【韓国の相続登記、困っていませんか ~国をまたぐ不動産相続に悩む方へ、今知っておきたい手続きと注意点~】名古屋のごとう司法書士事務所

お問い合わせはこちら

ブログ

【韓国の相続登記、困っていませんか ~国をまたぐ不動産相続に悩む方へ、今知っておきたい手続きと注意点~】名古屋のごとう司法書士事務所

2025/07/18

まずはじめに

「日本にある実家の不動産、父が亡くなったあとも名義がそのままになっていて……。相続登記って必要なんでしょうか?」「相続人の兄が韓国籍で、日本に住んでいないので、登記を進められずに困っている」「韓国籍の親族が関わると、どんな書類が必要になるのか、誰に相談すればいいのかすら分からない」――このようなお悩みを抱えてご相談に来られる方が、近年着実に増えています。

日本には、長年在日韓国人として暮らしている方、その子どもやお孫さん、あるいはご両親が韓国籍だったという方が数多くいらっしゃいます。そうした方々にとって、家族の誰かが亡くなった際の「相続登記」は、避けて通れない重要な手続きのひとつです。しかし、そこに“韓国籍の相続人”が関わるだけで、日本国内の不動産登記であっても、状況は一気に複雑化します。

相続登記とは、不動産の名義(登記簿上の所有者)を、亡くなった方から法定相続人へと正式に変更するための手続きです。たとえば、実家の土地・建物が親の名義のままになっている場合、それを子ども世代の名義に変更するには、法務局で相続登記を行う必要があります。単なる「住み続けている」「誰も文句を言っていない」というだけでは、所有権は移転されません。

こうした登記手続きを怠ると、後の代で思わぬ問題が起こることもあります。たとえば、不動産を売却したくても名義が故人のままでは売ることができません。また、相続人が亡くなって代替わりするたびに相続関係が複雑になり、将来的には関係者全員の意思を揃えるのが困難になる「共有不動産問題」にも発展しかねません。さらに、令和6年(2024年)4月からは相続登記が義務化され、正当な理由なく3年以内に登記を行わない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。

こうした背景の中で、相続人に韓国籍の方が含まれているケースは、法務局に提出すべき書類の種類が異なったり、印鑑証明書の代替書類を揃える必要があったり、韓国語の文書を日本語に翻訳しなければならなかったりと、通常の日本人同士の相続とは違った手続きが求められます。

たとえば、相続人が韓国籍で日本に居住している場合には、「在留カード」「住民票(外国人記載のあるもの)」などで本人確認が可能ですが、韓国に住んでいる方であれば「住民登録謄本」や「家族関係証明書」「パスポートの写し」などを翻訳付きで提出する必要があります。また、韓国では「印鑑登録制度」が一般的ではないため、遺産分割協議書への「実印+印鑑証明書」という日本での形式が使えない場合も多く、「署名+拇印(サインと親指印)」で対応し、加えて公証人の証明を添付するなど、別のルートで証明力を補うことになります。

こうした書類の整備・翻訳・公証手続きなどは、相続人がご自身だけで行おうとすると、非常に大きな負担になります。特に、高齢の方や女性の方で、「韓国語は読めない」「親族との連絡も取りづらい」「何を集めればよいか分からない」という声は珍しくありません。実際に、相続登記を後回しにしてしまい、結果として10年、20年と手がつけられず、相続人の数が倍増してしまったという事例もあります。

さらに、韓国籍の方が含まれる相続の場合、登記手続きだけでなく、相続税の申告や納税義務の有無についても、国籍や居住状況によって異なるため、税務面にも注意が必要です。たとえば、日本国内に住む相続人が、韓国籍の故人の不動産を相続する場合でも、課税対象になるのは日本の不動産部分に限られますが、適切に財産評価や税務処理を行わなければ、後に税務署から指摘を受ける可能性もあります。

こうした国際的な要素が絡む相続案件では、単に登記申請書を作成するだけでなく、「どの国の書類が必要か」「翻訳や認証はどう行うか」「日本の法務局が受け入れる書式に整っているか」など、実務的なハードルが非常に多くなります。書類の形式が違う、翻訳の信頼性に疑義がある、本人確認が不十分、などの理由で法務局が登記を却下することも珍しくありません。

このような中で、登記の専門家である司法書士、そして不動産の法的・実務的な側面に精通した宅地建物取引士のサポートが、極めて重要になります。相続の事情や家族関係は、どのご家庭でもそれぞれに異なります。とくに、国籍が異なるご家族間では、「日本の常識が通じない」「相手にどう説明すればいいか分からない」といった悩みもあるでしょう。そうした背景に寄り添い、登記実務に落とし込んでいく専門家の存在が、安心と信頼につながります。

