【個人間の不動産売買の必勝法!】名古屋のごとう司法書士事務所

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【個人間の不動産売買の必勝法!】名古屋のごとう司法書士事務所

2025/10/15

まずはじめに

不動産を売買するとなると、まず多くの方が思い浮かべるのは、「不動産会社を介して行う」という方法ではないでしょうか。不動産会社が仲介に入ることで、物件の紹介や価格交渉、契約書の作成、手続きの流れの案内など、さまざまなサポートを受けることができるため、安心感があるのは確かです。

しかし実際には、親族間や友人・知人同士など、当事者が直接やりとりをして売買契約を交わす、いわゆる「個人間売買(直接取引)」も少なくありません。特に近年では、相続や離婚に伴って不動産を共有名義から単独名義に変更するケースや、高齢者の住み替えに伴って親族間で家を譲渡するケース、あるいはインターネットの普及によって売主・買主がSNSや不動産マッチングサイトなどを通じて直接つながるケースも増えてきています。

こうした個人間売買は、うまくいけば仲介手数料を省略できたり、手続きのスピードが速かったりするなど、いくつかのメリットがあります。特に、信頼関係がある当事者同士であれば、価格や引き渡し時期について柔軟に話し合うことも可能です。また、身近な人とのやりとりであれば、心理的にも安心感があるという方も多いでしょう。

しかし一方で、個人間売買はその自由さゆえに、専門的な知識が欠けたまま手続きを進めてしまい、後々になって大きなトラブルへと発展してしまうことも少なくありません。契約内容の不備や税務処理の誤り、登記の手続きミスなど、数十万円から数百万円に及ぶ損失が生じる可能性もあるのです。

不動産は、言うまでもなく高額な資産です。しかも、一度契約して登記まで完了してしまえば、後から「やっぱり取り消したい」となっても簡単には元に戻せません。さらに、法律や登記のルール、税金の制度などが複雑に絡み合っているため、一般の方がすべてを理解し、適切に処理することは決して容易ではないのです。

そこで本記事では、これから個人間で不動産を売買しようと考えている方、すでに話が進み始めている方に向けて、「個人間の不動産売買をトラブルなく、安心して成功させるためのポイント=必勝法」について、司法書士かつ宅地建物取引士という不動産と法律の専門家の視点から、わかりやすく解説してまいります。

個人間売買を考えている方にとって、「知らなかった」では済まされない重要な知識を、やさしい言葉で丁寧にお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

1 まず押さえるべき、個人間売買の基本とリスク

個人間で不動産を売買するというのは、一見すると簡単で融通の利く方法に思えるかもしれません。たとえば、親子や兄弟、あるいは長年の付き合いがある知人同士など、信頼関係がすでにできている相手との取引であれば、価格交渉もスムーズに進みそうですし、無用な仲介を省くことで費用や時間の節約にもつながると考えたくなるでしょう。

しかし、不動産というのは法律・登記・税金の三つの側面が密接に絡む「非常に特殊な財産」です。車や家電、家具などのように「物」としての売買では済まず、目に見えない契約上のリスクや法的義務が数多く存在します。個人間売買では、これらをすべて当事者だけで管理・判断しなければならないという点に、最大の難しさがあるのです。

たとえば、最も基本的でありながら見落とされがちなのが「契約書の作成」です。不動産売買契約は高額な資産の移転を伴う重要な契約であるため、後々のトラブルを避けるためにも、詳細な内容を盛り込んだ適切な書面を作成することが極めて重要です。しかし、個人間売買ではこの契約書が市販のテンプレートで済まされたり、場合によっては口約束だけで進められたりすることさえあります。これは非常に危険な行為です。契約書に不備があると、将来的に「言った・言わない」の争いが発生した際、法的な保護を受けられない可能性が高まります。

また、契約の内容に合った登記手続きをきちんと行わなければ、売主から買主への「所有権移転」が完了したことにはなりません。登記は法務局で正式に処理されて初めて法的な効力を持つものですので、たとえ売買代金をすべて支払っていても、登記を怠れば名義は変わらず、法的には「まだ売主のもの」のままです。こうした状態でトラブルが発生した場合、買主の立場が非常に弱くなることもあります。

