【名古屋の相続登記】「そのままにしていた実家」が問題になる前に知っておきたいこと
2026/01/30
まずはじめに
― 空き家時代における相続不動産の現実 ―
相続が発生すると、「預貯金の手続きは終わったけれど、実家の名義はそのまま」というお話を名古屋でもよく耳にします。
とくにご高齢のご両親がお住まいだった不動産については、「今は使っていないから」「売るかどうか決めていないから」と、相続登記を後回しにされる方が少なくありません。
しかし近年、相続不動産を取り巻く環境は大きく変わっています。
相続登記の義務化、空き家の増加、不動産価格の二極化など、「いつかやろう」が通用しない時代になりつつあります。
本記事では、名古屋の不動産事情を踏まえながら、相続登記を放置するリスクと、今考えておきたい実務的なポイントを、司法書士兼宅地建物取引士の立場からわかりやすくお伝えします。
1 相続登記をしないまま時間が経つと、何が起こるのか
相続登記は、単に「名義を書き換えるだけの手続き」ではありません。
名義が被相続人のままになっている不動産は、法的にも実務的にも非常に不安定な状態です。
たとえば、
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相続人の一人が亡くなり、さらに相続が発生する
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相続人の配偶者や子どもが関係者として増える
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連絡が取れない相続人が出てくる
こうした状況になると、当初は簡単だったはずの相続登記が、一気に複雑化します。
名古屋市内でも、築40年以上の住宅を調査すると、相続未登記のまま数十年経過しているケースは決して珍しくありません。
また、令和6年4月から相続登記は法律上の義務となり、正当な理由なく申請しない場合、過料の対象になる可能性もあります。
「知らなかった」「急いでいなかった」では済まされない時代に入ったといえるでしょう。
2 名古屋でも進む「空き家化」と不動産価値の現実
名古屋は大都市でありながら、エリアによって不動産の将来性は大きく異なります。
駅近や再開発エリアでは一定の需要がある一方、
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郊外の戸建住宅
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最寄り駅から遠い実家
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築年数が古く修繕費がかかる建物
こうした不動産は、相続後に急速に資産価値を失う可能性があります。
背景には、
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若年人口の減少による住宅需要の低下
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高齢者の死亡数増加による相続不動産の供給増
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建築資材高騰による新築価格の上昇と中古住宅の選別
といった構造的な要因があります。
「とりあえず持っておけば何とかなる」という時代は、特に地方部や郊外では終わりつつあります。
相続登記をせずに放置している間に、売るに売れない不動産になってしまうケースも、実務では少なくありません。
3 相続登記と不動産売却は「一緒に考える」時代へ
最近は、「相続登記だけお願いしたい」というご相談の中でも、
お話を伺っていくと、
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将来的には売却を考えている
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空き家の管理が負担になっている
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固定資産税だけ払い続けている
といった本音が見えてくることが多くあります。
相続登記はゴールではなく、不動産をどう扱うかを決めるスタート地点です。
司法書士であり、宅地建物取引士でもある立場からすると、
「登記」「法律関係」「税務上の注意点」「売却時の実務」までを一体で考えないと、
後から取り返しがつかない判断になることもあります。
実際に、名古屋市内で
「先に自分たちだけで遺産分割をしてしまい、売却時にトラブルになった」
というご相談もあります。
相続は感情が絡む分野だからこそ、早い段階で全体像を整理することが重要です。