当事務所では、韓国籍の相続人が含まれる日本国内の相続登記に関して、必要書類の案内から翻訳・認証の手配、韓国の家族関係証明書の取得支援、公証人との連携、さらには登記申請の代理まで、総合的な対応が可能です。相続登記を「自分で何とかする」必要はありません。正確な制度知識と実務経験を持つ専門家に相談することで、安心して一歩を踏み出せます。

登記の放置は、後になればなるほど負担が増え、関係者も増えて複雑になります。特に国際的な要素がある相続では、「まだ大丈夫」と思っている間に手続きが難航し、結局ご家族全体に大きな影響を及ぼすことになりかねません。

まずは、自分のご家庭の状況を正しく知ること。必要な書類と手続きの流れを確認すること。そして、信頼できる司法書士に相談すること。
それが、国籍を超えて家族の財産をきちんと守る、第一歩になります。

1 韓国籍の相続人がいる場合でも、日本の登記は可能です

~「本国法が適用される」原則と、登記実務での注意点を正しく理解する~

不動産の相続登記において、「相続人に韓国籍の方がいる」というだけで、手続きに不安を感じる方は非常に多くいらっしゃいます。とくに在日韓国人の方や、ご家族の一部が韓国籍のままという場合、「日本の登記制度で手続きが通るのか」「国籍が違うと相続の内容も変わるのか」など、複雑な疑問が生じがちです。

結論から言えば、相続人が韓国籍であることを理由に、日本国内の不動産の相続登記ができないということはありません。登記手続き自体は可能です。
ただし、その前提として、外国人の相続には“本国法”が適用されるという法律の原則を正しく理解しておくことが大切です。

■ 相続の「準拠法」は日本法ではなく本国法が適用される

相続に関する法的ルールは、日本人同士の相続であれば日本の民法がそのまま適用されます。しかし、外国籍の方が被相続人である場合(=亡くなった方が外国人である場合)、相続の内容は原則としてその人の本国法、つまり国籍を持っている国の法律によって判断されます。

これは「法の適用に関する通則法(旧・法例)」という法律によって定められており、その第36条第1項には次のように規定されています:

「相続は、被相続人の本国法による。」

つまり、被相続人が韓国籍であれば、その相続については韓国民法が適用されるというのが原則です。これにより、以下のような相続の内容は、韓国法に従って判断されます:

  • 法定相続人の範囲(日本とは異なることがあります)

  • 法定相続分

  • 遺言の方式と効力

  • 相続の承認・放棄の要件や期限

  • 代襲相続の可否 など

そのため、日本法で当然とされる「配偶者と子で2分の1ずつ」「代襲相続で孫が出てくる」といった構造が、韓国法では異なる可能性があります。実務上も、まずどの法律が適用されるか=準拠法の確定を行わなければ、そもそも正しい登記原因(相続原因日・相続人範囲・持分)を登記簿に反映させることができないのです。

■ 「登記」は日本法で、「相続内容」は韓国法で処理される二層構造

相続登記という手続きは、2つの法律体系が重なり合う“交錯領域”に位置しています。

  • 相続の実体部分(誰が、どのような割合で相続するか) → 本国法(例:韓国民法)

  • 相続登記という手続き(どんな書類で、どこに申請するか) → 日本法(不動産登記法)

つまり、韓国民法に基づいて相続関係を整理したうえで、それを日本の不動産登記制度に従って形式化し、登記申請するという流れになります。この二重構造を理解していないと、「登記書類を揃えたのに法務局で受理されない」「法定相続分が日本法ベースでずれていた」などのトラブルが発生します。

実務では、以下のような対応が必要です:

  • 韓国法に基づいた相続関係説明図の作成

  • 相続人の確定に必要な家族関係証明書、基本証明書の取得

  • 必要に応じた韓国の遺言書の効力確認(韓国の公証制度・遺言方式)

  • 韓国語書類の正確な翻訳(翻訳者の署名付き)

  • 法務局提出書類の整合確認(韓国法のルールを登記簿に反映)

このように、単に日本の登記制度に慣れているだけでは対応しきれない領域であり、日韓両国の法制度にまたがる理解と実務経験が必要不可欠です。

■ 韓国籍の相続人に必要な書類と、本人確認の注意点

相続登記においては、登記義務者(相続人)の本人確認が重要です。日本人であれば、印鑑証明書・住民票などを用いて本人確認が行えますが、韓国籍の相続人にはそれに代わる書類が必要になります。