さらに、**抵当権や賃借権など、登記簿上で確認できる「権利関係」**についても注意が必要です。たとえば、物件に住宅ローンの抵当権が残っていたり、第三者が賃貸借契約を結んで居住していたりするケースでは、思わぬトラブルに発展する恐れがあります。これらを確認せずに契約してしまえば、買主がすぐに物件を自由に使用できないという問題が起こるのです。

境界に関するトラブルも見逃せません。土地の売買では、隣地との境界線が曖昧なまま売買されることがあり、後に「実は思っていた面積より狭かった」「越境していた建物を指摘された」といった問題が表面化することもあります。隣地所有者とのトラブルにまで発展することもあり、精神的・経済的な負担は小さくありません。

税金の問題も重要です。不動産売買に伴って発生する税金には、売主側で発生する譲渡所得税、買主側で負担する不動産取得税登録免許税などがあり、それぞれ適切な申告と納付が求められます。特に個人間取引では、税務署がその取引を完全には把握していないため、申告を怠ったり、誤って過少申告をしてしまったりすることで、後に追徴課税や延滞税が発生するリスクもあります。

以上のように、個人間の不動産売買には、多くの見落としがちな落とし穴が存在しています。信頼している相手だからこそ、「大丈夫だろう」「ここまで確認しなくても問題ないはず」と気を緩めてしまいがちですが、実際には信頼関係のある相手との取引だからこそ、形式や法的手続きをしっかり整えることが最も大切なのです。

つまり、個人間売買の「基本」とは、仲介者がいない分、当事者が自らの責任で正確に事実を確認し、必要な書類を整え、法的に正しい手続きを行うという意識を持つことです。そして「リスク」とは、その基本を怠った場合に、後々多大な時間と費用をかけてでも解決せざるを得ない事態に発展する可能性がある、という点に集約されます。

個人間での不動産取引を成功させるためには、まずはこうしたリスクを正しく理解し、それに備えた対応策を取ることが第一歩となるのです。

2 契約の前にやるべきこと ― 事前調査と準備の重要性

不動産の個人間売買をスムーズに、そして安全に行うためには、契約を結ぶ前の「事前調査」と「準備」こそが成功のカギになります。売主・買主のどちらにとっても、この段階を丁寧に進めることが、後のトラブルを未然に防ぐ最大の予防策です。特に、個人間での売買では不動産会社のような第三者が介入せず、すべて当事者の判断と責任で進める必要があるため、事前にどれだけ正確な情報を集められるかが重要になってきます。

まず最初に行うべきは、対象不動産の法的な状態の確認です。これは、「登記事項証明書(登記簿謄本)」を取得することで、誰が所有者なのか、抵当権などの担保がついていないか、地目や地積はどうなっているかといった、基本的な情報を知ることができます。この書類は、法務局で簡単に取得でき、オンラインでの請求も可能です。特に注意すべきは、「現在の名義人が本当に売主本人かどうか」という点です。相続が未了のまま売買しようとするケースや、過去の所有者のままになっているケースもあり、その場合には先に相続登記を済ませなければ売買そのものが成立しません。

次に確認したいのが、土地や建物の境界と現況です。公図や地積測量図、境界確認書が揃っていれば、法務局や市区町村の窓口などで確認可能ですが、現場と書面に記載された内容が一致しているとは限りません。現地に赴いて、境界標が実際に存在しているか、隣地との境界線が曖昧になっていないかを目で確かめることが大切です。特に古い住宅地や農地では、測量が不十分なまま登記されていることが多く、後から「越境していた」「面積が違っていた」といった問題が判明することもあります。売買契約後にこうした事実が発覚すると、買主が「騙された」と感じてしまい、法的な争いに発展するリスクもあります。

また、不動産に関わる法的制限の確認も必要です。たとえば、市街化調整区域にある土地は、原則として新たな建物を建てることができません。また、用途地域の制限によって建てられる建物の種類や高さ、敷地面積の割合が決まっていることもあります。これらの情報は、市区町村の都市計画課などで確認することができます。「この土地に家を建てたい」と思っていても、実際には建築不可だったということもあり得るため、契約前の段階で必ずチェックしておくべき項目です。

