【これをやめたら成功する相続登記】名古屋のごとう司法書士事務所

0120-290-939
お問い合わせはこちら

ブログ

【これをやめたら成功する相続登記】名古屋のごとう司法書士事務所

2025/04/04

まずはじめに

「相続登記」と聞いても、普段あまり関わることのない手続きなので、「難しそう」「面倒そう」「今すぐやらなくても困らないのでは」と感じる方も多いのではないでしょうか。実際、相続が発生してからも、不動産の名義変更をしないまま放置してしまっているご家庭は少なくありません。特に、相続人が複数いる場合や、遺産分割の話し合いがうまく進んでいない場合など、「とりあえずこのままで様子を見よう」と思ってしまうのは、自然な心理かもしれません。

しかし、相続登記を放置すると、将来的に非常に大きなトラブルや負担を招く可能性があります。たとえば、相続人が亡くなってさらに次の相続が発生すれば、関係者が増え、権利関係が複雑になり、手続きにかかる時間も費用も大幅に増えてしまいます。また、不動産を売却したいと考えても、登記が済んでいなければ取引を進めることはできません。さらに、2024年4月からは相続登記が義務化され、正当な理由なく登記をしないままでいると10万円以下の過料が科される可能性もあるのです。

とはいえ、「じゃあすぐやろう!」と思っても、何から手をつければよいかわからず、戸惑ってしまう方が多いのも事実です。中には、インターネットの情報を頼りに自分で手続きをしようとする方もいらっしゃいますが、情報の多くは一般的な内容にとどまり、あなたのご家庭の状況にそのまま当てはまるとは限りません。必要な書類の種類や集め方、相続人間の調整、登記申請書の書き方など、専門的な知識が求められる場面は少なくないのです。

そこで本記事では、相続登記を円滑に、かつ確実に進めるために、**「これをやめたら成功する」**という視点から、よくある落とし穴や考え方の誤りについて解説します。思わぬトラブルに巻き込まれないためにも、今のうちに知っておいていただきたい大切なポイントを、司法書士兼宅地建物取引士の専門家の視点で、わかりやすくお伝えします。

1.「そのうちやろう」は危険!放置がもたらす深刻なリスク

相続登記は、不動産の名義を故人(被相続人)から相続人へ正式に変更するための手続きです。しかし、相続が発生してもすぐに登記を行わず、「まだ困っていないから」「とりあえず今のままでいいかな」と後回しにしてしまう方が非常に多いのが現実です。

こうした考え方は、一見すると合理的なように見えるかもしれません。確かに、法的には不動産の名義が亡くなった方のままでも、すぐに生活が立ち行かなくなることは少なく、「今すぐ必要なわけではない」と感じるのも無理はありません。ですが、相続登記には“やらなければならない明確なタイミング”が存在し、それを逃してしまうと、後々取り返しのつかない事態を招くことになります。

特に大きな問題の一つは、「相続関係が複雑化する」ということです。たとえば、相続登記を行わないまま数年が経過し、その間に相続人の一人が亡くなってしまった場合、その人の子どもや配偶者が新たに相続人として登場することになります。このように相続人が“相続人の相続人”にまで広がってしまうと、関係者が増え、手続きの同意を得るだけでも非常に手間がかかります。連絡が取れない人がいたり、関係性が希薄な人同士で協議が必要になると、感情的な対立や意見の不一致が生じやすくなり、話し合いが進まなくなるケースも少なくありません。

また、名義が故人のままの不動産は、売却や担保に入れるといった処分ができません。不動産の活用を考えたときに、「相続登記をしていなかったから売却の契約ができない」「リフォーム資金の融資を受けられない」など、急な予定変更を強いられることになります。空き家となったまま放置されるケースでは、建物の劣化や周辺環境への悪影響により、近隣住民とのトラブルに発展することもあります。

さらに、2024年4月の法改正により、相続登記は義務化されました。相続があった日から3年以内に正当な理由なく登記を行わないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。もちろん、すべての人に一律で罰則が適用されるわけではありませんが、「うっかり忘れていた」では済まされない時代になったのは事実です。