日本在住の韓国籍相続人の場合:

  • 在留カードの写し

  • 住民票(外国人記載のあるもの)

  • 印鑑登録証明書(登録している場合)

  • 外国人登録原票など

韓国在住の相続人の場合:

  • 韓国の住民登録謄本(住所記載)

  • 基本証明書・家族関係証明書

  • パスポートの写し(身分証明)

  • 翻訳文(日本語、翻訳者署名付き)

これらの書類を正確に整え、日本の登記手続き上の要求(例えば「署名+拇印+公証認証」)に対応することで、韓国籍の相続人も問題なく登記申請に参加できます。

■ 登記原因証明情報における韓国法の反映と書式の工夫

登記申請時には「登記原因証明情報」が必要です。これは、たとえば遺産分割協議書や相続関係説明図、戸籍・家族関係書類の束といった、登記の根拠を示す資料群のことです。

ここで重要なのが、相続内容が韓国法に基づいていることを法務局が理解・確認できるように資料を整えることです。日本法の想定と異なる相続割合、代襲相続の有無、相続人の範囲などがある場合には、その解釈根拠として、韓国民法の条文を併記した説明資料を作成することもあります。

さらに、韓国語の書類が多くなる場合には、翻訳文の信頼性が問題になります。一般的には「翻訳者の署名付き」の形式が求められますが、法務局によっては、司法書士または翻訳会社の確認印を要することもあり、事前相談が必要です。


■ 結論:国籍が異なっても相続登記は可能。ただし、法律の適用関係を踏まえた慎重な対応が必要です

韓国籍の方が相続人となる相続登記は、日本国内でも決して珍しいものではありません。しかし、国籍が違えば適用される法律も異なるため、単純な「日本の民法ベースの手続き」とは異なり、本国法に従って相続内容を確認し、それを日本の登記制度に落とし込むという一段深い法的理解と調整が必要になります。

このような国際的な相続案件において、制度を誤って理解したまま登記申請をしてしまうと、法務局から却下されたり、やり直しを求められたりすることになります。相続人が高齢の場合や、韓国語に不慣れな場合には、それ自体が大きな心理的負担になりかねません。

したがって、こうした複雑な案件においては、日本の登記制度と韓国法双方に理解をもつ司法書士による丁寧な支援が非常に重要になります。書類の整備、翻訳、公証対応、法務局との事前調整まで、ひとつひとつの段階において的確な判断と実務経験が求められるのです。

2 在外相続人への対応や書類のやりとりはどうする?

~韓国在住の相続人との協議・署名・本人確認を確実に進める方法~

日本国内の不動産を相続登記しようとした際に、相続人の中に韓国に居住している人がいる場合や、長年連絡を取っていなかった海外在住の韓国籍の親族が含まれている場合、相続手続きは一気に複雑になります。

とくに、遺産分割協議書への署名・押印、本人確認資料の収集、書類の郵送・翻訳・公証対応といった実務の1つひとつが、日本に住む相続人だけで行うよりも数倍の労力を伴います。

しかし、こうしたケースでも、正しい知識と段取り、そして信頼できる司法書士の支援があれば、相続登記は十分に完了させることができます。この章では、在外相続人、特に韓国在住の相続人がいる場合の対応方法と実務上の留意点を詳しく解説します。


■ 相続登記には相続人全員の協力が不可欠

まず大前提として、日本の相続登記制度では、法定相続分による登記であっても、すべての相続人の関与(意思確認)が必要となります。特に遺産分割協議を行う場合は、相続人全員による合意と署名(押印)がなければ登記はできません。

在外相続人が1人でも欠けてしまうと、法務局はその遺産分割協議書を有効なものと認めず、結果的に登記申請が却下されます。つまり、連絡が取れない相続人や、住所不明・所在不明の相続人がいると手続きが進まないというのが、現行法の原則です。

そのため、在外相続人が含まれる場合、まずは「連絡を取る手段の確保」「住所や現地連絡先の把握」「書類送付・返信の手段の確保」が重要な第一歩となります。


■ 韓国在住の相続人へのアプローチと、コミュニケーションの課題

在日韓国人や日本国籍に帰化したご家族の中には、韓国に住んでいる親族と長年交流がない、あるいは言語や文化の違いから意思疎通が難しいという方も少なくありません。

たとえば次のようなケースです:

  • 「韓国に住んでいる伯父が相続人だが、数十年会っていない」

  • 「韓国語がわからず、どう連絡を取ったらいいか分からない」

  • 「登記のことを説明したいが、法律用語を韓国語でどう伝えていいか分からない」

こうしたケースでは、司法書士が間に入り、法的な意味合いや手続きの概要を正確に整理した文書を韓国語に翻訳したうえで送付することで、相手方にも安心感を持ってもらえる可能性が高まります。

また、必要に応じて、韓国語ができる専門家(翻訳士や現地の行政書士・弁護士など)と連携することも実務上非常に効果的です。公的文書や協議書において誤訳・誤解が生じると、法務局での却下やトラブルに直結するため、単なる機械翻訳に頼らない慎重な文案整備が不可欠です。


■ 署名・押印はどうする? 韓国籍・在外相続人の実務的手続き

韓国在住の相続人に対して、実務で最大のハードルとなるのが、**「遺産分割協議書への署名と本人確認資料の整備」**です。

日本の相続登記では、相続人全員の署名+実印+印鑑証明書を求められるのが通常です。しかし韓国には「印鑑登録制度」がなく、実印や印鑑証明書という文化・制度自体がありません。

このため、韓国籍・韓国在住の相続人が登記に協力する際は、以下の代替措置がとられます:

◉ 必要な対応例:

  1. 遺産分割協議書への署名(サイン)

  2. パスポートの写し(本人確認)

  3. 韓国で発行された住民登録謄本(住所証明)

  4. 署名と本人確認の事実を証明するための「公証人による署名証明書」

特に④は極めて重要であり、協議書の署名が本当に当人の意思によるものであることを担保する法的手段です。この証明書は、韓国の公証役場で取得します。所属する国の公的機関で手続きをします。

また、日本の法務局では、これら書類を「日本語に翻訳したうえで、翻訳者の署名や押印付きで提出」することが求められます。翻訳に誤りがあると、登記が受け付けられない可能性もあるため、信頼できる翻訳者または専門家による対応が重要です。AIを使った機械翻訳では難しいのが現状です。


■ 書類の往復とスケジュール管理:郵送か電子か

韓国在住の相続人と書類をやり取りする際、問題となるのが「郵送の安全性と時間的ロス」です。

日本と韓国の間では、通常の国際郵便(EMS)であれば5〜7日程度で到着しますが、紛失や遅延のリスクを避けるためにも、追跡番号付きの方法で送付することが原則です。

また、以下のような工夫を行うと、よりスムーズなやり取りが可能になります:

  • 書類送付前にPDFで確認用データを共有し、内容を事前チェック

  • 翻訳文と原文を同封し、内容の理解をサポート

  • 返信用封筒(切手・送り先明記)を同封

  • 相手方の都合に合わせて、公証の手配を事前調整

電子メールでの事前確認やZoom等を利用した説明会を行うことも、信頼関係を築くうえで有効です。なお、法務局に提出する書類そのものは原本が必要ですので、最終的には紙の書類でのやりとりが不可避となります。


■ ケース別の対応:本人が高齢・体調不良・連絡困難なときは?

現実には、韓国在住の相続人が高齢で意思疎通が困難な場合や、病気等の理由で書類作成や公証に応じられないというケースも存在します。

その場合には、以下の対応を検討することになります:

  • 成年後見制度の活用(韓国または日本)

  • 特別代理人の選任申立て(家庭裁判所)

  • 相続分の放棄・譲渡等による整理(法的な有効性の確認が必須)

これらの手続きは、法律に基づいた慎重な判断が必要なため、司法書士や弁護士による法的助言のもと進めるべきです。

また、登記義務化(2024年4月施行)によって、相続登記の放置はリスクとなり得るため、たとえ全員の同意が取りづらい状況であっても、部分的な法的整理や調停手続きも視野に入れながら動くことが重要です。


■ まとめ:在外相続人の存在は障害ではなく「工夫すべき実務上の要件」

韓国在住の相続人がいるからといって、日本の相続登記ができないというわけではありません。むしろ、多くの方が同様の状況にあり、制度的にも実務的にも対応方法が確立しています。

大切なのは、「何を、どの書式で、誰と連携しながら、どのようなスケジュールで進めるか」を明確にすることです。そして、必要に応じて翻訳者、公証人、司法書士、現地支援者と連携しながら進めていくことで、時間はかかっても、確実に登記は完了できます。