さらに、建物の現況調査や写真記録も怠ってはいけません。特に中古住宅の場合、雨漏りや白アリ被害、基礎の劣化、設備の故障といった物理的な不具合がある場合、それをどう扱うのかは契約内容に大きく関わってきます。「現況有姿(ありのままの状態)」で引き渡すのか、それとも補修を条件とするのか、あらかじめ両者で合意しておかなければなりません。また、売主が長年住んでいた建物の場合、「どこまでが買主にとって必要な情報か」を見極めるのは意外と難しく、プロによる簡易インスペクション(建物診断)を受けるのも有効な方法です。

ここまでの調査が終わったら、次に行うべきは、売買価格の妥当性の検討です。個人間では、価格の決定に柔軟性がある分、「相場より高すぎた」「税金の計算に不利になった」といった問題が発生しやすくなります。たとえば、実際の取引価格よりも大幅に低い価格で売買すると、贈与とみなされて贈与税が課税されることがあります。逆に、相場よりも高く設定しすぎると、買主が住宅ローンの審査に通らなかったり、取得税や登録免許税が無駄に高くなったりする可能性があります。不動産の固定資産評価額、公的な不動産取引価格情報(国土交通省が公開)などを参考にし、できれば専門家に相談しながら価格を決めるのが望ましいでしょう。

最後に、買主への情報提供の整理も重要です。不動産会社が仲介する場合は「重要事項説明書」の交付が義務付けられていますが、個人間売買では法的義務はありません。それでも、取引の透明性と安全性を高めるためには、「売買対象の権利関係」「設備の不具合」「近隣トラブルの有無」「過去の修繕履歴」などを、書面にまとめて説明するのが望ましい対応です。買主にとって、後から「そんなことは聞いていなかった」と言われるより、最初に誠実に説明を尽くす方が、双方にとって良好な関係を保てます。

このように、不動産の個人間売買においては、契約書を交わす前にどれだけ丁寧な事前調査と準備ができているかが、取引の成否を左右します。契約とは「確認の集大成」であり、その前段階をしっかりと踏んでこそ、安全で納得のいく不動産取引が可能になるのです。

3 契約書・登記・税務処理はプロの力を借りるのが賢明

個人間での不動産売買を成功させるには、信頼関係だけに頼るのではなく、「契約書」「登記」「税務処理」という三本柱の正確な対応が不可欠です。そして、この三つの手続きは、いずれも高度な専門知識と正確さが求められる分野であり、自己判断で対応しようとすると、思わぬミスや法的トラブルにつながることも少なくありません。

まずは「契約書」についてです。不動産売買契約書は、ただ売る・買うを取り決めるだけの書面ではありません。物件の詳細な情報(地番、建物の構造・面積など)はもちろんのこと、代金の支払方法、引渡しの時期、固定資産税や管理費等の精算、契約不適合責任の有無といった、多くの細かい条件や特約事項を網羅しておく必要があります。また、「契約書の文言」は法律上の効力を持つため、曖昧な表現や矛盾のある内容を記載してしまうと、後に解釈を巡って争いになるリスクが高まります。

さらに、契約書の内容によっては、税金の負担や登記費用に大きく影響することもあります。たとえば、「売買代金をいくらと記載するか」は、登録免許税や譲渡所得税の課税根拠となるため、実態と異なる金額を記載すれば、税務署から申告漏れや虚偽申告を疑われる原因にもなりかねません。市販の雛形をそのまま使ったり、ネットのテンプレートを流用したりするだけでは不十分であり、物件ごとの実情に即した「オーダーメイド型の契約書」が必要です。

続いて、「登記」の問題です。不動産の売買において、所有権の移転登記は法律上の義務ではありませんが、登記をしなければ「名義は前の持ち主のまま」になってしまい、買主としての法的権利を主張できないことになります。仮に売主に債務があり、売買後にその物件が差押えられてしまった場合、買主は大きな損害を被る可能性があるのです。個人間の取引では、登記手続きのタイミングや必要書類の確認、登記費用の負担についての取り決めが曖昧なまま進められることも多く、そのままでは申請が却下されたり、想定外の出費が発生したりすることもあります。

特に相続未登記の土地・建物を売買するケースでは、まずは相続人全員の間での遺産分割協議や、相続登記の完了が前提となります。これを飛ばして売買契約をしてしまっても、法務局では所有権移転登記は受け付けられず、結局「一度契約をやり直す」ことになる可能性があります。こうした複雑な案件こそ、登記の専門家である司法書士の関与が不可欠です。