実際には、法務局から通知が来るわけではなく、自分から行動を起こさない限り、登記はずっとそのままです。しかしその“静かに進行するリスク”こそが、最も厄介な点でもあります。
「いざ売却しようと思ったときに初めて、相続登記をしていなかったことに気づいた」という相談は、司法書士のもとに非常によく寄せられます。

こうした事態を防ぐためにも、相続登記は**“すぐに必要ではないように見えて、実は最も早く取りかかるべき手続き”**なのです。
「そのうちやろう」ではなく、「できるだけ早く進めよう」という意識が、将来のトラブルや余計な費用を回避し、家族の財産を守るための最善策になります。

2.「とりあえず書類を集めよう」では逆効果になることも

相続登記の準備において、多くの方が最初に行おうとするのが「必要書類を集めること」です。確かに、相続登記には多くの書類が必要となります。代表的なものとしては、被相続人(亡くなった方)の戸籍謄本類、相続人全員の戸籍、住民票、不動産の固定資産評価証明書、登記簿謄本(登記事項証明書)などが挙げられます。しかし、ここで注意すべきなのは、「何の計画もなく、手当たり次第に書類を集めること」がかえって手続きを遠回りさせてしまうということです。

まず、多くの方がつまずくのが戸籍の収集です。相続登記では、被相続人の「出生から死亡まで」すべての戸籍が必要となります。戸籍は、転籍や結婚、改製などのたびに新しいものに移行するため、一人の人でも複数の自治体に戸籍が点在していることが多く、全てを網羅するには想像以上の手間と時間がかかります。途中までしか戸籍を集めておらず、「必要な戸籍が足りていない」として法務局から申請を突き返されるケースは珍しくありません。

さらに、家族関係に複雑な事情がある場合には、書類の内容も慎重に確認しなければなりません。たとえば、再婚歴がある場合や、認知された子がいる場合などは、戸籍に載っている相続人の範囲が思っていたより広がることがあります。必要な相続人を漏らしたまま書類を用意し、遺産分割協議書を作成しても、その書類は法的に無効となり、登記が受理されないことになります。

また、不動産の評価証明書を取得する際にも注意が必要です。市町村によっては、評価証明書に記載されている不動産の表記と、登記簿に記載されている情報に微妙なズレがあることがあります。たとえば地番と住所が一致しない、面積表示が異なるといったケースです。このような場合には、再取得や補足資料の添付が求められることがあり、結果的に二度手間、三度手間となってしまいます。

このように、「まずは書類から」と動き出しても、正しい順序や目的を把握していなければ、かえって非効率になり、ストレスや費用ばかりが増えてしまうのです。特にご高齢の方や、忙しい日常の合間で手続きを進めようとされている方にとっては、途中で行き詰まり「やっぱり面倒だ」と感じてしまう原因にもなりかねません。

また、最近ではインターネット上に「相続登記に必要な書類一覧」といった情報が溢れていますが、これらはあくまで一例であり、ご家庭ごとの事情や不動産の種類によって、必要な書類や対応が大きく異なることも少なくありません。場合によっては、書類の一部に記載ミスがあり、それに気づかないまま進めてしまうと、法務局で却下されて最初からやり直しになることもあります。

相続登記は、単なる書類集めではなく、「手続きの目的とゴールを明確にし、それに応じて書類を的確に準備する」という視点が必要です。書類の内容や集め方、さらには提出先に応じた形式など、細かい点に配慮しながら進めることで、初めてスムーズに手続きが完了します

そのため、最初の段階で一度、司法書士のような専門家にご相談いただくことを強くおすすめします。適切なアドバイスを受けた上で準備を進めれば、無駄な出費や労力を大幅に減らすことができ、確実な登記へとつながります。「とりあえず」ではなく、「計画的に」書類を揃えること。それが、相続登記成功のための大切な一歩です。

3.「誰でもできる」と思って自分で全部やるのはNG

近年、インターネットやSNSを通じて、相続登記を自分でやってみたという体験談や、手続きの手順を説明する記事や動画が数多く見られるようになりました。「自分でやれば費用もかからないし、そんなに難しくなさそう」と考え、自力で相続登記に取り組もうとする方も増えています。
しかしながら、この「誰でもできそう」という思い込みが、かえって手続きを複雑にし、結果的に時間も費用も余計にかかってしまう要因になっていることをご存じでしょうか。

