韓国籍の相続人が関わる名古屋の相続登記と不動産売却 ― 司法書士が実務目線でやさしく解説
2026/01/28
1 韓国籍の相続人がいる場合、日本の相続登記はどうなるのか
結論から言えば、韓国籍の方が相続人であっても、日本の不動産の相続登記は可能です。
ただし、日本人同士の相続と比べると、いくつか注意点があります。
代表的なものが、
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戸籍に代わる本国の身分関係証明書類
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ハングル書類の日本語翻訳
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本国法(韓国民法)を前提とした相続関係の確認
といった点です。
特に実務上重要なのは、
「誰が相続人なのか」
「法定相続分はどうなるのか」
を、日本の法務局に対して論理的に説明できる形で書類化することです。
過去には、名古屋市昭和区の土地について、
相続人の一人が韓国在住
かつ、日本の証明書の取得が難航
という事案がありましたが、相続関係を一つひとつ整理し、結果として無事に相続登記が完了しました。
この分野は、一般的な相続情報サイトでは触れられない実務の積み重ねが重要になります。
詳しくは、在日外国人の相続法制を扱った専門資料も参考になります 。
2 相続登記のあとに考える「名古屋の不動産売却」という現実
相続登記が終わると、次に多いご相談が
「この不動産、売ったほうがいいでしょうか?」
というものです。
名古屋市は、東京や大阪ほどではないものの、
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エリアによる価格差が拡大
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住宅需要は実需中心
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投資用と居住用で価格の考え方が全く異なる
といった特徴があります。
また、日本全体として
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人口減少
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団塊世代の相続増加
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空き家の増加
という流れが進んでおり、「相続したからとりあえず持っておく」ことが、必ずしも正解とは言えない時代になっています。
特に、相続人が海外在住の場合、
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固定資産税の管理
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建物の老朽化
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将来の売却難
といったリスクが、静かに積み重なっていきます。
司法書士として登記を、宅地建物取引士として売却を、同じ目線で検討できることは、実務上とても重要です。
渉外不動産登記の考え方については、専門書籍でも整理されています 。
3 在日韓国人を取り巻く最近の動きと、相続のこれから
近年、在日韓国人の方のあいだでは、
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日本での長期定住
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帰化申請の増加
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相続・資産承継を意識した整理
といった動きが目立つようになりました。
一方で、
「帰化前に相続が発生した」
「相続人の国籍がばらばら」
といったケースも多く、画一的な対応ができないのが実情です。
名古屋の不動産は、
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立地によって将来価値が大きく変わる
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相続後の判断が5年、10年後に影響する
という特徴があります。
そのため、
登記だけを考える
売却だけを考える
のではなく、相続人一人ひとりの事情に合わせたオーダーメイドの整理が欠かせません。