国籍や居住地が異なっていても、相続登記の義務は相続人全員に平等に課せられています。だからこそ、誰かひとりが主導し、専門家の力を借りながら整理していくことが、ご家族にとって大きな安心となるのです。

3 専門家によるサポートでスムーズな登記を実現

~「ややこしいから無理」ではなく、「専門家と一緒なら進められる」登記へ~

韓国籍の相続人が関わる日本の不動産の相続登記は、「戸籍が複雑」「言葉がわからない」「書類が揃えられない」といった理由で、つい後回しにされがちです。ですが、相続登記は2024年から義務化されており、「難しそうだから放置する」ことは、もはや許されない時代になりました。

では、韓国籍の相続人がいる相続登記は、実際にはどのように進めればいいのでしょうか? そして、どこまで自力でできて、どこからが専門家の支援を受けるべき部分なのでしょうか?

ここでは、登記の専門職である司法書士(兼 宅地建物取引士)がどのように依頼者をサポートし、登記を滞りなく完了まで導くかを、具体的に解説していきます。


■ 書類の種類が複雑化する国際相続では、最初の段階で「設計」が必要

日本人だけの相続登記であれば、戸籍謄本、住民票、遺産分割協議書、印鑑証明書を集め、司法書士が登記申請書を作成すれば、大抵のケースで完了します。

しかし、相続人の中に韓国籍の方がいる場合は、そう単純にはいきません。
登記に必要な情報を、韓国の「家族関係証明書」「基本証明書」「住民登録謄本」などから収集し、日本語への正確な翻訳を添え、さらに署名が本人のものであることを韓国の公証人で証明してもらう必要があります。

登記実務の経験がない方にとって、これらの流れをゼロから調べて段取りを組むことはほぼ不可能に近いのが現実です。国際相続では「手続きの流れを誰が設計するか」が成否を分けるといっても過言ではありません。

司法書士は、登記に必要な法的要件・実務上の書式・管轄の対応傾向などを踏まえたうえで、相続人の国籍・住所・言語の状況に合わせて「書類のリスト」「収集の順序」「翻訳・認証の必要有無」を整理し、最短・最適なルートを組み立てます。


■ 書類収集・翻訳・公証のすべてを一括でサポート可能

韓国籍の相続人が登記に関与する場合、最も面倒なのが「書類の調達」と「それを登記できる形に整える」ことです。

たとえば、韓国で発行される以下のような書類が必要になります:

  • 基本証明書

  • 家族関係証明書

  • 婚姻関係証明書(必要に応じて)

  • 除籍謄本

  • 住民登録謄本(現住所証明)

これらの文書はすべて韓国語で発行されるため、法務局への提出時には正確な日本語訳を添える必要があります。また、翻訳文には翻訳者の署名や押印が求められる場合が多く、機械翻訳や簡易なものでは受理されません。

司法書士に依頼すれば、これらの翻訳も含めて一括で手配することができます。加えて、公証人との連絡・書式の調整・韓国在住相続人への説明文書の作成なども一括して進められるため、依頼者自身が複数の窓口に問い合わせる必要がありません。


■ 日本の法務局との調整や事前相談も含めて対応

日本の不動産登記は、「全国共通の制度」でありながら、実際の運用は法務局の管轄単位で異なる部分もあります。特に、外国籍相続人が含まれる登記については、「この書類が必要」「翻訳はこれでOK」「公証書はこの形式で」など、法務局ごとに細かい運用差があるのが実情です。

そのため、提出前に事前相談を行い、書類の内容を確認してもらうプロセスが極めて重要になります。司法書士は、こうした法務局との事前調整・確認・補足書類の準備もすべて代行することができます。これにより、無駄な差し戻しや手戻りを最小限に抑え、最短で登記を完了させることが可能になります。


■ 心理的な不安の軽減と、家族関係のトラブル予防

国際相続では、書類の問題だけでなく、家族間の関係性言語・文化の違いによるトラブルが表面化することもあります。

たとえば:

  • 韓国にいる相続人が遺産分割に消極的で、連絡がつかない

  • 署名を拒否されてしまい、どうすればいいかわからない

  • 相手が「なぜ日本の登記に協力しなければいけないのか」理解していない

このような場面では、第三者である司法書士が介入し、中立的かつ法的根拠に基づいた説明を相手に提供することで、スムーズな解決につながることがあります。特に、相続のルールや登記の必要性を「感情的な対立なく」伝える役割は、専門家にしか担えない重要な部分です。