相続登記の手続きは、確かに「法的には」本人でも行うことが可能です。しかし、実際の手続きでは多くの専門的な判断や実務的な処理が求められます。たとえば、必要書類をそろえるだけでも、戸籍の収集、相続人の確定、遺産分割協議書の作成など、非常に多くのステップが存在し、その一つひとつに法律的な意味や注意点があります。

特に注意すべきなのが、「相続人が複数いる場合」「代襲相続が発生している場合」「相続放棄をした人がいる場合」など、いわゆる“典型的でない”ケースに該当する場合です。こうした事案では、相続関係を正確に整理し、法的に有効な書類を作成しなければなりません。どこか一つでも不備があると、法務局で受理されず、修正のために何度も足を運ぶことになったり、場合によっては一からやり直しになることもあります。

また、遺産分割協議書の作成においても、「ただ全員の署名・押印があればいい」というものではありません。記載内容や形式、用語の使い方ひとつが登記の可否を左右します。さらに、不動産が複数ある場合や共有名義になっている場合には、誰がどの物件を取得するのか、持分の割合をどうするのか、といった点について明確に合意形成がされていなければなりません。合意が曖昧なまま書類を作成すると、あとから無効となったり、将来のトラブルの原因となります。

「費用をかけずに済ませたい」という気持ちは理解できますが、登記が不備で却下され、再提出を繰り返すうちに、結局は専門家に依頼することになり、かえって時間もお金も余計にかかってしまったというご相談は、実際によく寄せられます。

さらに、相続登記と同時に不動産の売却や利活用を検討している方にとっては、不動産全般の知識も不可欠です。法的な名義変更だけでなく、税務や不動産評価、将来的な資産活用まで視野に入れた対応が求められる場面では、宅地建物取引士としての視点も必要になります。
一般の方がこれらすべてを独力で判断・処理するのは、実務的には非常にハードルが高いのが現実です。

司法書士は、不動産登記の専門家として、法務局とのやりとりや書類の作成、相続人の確認、遺産分割協議書のチェックなど、相続登記全体の流れを的確にサポートすることができます。また、宅地建物取引士でもある当事務所では、不動産の評価や売却予定に合わせたアドバイスも併せて行っており、相続のその先まで見据えた“実務的に無駄のない対応”が可能です。

「自分でできるかもしれない」という思いは、時に大きな遠回りとなります。特に、不動産という重要な資産が関わる相続登記においては、最初から専門家に相談することが、結果的にはもっともスムーズで、もっとも安心な選択肢になることが多いのです。

まとめ

相続登記は、日常生活ではなじみが薄いため、「何から始めていいかわからない」「今すぐでなくても大丈夫だろう」と考えてしまう方が多いものです。しかし、今回お伝えしてきたように、“やらないでいること”が、後の大きなトラブルや負担につながるのが相続登記の本質的な怖さです。

まず、「そのうちやろう」と後回しにすれば、相続関係が複雑化し、関係者が増えてしまう恐れがあります。結果として、時間も費用もかさみ、家族間のトラブルにつながるケースもあります。また、「とりあえず書類を集めよう」と無計画に動くと、必要な書類を誤って揃えたり、二度手間になったりすることで、心身ともに大きなストレスを抱えることになります。そして何より、「誰でもできるだろう」と自分で進めようとすることで、法的な不備や実務上の行き詰まりに直面し、結局専門家に相談することになる――というのもよくある実例です。

相続登記の成功とは、「早く・正確に・無駄なく」手続きを完了させること。そのためには、“やめるべきこと”を知ることが最初のステップなのです。「先延ばしにする」「独断で進める」「自己判断で書類を集める」といった行動をやめるだけで、相続登記は驚くほどスムーズに進みます。

相続された不動産は、家族の大切な資産であり、思い出の詰まった場所でもあります。その価値を正しく受け継ぎ、将来にわたって守っていくためにも、今この瞬間にできる一歩を、ぜひ踏み出してみてください。司法書士として、そして不動産のプロとして、皆さまの大切な手続きを丁寧にサポートいたします。