そしてもう一つ、忘れてはならないのが「税務処理」です。不動産の売買には、さまざまな税金が関係しており、売主と買主でそれぞれの立場で適切な申告と納税が必要になります。

売主が関係する税務

  • 譲渡所得税:不動産を売って得た利益には、所得税と住民税が課税されます。取得費や売却費用、特例の有無によって税額が大きく変わるため、正確な計算が求められます。

  • 消費税:課税事業者が売主である場合、建物部分に消費税がかかることもあります。

買主が関係する税務

  • 不動産取得税:購入後に都道府県から課税されます。軽減措置が受けられるかどうかの確認が必要です。

  • 登録免許税:登記時に課税される税金で、所有権移転登記では一般的に「固定資産評価額×2%(※住宅の場合は軽減あり)」がかかります。

税金の申告漏れや、軽減措置の申請忘れによって、本来支払う必要のない税金を払ってしまうこともあります。また、税務処理には期限が定められており、忘れてしまうと延滞税・加算税の対象になる場合もあります。

こうした登記・税務の手続きは、表面的には「自分でもできそう」に思えるかもしれませんが、実際には一つのミスで数十万円単位の損失やトラブルにつながる非常に重要なプロセスです。インターネットの情報は便利な一方で、正確性や最新性に欠けることもあり、信頼できる情報源とは限りません。

結論として、契約書の作成・登記申請・税務処理といった各プロセスは、専門的な知識をもつプロフェッショナルの助けを借りることが、もっとも賢明で確実な選択です。特に、司法書士は「登記の専門家」であると同時に、契約実務や相続・不動産取引にも精通しているため、個人間取引を円滑に進める上で最も適した相談相手といえるでしょう。

安全で後悔のない不動産売買を実現するためには、必要なところで専門家の力を借りることをためらわず、正確で誠実な取引を心がけることが何よりも大切です。

まとめ

不動産の個人間売買は、親族間や知人同士で行うことが多く、「信頼できる相手だから問題ないだろう」と思われがちです。確かに、信頼関係があるからこそスムーズに話が進む面もありますし、不動産会社に支払う仲介手数料がかからないといったメリットもあります。しかしその一方で、不動産という高額かつ法律的・税務的に複雑な資産の取引を、素人同士だけで行うことには、決して小さくないリスクが潜んでいるということを、忘れてはなりません。

まず、売買契約を結ぶ前には、登記簿や公図、法令上の制限の有無など、物件に関する正確な情報を調査・確認することが必要です。面積や境界の認識違い、名義人の誤認、未登記建物の存在など、事前に気づいていれば防げたはずのトラブルが、準備不足のまま契約を結んでしまったことで表面化し、大きな問題に発展するケースもあります。

また、契約書に関しても、雛形をそのまま流用するだけではリスク管理が不十分です。代金の支払い時期、引き渡し条件、契約不適合責任の取り扱いなど、取引ごとの事情に合わせてきちんと取り決め、法的に有効なかたちで書面に残す必要があります。契約書の文言ひとつが、将来の争いを防ぐか、逆にトラブルの火種となるかを左右することもあるのです。

さらに、所有権移転登記を正しく行わなければ、買主は法的にその不動産を自分のものとして主張できません。また、売主・買主それぞれに税務上の手続きや申告義務があり、特に譲渡所得税や不動産取得税、登録免許税などの計算や申告を怠れば、後から多額の追徴課税を受けることもあり得ます。

つまり、個人間売買は、信頼だけで進めるにはあまりにもリスクが大きく、専門的な知識と慎重な手続きが求められる取引であることを、あらためて強調しておきたいと思います。たとえ仲の良い親族同士であっても、「トラブルにならないように、きちんと専門家に相談して進めよう」と思えるかどうかが、良好な関係を維持する上でも重要です。

司法書士や宅地建物取引士といった、不動産と法律の専門家の力を借りれば、契約書の作成から登記、税務処理に至るまで、適切かつ安心できる形で取引を進めることが可能です。大切な不動産を安全に、そして納得のいく形で譲り渡す・取得するために、必要な部分ではプロの知見を取り入れながら、安心・確実な個人間売買を実現していきましょう。

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