また、韓国語が苦手な日本側の相続人にとっては、相手と交渉すること自体が強いストレスになります。専門家が間に入ることで、不安やストレスを軽減し、前向きな解決に向けて安心して進めることができるのです。


■ 一人で抱え込まず、早めに相談することが最大の近道

相続登記は「義務」になりましたが、同時に「知識」と「調整力」を求められる非常に専門性の高い分野でもあります。特に国際的な要素が絡む場合には、正しい道筋を知らずに進めようとすればするほど、時間と労力を浪費することになります。

実際に、書類を自力で収集しようとしたものの、翻訳や公証の要件を満たせず、最終的に再取得になってしまったケースや、「登記はできると思っていたが、相続人の一人が連絡不能で結局裁判手続きが必要になった」というケースもあります。

早い段階で司法書士に相談することで、必要な書類の精査・今後の見通し・リスク管理が明確になり、全体の負担を軽減できます。
また、当事務所のように不動産実務に通じた宅地建物取引士の視点を持つ専門家であれば、「今後その不動産を売却したい」「収益化を考えたい」といった次のステップに向けた助言も受けられます。


■ まとめ:専門家と組めば、国際相続登記は確実に完了します

韓国籍の相続人が関係する相続登記は、確かに通常よりも複雑です。制度の違い、言語の壁、書類の多さ、不慣れなプロセス。けれど、「複雑=不可能」ではありません。

その複雑さを分解し、順序立てて対応していくこと。
必要な制度や書式を正しく整え、相続人の意見を調整し、登記申請まで責任をもって導くこと。
それが、私たち司法書士の仕事です。

「家族が外国籍だから無理かも」と思っている方こそ、ぜひ一度専門家にご相談ください。
一歩踏み出せば、意外とスムーズに進むことも多いのです。

まとめ

~国籍が違っても、登記はきちんと完了できます。迷わず一歩を踏み出しましょう~

ここまで、韓国籍の相続人が関わる日本の不動産の相続登記について、法律的な原則、必要書類、実務上の対応、そして専門家の役割に至るまで、さまざまな角度からご説明してきました。

「相続人に韓国籍の人がいるから、自分たちではできないかもしれない」
「書類が多くて複雑そうだし、放っておいても困らないなら今はまだ……」
そんなふうに感じていた方も多いかもしれません。

しかし実際には、相続登記は2024年4月から法律で義務化され、放置すれば過料の対象となる可能性があります。加えて、相続登記をしないまま年月が経てば、相続人の数が増えて関係が複雑になり、協議がまとまらず、不動産が“使えない資産”と化してしまう恐れもあります。
だからこそ、「今は困っていないから大丈夫」ではなく、「今のうちにきちんと整理しておくこと」が、将来の安心につながるのです。

特に韓国籍の相続人がいるケースでは、国際私法の原則に従って韓国の相続法(本国法)が適用され、さらに登記は日本法で行われるという二重構造になります。このことを理解しないまま手続きを進めようとすると、「必要な書類が違う」「翻訳が足りない」「署名の形式が合わない」など、思わぬところで手続きが滞ってしまいます。

けれども、そこに悲観的になる必要はありません。
法律的な原則と、日本の登記実務に精通した専門家の支援があれば、相続登記は必ず前に進められます。

司法書士は、単に登記申請を代行するだけではありません。
相続人の国籍・所在・戸籍や家族関係を整理し、必要な韓国語書類を整え、翻訳・公証の段取りを組み、日本の法務局の実務に合わせた書式で提出までを一貫してサポートします。韓国に住んでいる相続人がいても、連絡が取りにくくても、書類の整備と手順さえ間違えなければ、登記は着実に完了できます。

また、司法書士兼宅地建物取引士である当事務所では、不動産の相続後の活用や売却といったご相談も一括してお受けしています。名義変更後の「次の一手」まで見据えたアドバイスができるのも、登記と不動産取引の両方に精通しているからこそ可能な体制です。

最後に、相続登記でお悩みの方にお伝えしたいのは、「放置することこそが最大のリスクになる」という事実です。
手続きが複雑そうに見えるときほど、最初の一歩を正確に踏み出すことが大切です。そしてその一歩を、司法書士という専門家がしっかりと支えます。

韓国籍の相続人がいる不動産の相続登記についてお困りの方、今すぐにでも動く必要はなくても、「まずは何が必要なのか知っておきたい」と感じている方も、どうぞお気軽にご相談ください。
家族の大切な財産を正しく引き継ぎ、次の世代へ安心してつないでいくために、私たちが全力でお手伝いします。

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。