見落としが生じやすい分野です。